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連載 通ジマン時計

深度より“顔”! 通が選ぶクラシック顔ダイバーズの見極め方

TUDOR

【時計マニアのあいだではこんな自慢バトルが繰り広げられています】
時計通ってヤツは、スキありゃ所有時計のジマンをネジ込んでくるモノ。こちらもダマって聞き流さず、ソレに負けないユニークピースで迎撃したい。そこで、通も一目置くポイントを備えた注目モデルをご紹介。

クラシック顔リューズガード無し自慢也
伝説の英国ダンディも“スッキリ顔”でモテモテ!?

口火トーク

えっ“深度性能が凄いでしょ”だって?? それも大事だけどダイバーズ通にはクラ顔ガード無しが最強なんだよね

スペック重視の時計好きってあなたの周りにも居ませんか?

「このダイバーズ、6000m防水なんです。実際には潜れないですけど、ある意味、最高速300km/hも出るスーパーカーみたいで凄いでしょ♡」

はい、巷でよく聞く深度とスーパーカーの最高速の例え自慢話です。ちなみに編集部では彼ら深度主義者を「渚の深度(シンド)バッド君」と命名!? もちろんイザという時、数千mの防水性が役立つことはあるかも知れません。

しかしファッション性も大事な時計好きは、機能と同時に服装とのマッチングも押さえておくべきです。そう言う意味で、スペック重視のダイバーズはややゴツめにすぎる場合が……。

となると思い起こされるのがダンディーのレジェンド、ボンド先生のスタイルです。映画『007 ゴールドフィンガー』では、白いタキシードにサブマリーナーといった格好で、美女達をメロつかせていた。

その時のダイバーズは1950年代製ということもあって、クラシックな三針式でしかもリューズガード無しのスマート顔。良く考えるとこの様式のモデルは、Beginの不文律であるトラッドスタイル全般に最適であり、今のお洒落に必要な要素を絶妙に網羅した良く出来ダイバーズなのだ。

なぜケースとベルトに隙間があるの?

なぜケースとベルトに隙間があるの

メンズスタイルの憧れであるジェームズ・ボンド。特にロレックス サブマリーナーの着けこなしは現代にも通用する格好良さ。小振りダイバーズにNATOベルトがもう渋いっ! ちなみにベルトが細くて隙間が空いているのは、当時のNATOベルトは18mmしかなかったから!? という都市伝説もあり。

とはいえ当時のロレックスなんて簡単にゃあ手を出せない。また他社ブランドでは、クラシック顔ダイバーズはあるけど、リューズガード無しモデルは、なかなかラインナップされていない。んで、やっと探し出したのがこの4モデルで、とくに注目したいのが現行品の『チューダー ブラックベイ 58』。

ロレックスの兄弟ブランド製ゆえ、要所を押さえた構成はサスガであり、「イカ針」「レッドトップベゼル」、そして1950年代風のリューズガード無しケースなど、随所に通泣かせのポイントを完備。ダメ押し自慢で「ちなみにサブにリューズガードが付いたのは1959年からなんだ」なんてウンチクで畳みかければもう勝ったも同然かもね(笑)

つり革バトルで隣の渚の深度バッド君がこれ見よがしに……

つり革バトルで隣の渚の深度バッド君がこれ見よがしに

手首バトルの戦場になりがちな電車の吊り革付近。スペック主義は海などの現場じゃ有効だが、日常のお洒落シーンではスマートさも大事。時計通が認めるヴィンテージ風小顔ダイバーズなら、シンドい敵にも鼻高々でエバれちゃう!

ヴィンテージテイストがお洒落

TUDOR

TUDOR[チューダー]
ブラックベイ 58

1950年代に端を発する自社モデルに範をとった現在形。すっきりケースは使いやすく、耐磁性を備えるCal.MT5402搭載。SSケース、レザーストラップ、径39mm、自動巻き。200m防水。54万1200円(日本ロレックス / チューダー)

TUDOR

通ジマン用語解説
 
【渚の深度(シンド)バッド君】
はい、ピンクレディーのあの名曲をパクった名称(笑)。深度性能重視のダイバーズ時計好きの愛称で、彼らはスペックをクルマの性能に例えるのも得意。
 
【『007 ゴールドフィンガー』】
アクションスパイ映画の王道『007』。“ゴールドフィンガー”の公開は1964年(英・米)。ボンド役の英国人ショーン・コネリーがロレックスのサブマリーナー(Ref.6538)を着けて活躍した。
 
【リューズガード】
腕時計のリューズ(時刻合わせ、巻き上げる部分)を守るための構造。リューズの側面や上下に突起や出っ張りを作り、衝撃や外力からリューズを保護する。
 
【イカ針】
チューダー独自の時針デザインの通称。1970年代チューダー サブマリーナー(Ref.9401/1)等のイカ針モデルは今も人気。正式には雪の結晶を意味する「スノーフレーク針」。
 
【レッドトップベゼル】
潜水時間の経過が計れる回転ベゼルに配した逆三角形の赤マーク。チューダーダイバーズのヴィンテージにも採用された意匠。サブマリーナーRef.6538にもバリエーション違いで存在する。
 
【サブにリューズガード】
1959年からリューズガードを装備したロレックスRef.5512が登場。 現在のサブマリーナーのデザインの基礎を築いた重要モデル。防水性能は200mが標準となる。クロノメーター仕様だ。

注目のクラシック顔リューズガード無しはコチラ

ORIENT STAR

ORIENT STAR[オリエントスター]
M42 ダイバー1964 2nd エディションF6 デイト 200m チタン

1964年製に打ち出した同社ダイバーズ2号機をベースとした発展モデル。12時位置のパワーリザーブメーターが特徴。チタンケース&ブレスレット、径41mm、自動巻き。20気圧防水。18万7000円(オリエントお客様相談室)

BULOVA

BULOVA[ブローバ]
アーカイブスシリーズ“ミルシップ”

1957年に米国海軍の依頼から生まれた「ミルシップ」の復刻版。ケース内の湿度を知らせる特殊インジケーターに注目。SSケース、ナイロンストラップ、径41mm、自動巻き。20気圧防水。9万2400円(ブローバ相談室)

OMEGA

OMEGA[オメガ]
シーマスター 300

ベージュカラーの夜光塗料など、こちらもヴィンテージテイスト。COSC認定のcal.8912は、60時間ものパワーリザーブを保持。SSケース、レザーストラップ、径41mm、自動巻き。30気圧防水。103万4000円(オメガ)

 
※表示価格は税込み


[ビギン2025年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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