特集・連載
ベーシックスーツの見極め方ってナニ? まず見るべきはラペル幅です
スーツ選びの実況中継 ビジネスシーンの多様化により、着こなしの自由度はUP♡ でも、その一方でスーツ選びの基準が曖昧になっているのも事実です。そこで、ドレス賢者のもとへ突撃取材を敢行! 10万円以下という適正価格で、今一度“スーツのベーシック”を学びつつ、最適“買い”へ導きます! この記事は特集・連載「スーツ選びの実況中継」#01です。
ラペル幅の絶対値は8.5cmと覚えよう!
この絶対値から外れるほど、スーツは“軟派”な印象になる
時が移ろっても色褪せないベーシックなスーツが欲しい! という思いは、せっかく買うならいいモノを長く着たいと願う服好きが、当然抱くもの。最定番のネイビーやグレーの無地さえ選べば大丈夫な気もしますが…
ちょっと待って。世界基準の制服たるスーツは、まさに微差こそ大差の世界。いろいろ気をつけないと恥ずかしい思いをしたり、3年で時代遅れ…なんて目にも遭いかねません。
だったらどこを見ればいいのさ~!? というわけで教えを請うたのは、硬派なドレス好きが信頼を寄せるシップス。MDの秋山さんは「スーツの印象を大きく左右するのが、ラペル幅。まずはここを見るべき」と力を込めます。
加えて「最近は太幅のものも増えていますが、あくまで気分を楽しむものであって、9.2cmを超えるようなスーツはビジネスの場では野暮ったく映ります。ベストは、8.5cm。これならいつ、どこへ行っても通用します」と話します。
お手本として見せてくれたラペル幅8.5cmのスーツは、なるほど体に美し~く沿う現代的なシルエットにして、“信頼の置けそうな”正統なる雰囲気に満ちています。「首回りへ立体的に沿う、仕立てのしっかりしたスーツを選ぶといった基本も、普遍性には欠かせません。試着時にしっかり確認しましょう」
教えてくれるのはこの方
シップス メンズドレス MD
秋山智春さん
2005年よりドレスバイヤーを務め、’12年に現職に。ドレス一筋、正統派スーツを愛するジェントルにして、カメラは苦手なシャイガイ。
《スーツ弱虫マスイの実況中継》
ベーシックスーツ編
《BEST BUY》
世界中、どこへ行っても通用する見目麗しきベーシック!
シップス
SHIPS
3B段返りスーツ
ネイビー無地でラペル幅は8.5cm、3つボタン段返りにフラップポケットと、あらゆるベーシックが一堂に会したスーツ。素材は伊、ロロ・ピアーナの通年生地「フォーシーズンズ」を使用している。スーパー130’sという繊維の細い高級原毛を用いたそれは、艶やかかつしなやか。控えめにして、品のよさに満ちた一着だ。8万3000円(シップス 渋谷店)
《STYLE CHECK》
濃紺の無地ならシーンも選びません
「シップスがずっと指名している、定番生地のスーツです。ラペルをはじめどこも奇をてらわない、どこへ着て行っても恥ずかしくないスーツと自負しております。」(秋山さん)
ジャケットの着丈は、尻がぎりぎり隠れるほどの現代標準。短すぎると軟派に、長すぎると野暮ったくなる。スーツ以外は参考商品。
《BASIC DETAIL》
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。