【メンズビギ50周年】菊池武夫氏が本気で作ったスタジャンが放つ圧倒的オーラ
タケ先生がメンズビギで初めて手掛けた渾身作
【メンズビギの50th Anniv.菊池武夫 クレーターウールメルトンスタジアムジャンパー】
節目の年に帰還した菊池武夫氏がブランドの現スタッフと共に作り上げたアニバーサリーモデル。右胸に重ねたビッグMBワッペンが力強くも愛嬌のあるアクセントに。背中側に刺繍されたテキストのデザインパターンは、往年のメンズビギスタジャンからセルフサンプリングしたもの。14万3000円。
背中にはタケ先生の格言「ファッションは肉体的自己表現の道具である」
50年越しのFIRST TAKE
創業デザイナーの菊池武夫氏
祝メンズビギ50周年! 記念すべきコレクションを手掛けるのは創業デザイナーの菊池武夫氏、その人です。界隈では敬愛を込めタケ先生と呼ばれてまして、そのタケ先生自身が「メンズビギと言えばスタジャン」と、とりわけ注力したのが本作だったとか。
ココで少々昔話をしますと、同社のスタジャンが社会現象級に大ヒットしたのが80年代前半のこと。一冬で2万枚売れたとの逸話も残る、憧れの一着でした。ですがその時点でタケ先生はブランドを離れていたため、実は今回が初スタジャン。
さすが御大、一発目でこの完成度……と聞けば、とんでもない。絵型から最終サンプルまで1年、作ったサンプルは都合3着と、一発撮りとはむしろ真逆の、各スタッフがセッションを重ねた賜物だったんです。
ロゴもタケ先生在籍時のものを復刻!
シルエットは80年代のヒット作をベースにしつつ、度重なる仮縫いと試着とを経てより現代的なビッグシルエットへ。素材はタケ先生自身がクレーターウールメルトンをチョイス。後加工でさらに縮絨させ、クレーターのような凹凸を持つ重厚なメルトンです。ゆえにアーム部も一般的な鹿革でなく、相応の重厚感を醸す牛革に。
こうして何度かサンプルを作るわけですが、この雰囲気に負けぬよう、リブ部分もライダースで見られる革製リブにすることを思いつきます。まずはアームと同じ牛革で作製したところ、逆に「硬さが気になった」とタケ先生。再度革サプライヤーと相談を重ね、薄く漉くという手間と工夫を加えることで、今の絶妙なレザーリブが生み出されました。
袖口の重厚感に負けぬようリブも牛革を使用
と、背景とウンチクとを垂れてみたものの、80年代をまったく通過していないアラサー編集部員Kが展示会で一目惚れ、その場で予約を入れちゃったくらい、匂い立つオーラが段違い! 50年目にして初のタケ先生スタジャン、最初のファンになるのはアナタです!
ライニングには着やすさと無骨さを備えるポリエステルタフタを採用
(問)メンズビギ 50周年プロジェクト担当
☎ 03-5428-0378
※表示価格は税込み
[ビギン2025年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。