特集・連載
ニッポンの今どき焼き物図鑑[4.四国]
四国注目の焼き物は“素朴を極めた”風合いが一番の持ち味!
ニッポンの今どき焼き物図鑑 お洒落な洋食器で朝食、できたらな~♪って、ちょっとお待ちください。ここ数年、いつも買い物に行くセレクトショップが扱いを増やし、え、米海軍のプレート!? これ外国のダイナーの器じゃ!? なんて見紛うような“欲しい!”と唸る、ニッポンの焼き物が続出中。今回そんな今どき焼き物を、その産地の特徴も一緒に学べる図鑑にしてみました。「焼き物」=「古くさい?」なんてイメージは、だ~いぶ遅れちゃってますので、気をつけてくださいね! この記事は特集・連載「ニッポンの今どき焼き物図鑑」#04です。
ここ数年ファッション業界からも注目度急上昇中のニッポンの焼き物。特に僕らがいつも買い物に行くセレクトショップでは扱いが増え、さらに人気が高まること間違いナシです。今回はファッションアレンジによって人気ブランドともコラボしたという四国エリアの注目焼き物にフォーカスします。
“素朴を極める”からこそ男のモノ心にグサッ!
素朴な風合いが一番の持ち味といわれる大谷焼。焦げ茶、燻し銀、灰色など色合いも落ち着いたものが中心です。
この特徴を存分に活かしながら、普段使いに最適なスタックマグに仕上げたのが「スエキセラミックス」。大谷焼の中でも最も伝統ある窯元から生まれたブランドです。素朴を超えて無骨なほどのスタックマグですが、モノ好きの男ならこの無骨さがむしろ心に響くはず!
実際、あの「キャプテン サンシャイン」もコラボを経験。ラインの入った軍モノのような逸品を手掛けていました。最前線の服ブランドが食いつく事実からも、その実力が窺えます。
人サイズの焼き物を作る「寝ろくろ」技法も大谷焼だけ
(左)一人が横になってろくろを蹴り回す (右)一人が踏み台に乗り器を形作っていく
「寝ろくろ」技法も大谷焼ならでは。コレは大甕などを作る際、一人が作業台の下に寝転び、足で蹴ってろくろを回すという技法で、現在では大谷焼でしか行われていないものだ。
スエキセラミックスのスタッグマグ
アメリカンなスタックマグも大谷焼ならこんなにも素朴に。実用性と端正なデザインが見事に調和! シンプルでもハイセンスな器を展開するスエキセラミックスらしい仕事だ。容量は約280ml。各1600円(スエキ)
大谷焼[おおたにやき](徳島県鳴門市)
“阿波踊り”大谷焼
発祥は18世紀後半、水甕や徳島の特産品である藍を保存する藍甕のような大型の陶器を生産することで発展した。素朴な風合いが特徴。
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。