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Jan-31-2025

カミナリ・石田たくみさんが語るレトロゲームの魅力とは?

カミナリ・石田たくみさん

趣味も全力芸人に聞く! インドア編 あえて、懐かしのレトロゲームを遊んでみる

スーファミ

大迫力の映像や音楽が迫りくる最新ゲームもいいけれど、ファミコンやスーファミで育った世代なら、今改めて懐かしのレトロゲームをやるってのも一興です。ゲーム動画も人気の芸人、カミナリのたくみさんが語るその魅力とは?

「“不完全”だからむしろ楽しいんです」


カミナリ 石田たくみさん

1988年、茨城県鉾田市生まれ。中学校の同級生である竹内まなぶさんとともに、2011年、お笑いコンビを結成する。漫才ではツッコミを担当し、茨城弁での激しいどつきツッコミで人気を博す。音楽やファッション、クルマなどにも明るい、ポスト・所さん的存在。

YouTubeでゲームに関するコンテンツを発信中  

カミナリの記録映像_カミナリの記録ゲーム

  登録者数19万人超のメインチャンネル『カミナリの記録映像』と、ゲームに特化した登録者数7万人超のチャンネル『カミナリの記録ゲーム』にて多彩なコンテンツを発信。時折開催されるイベントにはゲーム好きが集う。

お笑いもゲームも雑誌も隙があるから愛おしい!

──テレビゲームを始められたのはいつ頃からでしたか? たくみ:いやぁ〜、何年生だろう。4つ上の兄貴がいて、物心ついたときには家にスーファミあったんで、いつからかは定かじゃないすけど、はっきり自分の意思で遊んだなっていうのは『スーパードンキーコング』と『ポケモン』ですね。マリオよりドンキーのほうが好きで。サルが好きなんすかね!?

カミナリ・石田たくみさん

──YouTubeチャンネルでは、ドンキーコングの音楽がとにかく素晴らしいとおっしゃっていて。昔から好きだったんですか? たくみ:当時はわかってなかったと思うんですけど、ゲームを好きになったのは、音楽がいいからというのもあったんじゃないかな。撮影で久々に『スーパードンキーコング2』をプレイしましたが、メロディ全部覚えてましたもん。 ──好きが高じて、作曲したデビッド・ワイズさん本人へ取材に行き、イギリスの道端で出会えた! という動画もバズっていましたね。 たくみ:会えたときはデビッド・ワイズだ! って嬉しかったっすね。でも視聴者の方にドンキーコングの音楽ファンがいっぱいいるもんで、その思いを背負ってまでインタビューしたくねぇな、とじつは思っていて(笑)。緊張して僕の発言、結構カットされてるんです。

リアルイベントはゲーム好きの集まる場に

リアルイベント ──えー、意外です。プレイより音楽に着目した関連動画も新鮮でした。レトロゲームの音楽には、なにか特別なものを感じますか? たくみ:昔のヒップホップだったりジャズもそうですが、音がシンプルですよね。引き算の音づくり。そのほうがいいこともあると思って。これはワイズさんが言っていたんですが、ドンキーコングでは容量の制限があるなか、工夫して音を作らないといけなかった。だからいいものができたんだ! って。

独自スタイルのプレイ動画は毎度人気

プレイ動画 ──制限が発想を生んだと。ところでスーパードンキーコング2、久々に遊ぶとムズくないですか? たくみ:昔よくクリアできたな! って思いますね。最近のゲームのほうが操作は複雑で、敵の攻撃に合わせてタイミングよくガードをするとか、ジャスト回避しないといけなかったりとか、いろいろ難しさはあるんです。ただ、レトロゲームはもっとシンプルなところでムズい。走りながらここでジャンプしないとヤラれる! みたいな。コントローラーの性能とかもあるんすかね? わからないですけど、新旧にかかわらず、僕は難しいほうがやりごたえがあって好きっす。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』も、頑張る、やられるの繰り返しでしたし、当時の体験がいまの好みに繋がっているのは感じますね。 ──レトロゲームには「クソゲー」が多い印象もあります。有名どころでは『デスクリムゾン』とか。 たくみ:でも作り手は、クソゲーにしようと思って作ってないと思うんです。あのデスクリムゾンの作者の方も、一生懸命作ったのにクソゲーと言われてムカついた! とおっしゃってて。いや本当そうだよな、改めてクソゲーって失礼な言葉だなって思いますけど、僕は完璧よりちょっと隙があったほうがいいと思うんです。漫才のネタも、完璧すぎると見る側は笑えなかったりしますもん。そういえば『ジョジョの奇妙な冒険』の第1部の単行本でも、ジョナサン・ジョースターって主人公の飼っている犬が蹴飛ばされるシーンがあるんすよ。したらジョナサンが「何をするだァーッ!」って怒ってて(笑)。後の文庫本では「んだ」に直ってるんですが、オリジナルのほうが、愛おしいでしょ? 雑誌の誤植にも同じことがいえて、本気でやった失敗はむしろ好き。デスクリムゾンも説明書内の『Stage』のスペルが『St “e”ge』になっていたり(笑)。そういうミスが楽しいのも、レトロゲームの魅力なんじゃないかと思います。 ──縮こまりがちな現代人みんなで共有したい価値観ですね。 たくみ:僕、レコード集めるのも好きなんすけど、過去を掘りに行くのってすげえ楽しいなって思うんです。前だけ見ようみたいなのって、あんまり好きじゃなくて。昔やったゲームをやると、ゲームを通じてこういう楽しいことあったわー! っていう当時の思い出が蘇ったりするんです。昔の思い出を取り戻すためにレトロゲームをやってもいいのかなって。それと、レトロゲームをやった後に最新のゲームやると、技術の進歩すげえな! って思います(笑)。スマホもプレステも全部、誰かが頑張った結果で当たり前じゃないんだと思える。感謝の気持ちが生まれるので、ぜひやってみてください!

分かっちゃいるけど息吹き込みがち

カミナリ・石田たくみさん

ゲームソフトを“カセット”と呼んだ世代なら、この儀式に覚えがある人も多いはず。「任天堂もやんないで! って言ってたらしいんですが、『いや俺のだし!』と反発してやってますね。お菓子を食べた手でコントローラーを触るのも、俺のならいいだろ!? って(笑)」。

カミナリ・石田たくみさん

おせっかいな解説   【デビッド・ワイズ】英国のゲーム会社、レア社に所属していた伝説の作曲家。動画の縁でカミナリが日本に呼び、コンサートを行った。 【デスクリムゾン】エコールソフトウェアが1996年に発売したセガサターンのソフト。「なんだこの階段は!」の台詞がネットを席巻。 【何をするだァーッ!】ジョジョ第1部のシリアスな場面で発せられた名誤植。なお第3部には『F-ZERO』のパロディゲームが登場。

プレイして聴きたい! たくみさんオススメの名BGM

レトロゲームは名曲の宝庫。遙か昔の記憶でも、出だしの音を聴いた途端に続きを思い出す……なーんてのもザラ。聴くにはプレイしながらが一番♪というわけで、たくみさん的オススメベスト3を紹介してもらいました。

“ヒップホップ”を感じますね

『スーパーメトロイド』の『サムス登場』

『スーパーメトロイド』の
『サムス登場』
ディスクシステム版のオリジンから継続するメロディ。「サムスって主人公が登場するときに流れる音で、一瞬なんすけど、これがすごくカッコいい。ループさせるとヒップホップっぽい響きになるんすよ。友人が『牛〜乳〜石鹸よい石鹸〜♪』って歌詞を乗せて歌ってて。その印象あったけど、今聴くと全然聞こえないすね(笑)」。

大人になってわかるすっげぇチルさ

『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の『タイトル』

『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の
『タイトル』
1998年に発売された、ニンテンドー64の傑作ソフトより。「小6くらいのときに買ったんですが、オープニングでこれが流れた瞬間、『しまった、大人がやるゲーム買っちゃった!』って思ったんすよ。やたら荘厳で。絶対ムズいゲームだな! と思ったら案の定激ムズでした(笑)。ゼルダは名曲揃いで『迷いの森』って曲も好きですね」。

宇多田ヒカルの中期みたいです

『スーパードンキーコング2』の『とげとげタルめいろ』

『スーパードンキーコング2』の
『とげとげタルめいろ』
1995年に発売されたスーファミソフトで、BGMの作曲はツウから“神”と崇められるデビッド・ワイズ氏が担当。「元々は海の面のために作った曲らしいんですが、とにかくカッコいい。本人はミスマッチ感が面白いというけど、オレら的にはハマってるんすよね。あと個人的には、宇多田ヒカルの楽曲に似てるなって思います、中期の」。

レトロゲームを買うならこんなトコロ 駿河屋 秋葉原ゲーム館  

駿河屋 秋葉原ゲーム館

  ネットで買うほうが簡単だけど、実物を見ながらディグる楽しさに敵うものなし! てなことで奨めたいのが、カミナリも撮影でよく訪れているこちら。古今東西のゲームがところ狭しと並ぶ。年中無休。 住所:東京都千代田区外神田3-9-8 東洋ビル1F 電話:03-3256-7277

  ※表示価格は税込み


[ビギン2025年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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