プロの服好きがガチレビュー! 本当に愛せる“一生モノ”コート4選
プロの服好きが太鼓判【BASIC MASTER】
ベーシックを愛する達人に聞いた本当に愛せる一生モノコート
世にコートは数あれど、“一生モノ”と称されるのはごく僅か。その真価は着続けた人に聞くのが一番! てことで、ガチレビューを通してその魅力を改めて深掘ります。
【一生モノのピーコート】ピーコート
5年モノ
SINCE 1941 アメリカ
FIDELITY[フィデリティ]
官給品製作の実績を誇る海軍の拠り所
マサチューセッツ州ボストンで創業。重厚なメルトン素材のピーコートを長らく生産し続け、米軍に納入実績もある実力派ながらも、近年は街映えする優良アウターも多数輩出し、巷を賑わせている。
その暖かさは漁師から海軍までが経験済み♡
(FIDELITY/フィデリティ)
サンマリノ 総務 満井康晟さんが語る
「学生っぽさゼロ!の重厚感に惚れ込んでます」
サンマリノ 総務 満井康晟さん
海上の機能アウター、街着でも使い勝手が良すぎる件
「大学時代、世界中のさまざまな名作を蒐集するのにハマっていた時期に、ピーコートならやっぱりココでしょ!と購入しました。正直当時の自分には高嶺の花だったんですが、いざ袖を通してみるとお値段以上♪の風合いに大満足。」
「メルトン生地のコートは、ともすれば学生感を醸しがちだと思うんですけど、このコートは重厚感があって断然大人っぽい。ちょっといい店に食事に行くときなんかも、臆せず着用しています。着込んでもぜんぜんダメージがないですし、さすが名門だけあってデザインもごくごく普遍的。」
「今はまだ味らしい味もそれほど出てはいないんですが、今後一緒に歳を重ねて、育てていくのがとても楽しみです」
【一生モノのステンカラーコート】ダンケルド
20年モノ
SINCE 1823 英国
MACKINTOSH[マッキントッシュ]
雨ニモマケズな英国紳士の御用達
化学者チャールズ・マッキントッシュが発明した世界初の防水布、“マッキントッシュ・クロス”を用いたゴム引きコートの製造からスタート。今では英国ダンディズムの象徴的ブランドとされている。
ゴム引きコートは今もなおハンドメイド
(MACKINTOSH/マッキントッシュ)
八木通商 PR 大畑広志さんが語る
「生地が柔らかく馴染んだ今でも背筋をピーンと伸ばしてくれる」
八木通商 PR 大畑広志さん
バリッバリのゴム引きコットンはどんなエイジングを遂げるの?
「まだ金銭的に余裕のない20代前半に、“一生モノだから!”と清水ジャンプの決意で購入。羽織った瞬間、ゴム引き素材特有のパリッとした質感に、背筋がピーンと伸びたことを覚えています。」
「それからはキレイめからカジュアルまで、色々な装いで着用。なかなかクリーニングに出せないので、自宅で水かけて洗ったらポケットが抜けてしまい、結局専門クリーニングに出しました(苦笑)。」
「ボロボロになった衿も、スコットランドの同社工場に出張した際に交換。今ではパリッとした生地も柔らか〜く馴染んでくれました。ただ厳かな佇まいが少しも変わらないのは、生地と仕立てとパターンが調和しているからこそなんでしょうね」
[ネクストバイinfo]
パッカブルダンケルド
持ち運びもケアもラクなポリ素材
コートの脱ぎ着が多くなるこれからの時期に向けて、ダンケルドからパッカブルタイプが登場。高密度のポリエステルの軽量ポリエステルでシワの問題もナシ。2月中旬発売。9万3500円(マッキントッシュ ギンザシックス店)
【一生モノのダッフルコート】モンティ
20年モノ
SINCE 1951 英国
Gloverall[グローバーオール]
雨風をしのぐオトコの防寒服
グローブとオーバーオールを販売していたモリス夫妻がダッフルコートを製造販売するために創設。漁師の防寒着や海軍の船上着だったダッフルコートをファッションへと昇華させた草分け的存在だ。
モンゴメリー元帥もアツ~く愛した
(Gloverall/グローバーオール)
Pt.アルフレッド 店長 本江浩二さんが語る
「サッカー観戦時の脚冷えも防ぐ 僕にとっての極上ベンチコート」
Pt.アルフレッド 店長 本江浩二さん
ウールなのにまるでケア要らず どんな扱いでも壊れない理由
「ファッションに携わって45年以上。いろんなダッフルを着てきたしオリジナルも作ったことがありますが、ハッキリ言ってモンティは自分史上最高ランクの実用コート!」
「パーツが少なくて壊れにくくメンテもラクラク♪ でいてメルトン生地は、保温性にも優れるし、少しの雨、風、雪なら余裕で防いでくれる。おまけに丸洗いしても縮まないし、着丈が長めで趣味のサッカー観戦時に冷たいシートに座っても、ヒザ掛けのように脚を包んでくれる。」
「しまいにはポケットも大きくてちょっとした外出なら鞄要らず……と、20年寄り添っても嫌なところが少しもないんですよね。もう生涯現役です!」9万3500円(Pt.アルフレッド)
[ネクストバイinfo]
トゥモローランド別注のモンティ ナッピングウール ダッフルコート
アーカイブの意匠を盛り込んだロマン派
通常より短丈でスッキリと仕上げた別注型。他もアーカイブに則り、トグルの紐を麻からシボ革へ、袖口の留め部分はボタンからトグルへ変更するなど、名作へのリスペクトが詰まった意欲作だ。19万8000円(トゥモローランド)
【一生モノのトレンチコート】100年コート
3年モノ
SINCE 1946 日本
SANYOCOAT[サンヨーコート]
神は細部に宿る。を見事に体現
日本に上質なコートを広めたパイオニア、三陽商会によるコート専業ブランド。「伝統と革新」「日本製」「こだわりの品質」をキーワードに掲げ、末永く愛されるオリジナルのコートを製作し続けている。
生地作り~縫製まで日本の美意識が宿る
(SANYOCOAT/サンヨーコート)
三陽商会MD 藤田浩太郎さんが語る
「美意識が所狭しと詰まった究極のジャパントレン」
三陽商会 MD 藤田浩太郎さん
王道 × 日本のモノ作りが一生モノへの方程式
「このトレンチコートを購入する以前に、ショート丈の100年コートを着ていました。そのショート丈がすごくよくて。2年後にはたまらず長丈を購入。英国ブランドをはじめ、いろんなトレンチを着たけど、ここまでしっくりくるモノはなかった。」
「まず日本製ならではのフィッティング。コートスタイルが映える、肩の収まりが抜群です。デザイン、ディテールも真摯にオーソドックス。ステッチの間隔だったり、ラペルの角丸など、日本人らしい精緻な作りにもゾッコン。」
「まだ3年の着用期間ですが、そんなわずかな間にも、高密度に織られたギザコットンのギャバ生地に味のある柔らかさと光沢感が出てきていて、これからも袖を通すのが楽しみで仕方がないです」
[ネクストバイinfo]
100年コート 極 KIWAMI
贅を尽くした最上位モデル
高級素材を惜しげもなく使い、些細なディテールまで妥協なく仕上げた、集大成的逸品。ギャバジンにはシーアイランド種の超長綿「アルティメイトピマ」を使用している。23万1000円(SANYOSHOKAI カスタマーサポート)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。