【円谷よりピープロ】 いであつしさんが昭和の特撮モノについてディープに語る
いであつしのマイナーモノ語り
実はかなりの特撮好き、「ナルヘソ! ニッポン探訪」でおなじみのいであつしさんに、ディープな特撮モノを聞きました。出てくるタイトル、どこまで知ってる?
じつは特撮も好き
いであつしさん
通な昭和の特撮好きは円谷プロよりピープロ
オレにいわせりゃ『ゴジラ −1.0』なんてまだまだだぁね。ゴジラ映画といったら『ゴジラ対ヘドラ』でしょう。
高度経済成長期の昭和に出現した公害怪獣ヘドラはエモいビジュアルで海外でも人気があり、『ビームス』からソフビが発売されたこともある。
未見の人はまぁ映画を観てごらんなさいな。柴俊夫がパンタロンをはいてサイケなディスコで「♪水銀コバルトカドミウム~」という曲で踊るシーンなんてアータ、ビバ70年代だ。
じつは『メイドインU.S.A.カタログ』と『メイドインU.S.A.カタログ2』よりもボロボロになるまで読みこんでる愛蔵書がある。『全怪獣怪人《上巻》』と『全怪獣怪人《下巻》』という、厚さ3cmはあろう分厚い上下巻で、昭和の時代に放送された特撮テレビドラマを余すことなく網羅したエンサイクロペディアだ。
「ボクのバイブル」と語るいでさんの私物。ケイブンシャの大百科シリーズの先駆けとして人気を博した。絶版。
上巻は、主に昭和41年に放送された『ウルトラQ』に続く『ウルトラマン』から始まった「第一次怪獣ブーム」と、昭和46年に放送された『帰ってきたウルトラマン』から始まった「第二次怪獣ブーム」について書かれている。
パツンパツンの半ズボンをはいた典型的な昭和の肥満児だったいであつしは、どっちのブームもガッツリ被っている。当時多くの小学生はウルトラマンの「円谷プロ」派だったけど、オレは断然「ピープロ」派であった。
メジャーな円谷プロと違いピープロは怪獣もマイナーで、昔からB級グルメ好きなオレはたまりませぶん。
例えば『宇宙猿人ゴリ』に出てきたモグネチュードン。上半身がモグラで下半身がナマズの地震怪獣だ。まんま巨大なゴキブリの怪獣ゴキノザウルス。ふてほどで絶対再放映できない『アルジャーノンに花束を』の怪獣版、天才怪獣ノーマンなどなど。B級特撮怪獣グルメのオンパレードである。
ちなみに『宇宙猿人ゴリ』はどうみても『猿の惑星』のパクリだが、途中からヒーローのスペクトルマンが人気でタイトルが『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』→『スペクトルマン』になっちゃうのもB級特撮グルメらしい。
でも『全怪獣怪人上巻』によると、日本で初めてカラーテレビで特撮怪獣ドラマを放映したのは円谷プロではなく、ピープロの『マグマ大使』なのだ。
いでコレクションのひとつ『マグマ大使』に出てくるモグネス
さらに第二次怪獣ブームも『宇宙猿人ゴリ』が『帰ってきたウルトラマン』より3か月早く放映されているのだ。
ナルヘソ~。ピープロおそるべし。ビバ! 昭和のB級特撮グルメ。
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[ビギン2025年2月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。