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世代別着こなしSNAP
【エル・エル・ビーン】100年愛される「フィールド・コート」の現在地<後編>
1924年に誕生し、2024年の現在も愛され続ける傑作「フィールド・コート」。誕生から100年後のエル・エル・ビーン好きたちはどうライフスタイルに取り入れるのだろう? 下は20代から上は60代まで、世代を超えた着こなしをSNAP!
FIELD COAT SNAP⑤ 30代
米国クラシック好きとフィールド・コート
フリーランスPR/プロデューサー
田中 遥さん
1991年、福島県生まれ。大手セレクトショップにて販売員、プレス、商品企画を担当後、2021年に独立。現在はブランド&企業のプロモーションやクリエイティブディレクションなどで活躍。ヴィンテージからアメカジ、モードにトラッド、ストリートまで縦横無尽に着こなすハイセンスの持ち主 。インスタグラム @yotanaka1109
「“変わらないモノこそモダン”を体現する名作」
―――エル・エル・ビーンとの出会いを教えてください。
「いつからなのか憶えていないほど、物心ついたときには身近な存在でした。というのも、父親がアイビースタイルやアメリカのブランドが好きで、エル・エル・ビーンの大ファン。なので、子供の頃から着せられて育ったんです。その後は違うテイストに傾倒して、クラシカルな世界観がシックリと来なくなりました。
だけど僕も年齢を重ねて感覚が変わったのか、少年時代に着ていたエル・エル・ビーンは格好よかったと再認識しました。だから、エル・エル・ビーンが好き!と胸を張れるようになったのは、恥ずかしながらここ数年なんです。人並み以上にたくさんの洋服に触れてきた自負はあるものの、まだ若かったと思うし、逆にいえば、それくらい今は成熟してきたのかも。ファッションの原体験だったので、深層心理に刻まれているんでしょうね」
田中さんが暮らすアーリースタイルのアメリカンハウスにも、クラシカルなフィールド・コートがマッチ。「セーターも同じくエル・エル・ビーン。さらにヴィンテージデニムやトラッドなコードバン靴など、オーセンティックな米国モノでまとめました」
―――エル・エル・ビーンのどんなところに惹かれますか?
「ブランドを問わず、世間には不朽のスタンダードが多々ありますが、以前の僕はあまり興味がなかった。けど実際に着たり使ったりすることが大事だと考えて、エル・エル・ビーンのトートバッグを買ったら、皆が評価する意味がわかりました。僕はインテリアも大好きで、1950年代の家具に代表されるとおり、古いデザインは本当に完成度が高いと感じます。長く愛され続けているプロダクトには、やはり相応の理由がある。結果、時代を経ても色褪せないモノが一番モダンだと思うし、フィールド・コートもそれを体現していますよね」
大切な家族であるミーアキャットのタウ君と。散歩に連れ出すときもフィールド・コートが活躍。「水を弾くオイルド・コットンなので、小雨が降ってきても安心ですね」
―――今日は100周年記念のフィールド・コートを着用していただきました。
「基本的なデザインは変わっていないし、シルエットもいい意味でクラシックで、必要以上にモダナイズされていないのがいい。こうしたロングセラーアイテムは時代とともにアップデートされて、いつしか本来のものとは掛け離れてしまう例も少なくありません。僕がエル・エル・ビーンに求めているのは、現代的に洗練されることではないし、そこが守られているのが嬉しいですよね。
オイルド・コットン素材はズッシリと重かったり、ベタついたり、ケアが面倒だったりと扱いにくいのが難点だけど、この100周年記念モデルは軽やかなうえに従来と比べて手触りもドライ。しかも洗濯機で洗えますし、こういう魅力的なアップデートは大歓迎です」
1980年代エル・エル・ビーンのレザー製トートバッグを愛用。「地方のヴィンテージショップで発見し、最近とくに登板回数の多いお気に入りです」
FIELD COAT SNAP⑥ 50代
極寒地のクラフツマンとフィールド・コート
ディアホーン・クラフツマン
森井英敏さん
1968年、北海道生まれ。約15年前に天然エゾ鹿の角を贅沢に用いた唯一無二のディアホーンシャンデリアを完成。今も帯広を拠点にオールハンドメイドを貫き、全国の住宅やレストラン、ショップなどに納入している。2024年に仲間のクラフツマンと共同でオープンした東京・代官山のセレクトショップ「バッファロー&ブリッジ」で作品を常設。インスタグラム @deerhornsmiths
「自然と対峙する仕事場で、最も頼りになるアウターです」
―――北海道・帯広を拠点として、ディアホーンシャンデリアをハンドメイドで作り続ける森井さん。エゾ鹿の角を組み上げた唯一無二の作品はどのようにして生まれたのでしょうか?
「若い頃、古着の買い付けをやっていたときにアメリカに行くことも多かったんですが、ウエスタンやネイティブアメリカンの文化にも興味があったので、ロサンゼルスだけでなくアリゾナやコロラド、ワイオミングなどにもよく足を運んでいたんですよ。そこで出逢ったのが、1930年代に活躍したカウボーイファニチャーの巨匠、トーマス・モールスワースの作品。その世界観に憧れ、彼の代表作であるディアホーンシャンデリアを復刻しようと思ったのが始まりです。北海道には廃棄されるエゾ鹿の角が大量にあるので、これを有効活用するという目的もありました。
完成したのは約15年前。最初にオーダーしていただいた方に、“アメリカでもこれだけきれいに組み込む職人は見たことがない”と褒めていただいたときは本当に嬉しかったですね」
薪割りも自分で行う。「丈夫なコットン・キャンバス製で、洗濯機で丸洗いできるところがワークウェアとして頼もしい。背中にプリーツが入っていて、腕の動きが窮屈にならないところも優秀です」
―――ディアホーンシャンデリアはどのようにして作っているのですか?
「今でも鹿角を組む作業から、塗装、配線、仕上げまで、ほとんどの作業を一人で行っています。一本一本サイズもカタチも違う天然のエゾ鹿の角ですから、全体のバランスを整えるのが腕の見せどころですね。シャンデリアを吊るして何度も回転させ、バランスが悪くないか確かめながら作ります。ふつうは気が付かないところまで美しく仕上げるのが信条ですね。全てハンドメイドなので、オーダーを受けてから完成までひとつの作品を作るのに2~3カ月、年間30台ほど製作しています」
作業に没頭するあまり、気がついたら深夜になっていることも。「何度もシャンデリアを回転させながら、バランスを整えていきます。フィールド・コートの大きなポケットは室内作業でも役立ちます」
―――モノ作りを支えるワークウェアはコットン・ダック地のフィールド・コートが多いそうですね。
「まず丈夫な天然素材のウェアでないと作業には向きません。鹿角を煮沸したり焼き色をつけるための薪割りから始めますから、火の粉に強いこと、枝などに引っかかっても簡単には破れないことが絶対条件です。それに加えて、フィールド・コートは最初からしなやかな生地ですが、着れば着るほど体に馴染んで着心地が向上していくところが気に入っています。
何より、100年前のアメリカで誕生したデザインをほとんどそのまま受け継いでる点が素晴らしいですよね。僕が憧れてやまない時代のアメリカの名品を着て仕事ができるなんて素敵なことだと思います」
夏場以外の3シーズン、作業着はフィールド・コートが多いという。「1年のうち4カ月は雪に埋もれる寒い地域ですが、内側にフランネルのライナーもついていますし、中に厚手のニットを着込めば冬でも十分作業できます」
FIELD SNAP⑦ 20代
アウトドアラバーとフィールド・コート
Urara flowers オーナー
岡崎麗子さん
2019年からUrara flowersの活動をスタート。“飾る”“贈る”の二軸を活動のベースとし、花を通じて伝わる気持ちや愛を大切にしている。店舗は構えず、全国でポップアップイベントを開催。また注文による販売と配達、ウェディングや店舗ディスプレイなども手がける。最近は知人に誘われて始めた登山にのめり込み、夏山から雪山まで絶景を楽しむ。インスタグラム @reikokazaki @uraraflowers
「小柄な私にも似合うシルエットが嬉しいですね」
―――岡崎さんはアウトドアがお好きだと聞きました。
「昔から自然に触れることが好きで、最近もキャンプ場で仲間とワイワイ楽しんだばかり。昨年からは登山に夢中で、北アルプスの峰々に登ったり雪山にもチャレンジしたりしています。美しい景色はもちろん、辛い坂をコツコツ登った先にある達成感は気持ちいいし、日常生活から一旦離れることで気持ちをリセットできるのもいいですね。
そもそも私のアウトドア好きは、フィッシングやキャンプが好きだった父親の影響が大きくて。そんな父が昔、エル・エル・ビーンの服を着ていて可愛いなと思ったのを覚えています」
渋めのカラーも岡崎さん好み。「オレンジのニットキャップでアクセントをつけました。ミニスカートとカラータイツを合わせても可愛いかも。街でもキャンプでも重宝しそうです」
―――幼い頃からエル・エル・ビーンには親しみがあったのですね。
「小学生の頃からエル・エル・ビーンのキャップやリュックを愛用していました。私が好きなのは、昔からずっとあって、思いが紡がれているモノ。そういう意味では、エル・エルビーンの昔から変わらない感じが愛しいですね。大人になり、ヴィンテージショップで働くようになってからもエル・エル・ビーンのアウターやシャツを見かけては可愛いなと思うことはありました。でも身長が低くて小柄なので、なかなか自分に似合うサイズ感のものを見つけられなかったんです」
伝統的な柄のニットを合わせてクラシック感を統一。「ゆとりのあるシルエットに滑らかな素材のライナーを備えているので、袖を通すときもごわつかず快適にレイヤードを楽しめます」
―――では、今回のジャパンエディションのフィールド・コートはちょうどいいのでは?
「まさに待っていました!という感じですね(笑)。やや短めの丈感と程よいゆったり感は、小柄な私にもピッタリだし、インナーを選ばずレイヤードも楽しめる。それに中綿が入っているとは思えないほど軽くて暖かく、動きやすいところがいいですね。フィールド・コートを象徴する大きなポケットも便利なので、キャンプに行くときも、市場へ行って花を仕入れるときもガシガシ使えそう。
アメリカンクラシックの土臭さや男っぽさを生かしつつ、鮮やかなカラーの小物や女性らしいアクセサリーをミックスして着こなしてみたいですね」
クラシックなルックスだがハイテク中綿を採用している。「見た目に反して軽量なのでびっくりしました。丸みを帯びた裾のカッティングもかわいいですね」
FIELD COAT SNAP⑧ 20代
フライフィッシャーとフィールド・コート
インテリアスタイリスト
島 尊行さん
1995年、東京都生まれ。ヴィンテージ好きが通うショップ「シャークアタック」のPRを務めた後、インテリアスタイリストとして独立。ミュージシャンの舞台構成から個人宅のスタイリングまで幅広く手掛けている。趣味のフィッシングに没頭すべく、湖畔の森での暮らしを計画中。インスタグラム @takayuki__shima
「フライフィッシングの相棒として完全無欠のアウターです」
―――今年に入ってからフライフィッシングにハマり、インテリアスタイリストとしての多忙なスケジュールの隙間を見つけては、全国各地の渓流や湖をクルマで旅しているという島さん。フライフィッシングにハマったきっかけは?
「『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年公開)という、家族の絆の物語にフライフィッシングを絡めて描いた映画を観て、衝撃を受けたのがきっかけです。こんなにもロマンチックなアウトドアスポーツがあったのか!と。映画の舞台は、1910年代のモンタナ州。自分も映画の世界のようにフライで魚と会話してみたいと思い、すぐにフライロッドとリールを購入。師匠を見つけて毛鉤の作り方も覚え、クルマで日本全国のスポットを旅する生活に突入しました。
もともとヴィンテージのアウトドアウェアが好きだったのですが、映画の影響もあってますますアメリカンクラシックスタイルを追い求めるようになりました。フライロッドとリールは、コロラド州の名門メーカー、スコット社の80-90年代製のヴィンテージ。エル・エル・ビーンのネルシャツやブーツ、フィッシングベストなどもよく身につけます。僕の追い求める世界観にフィットするアイテムが多いんですよ」
忙しい仕事の合間を縫って、クルマで日本全国のスポットを巡っている。「まだフライフィッシングを始めてから1年も経っていませんが、北海道の渓流、浜名湖、中禅寺湖など多くのスポットを旅してきました」
―――フライフィッシングの魅力はどんなところにあるのでしょうか?
「魚との駆け引きや知恵比べが面白く、奥が深いところでしょうか。その場に行かないと釣れるかどうかわかりませんし、自然との一期一会に惹かれます。山歩きも含めて楽しむ渓流釣りも好きですが、最近はいわゆる“尺イワナ”(約30cm以上のイワナ)が狙いやすい湖釣りに行くことが多いですね。とはいえ、僕はまだ初心者なので、釣れるかどうかより未知のアウトドアフィールドを楽しむことを大事にしています。極論、一匹も釣れなくてもいいんですよ(笑)。ロッドを振っているだけで楽しいんです。
あと、伝統あるフライフィッシングには、ファッションも含めて先人達が築いてきたスタイルがあるのも魅力ですね。そういえば、この前たまたま立ち寄ったフライショップにさりげなくお洒落なお爺さんがいらして。僕を見て“いいシャツ着てるね”って褒めてくださるんですよ。着ていたのはエル・エル・ビーンのふつうのネルシャツ。飾り気のないシャツにこそ価値を見出すセンスが素敵ですよね。フライを愛する者同士、世代を超えてリスペクトし合える感性があるんですよ」
自作の毛鉤を収納するケースはサイドの大きなポケットにイン。「ポケットが大きいので取り出しやすい。上段のポケットが下段のフラップになっている点など工夫されたデザインですね」
―――島さんがフライフィッシングをするときのウェアに求める条件は何でしょうか?
「アウターは、撥水性のあるオイルド生地であることがマストです。もちろん、ハイテクな防水ウェアでもいいわけですが、僕のスタイルには合いにくい。昔から使われているオイルドジャケットがあれば機能的には必要十分ですし、むしろ丈夫で長く着られて、着れば着るほど味が出るところがいいですね。その点、この100周年のフィールド・コートは100点満点。ミリタリーとは違うアウトドア由来のカモフラージュ柄もいい雰囲気ですし、僕の求める伝統的なスタイルにハマります。
実際に着てみると背中にプリーツが入っていて腕の可動域が思ったより広く、ロッドが降りやすいですね。タックルケースを携行できる大きなポケットも便利ですし、フィッシングベストの上から羽織ってもよさそうです。1924年誕生ということは、僕の憧れる『リバー・ランズ・スルー・イット』の時代背景にも近いですね。100年間ほとんどデザインが変わっていないところも素晴らしい。釣行の相棒として、長く付きたいたい一着です」
ブリティッシュ・ミラレーン社のオイルド・コットンを採用した100周年記念の一着。「オイルド・コットンなのに洗濯機で洗えるのは、汚れを気にせず釣りに没頭できていいですね」
TEL:0422-79-9131
Official Website:https://www.llbean.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/llbeanjapan/
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写真/東郷侑樹 佐々木智治 文/いくら直幸 平野美紀子 大内隆史 編集/大内隆史