名手、“書く”語りき……
暖冬でニットアウターが再燃の兆し!? 熟練ファクトリーブランドに聞く深淵なるニットの世界
名手に聞く「ニットは●●い」!?
ライトアウターのニーズから、久々に存在感を増しているニットアウター。近年は世界のメゾンの生産も担う、日本のニットファクトリーのオリジナルも大人気!そんな名手たちに、自らのアイテムを例にしつつ、ニットの魅力と可能性を語っていただきました。加えて、あの大物デザイナーのインタビューも必見ですよ!
【番外編】世界的クリエイター
トッド・スナイダー氏にも聞いてみた!
話題のコレクション、ウールリッチ ブラックレーベルを手掛けるトッド・スナイダー氏が来日。同レーベルではニットがKEYアイテムだそうで。そこでスナイダー氏にもニットの世界観を直撃してみました!
名テーラー、バドワーズで服作りを学び、ラルフローレン、GAPにてデザイナーとして開花。その後、J.クルーでリカーストアをオープンし、トラッドブームの仕掛人となる。2011年には自身のブランド、トッド・スナイダーを発表。コラボの名手としても知られる。
Pick Up!
カウチンカーディガン
【1枚編むのに2日を要する!】
カウチンニットの祖、カウチン湖周辺に住むサリッシュ族が、極太番手のヴァージンウールを2日かけて手編みしたリアルな一枚。しなやかな質感、スナイダー氏らしいモダンな雰囲気により、シティコーデにも合わせやすい。21万1200円(ウールリッチ 二子玉川店)
男のスタイルの仕上げに欠かせない
ウールリッチはアークティックパーカのイメージが強いかもしれませんが、ルーツは毛織物ファクトリー。ウール製品とニットも名品揃いです。ブラックレーベルを手掛けるにあたり、ニットもブランドの鍵となるアイテムだと思いました。
そこでオファーしたのが、私のコレクションでも長年カウチンニットを作ってもらっているカナダのハンドニットメーカー、カナタです。バンクーバー島のネイティブカナディアン、サリッシュ族が手編みで作る、重厚で温かみあるカウチンニットは、ウールリッチのアウトドアライフスタイルとも相性がいいと思ったのです。
トッドさんも信頼のカウチンの名門カナタ
バンクーバー島サリッシュ族のハンドニット
別注モデルではありますが、ウールリッチのニットはオーセンティックである必要があります。色柄はカナダの伝統的なトライバル柄をベースに、山や岩、石をモチーフにしたデザインで、自然への敬意を表現しました。裾と袖上のチルデン調のストライプは、僕なりのトラッドなアクセント。街でアウターとして都会的に着られる工夫の一つです。
ポケットの柄合わせも芸術的!
僕はカウチンやアランセーター、カシミアのハイゲージなどニットが大好物。とてもラグジュアリー、贅沢なアイテムで、スタイリッシュな男の仕上げになる。ワードローブには欠かせないものだと思いますね。
The knit is…
※表示価格は税込み
[ビギン2024年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。