サプリは現代人のマストアイテム! 健康のために押さえておきたい基本の“き”
“サプリを知る”が健康への近道だ[ポジティブサプリ入門]
健康になるには、必要な栄養素を十分かつバランスよく摂取する必要がある。そのための最高の手段となるのがサプリだ。1日50種類ものサプリを飲むボディビル界のレジェンドが飲み方から選び方までを徹底ガイド!
教えてくれた方は……
“筋トレ界のレジェンド”こと山本義徳先生
「飲み続けることで手応えを感じられます」
ボディビル全米大会NPCアイアンマンメイデン・ライトヘビー級で日本人初の重量級優勝を果たした生ける伝説。その後はあまたの超一流アスリートを指導。YouTubeチャンネル「山本義徳 筋トレ大学-VALX」の登録者数は71万人超。 自身のブランド「VALX」でサプリの開発にも力を注ぐ。
[1]病気持ちじゃないけど飲むべきなの?
サプリの基本の“き”
[Q.]運動していなくても飲むべきなの?
「サプリはアスリートや病気がちの人が飲むべきもの」と思い込んでいる人がいますが、それは間違いです。サプリは栄養(健康)補助食品ですから、特に運動をしていない人でも、健康な人でも、飲んで全然かまいません。
そもそも通常の食事だけで栄養を十分に摂取できている現代人なんてまずいませんから。野菜や果物でも、味重視の品種改良が進んだ結果、栄養素の含有量が下がってきています。バランスよく栄養を摂取するために、サプリは現代のマストアイテムだと思います。
とはいえ、ひと口にサプリといっても栄養素の種類はさまざま。全部飲むわけにもいかないので、ある程度的を絞りましょう。働き盛りのビギン世代なら、タンパク質とさまざまなビタミンがミックスされたマルチビタミンをベースに、体調に合わせて必要な栄養素を組み合わせるのがオススメです。
[Q.]朝、昼、晩、いつ飲むのがオススメ?
飲むタイミングは栄養の摂取量を高めるうえで重要なポイント。たとえば、筋肉や骨のもとになるタンパク質。運動の30分後は「筋肉のゴールデンタイム」と呼ばれる摂取のベストタイミングですが、朝も摂取してください。
というのも、筋肉は24時間合成・分解を繰り返しているのですが、睡眠時には長時間タンパク質が供給されないため、筋肉が分解されやすい時間帯なんです。そのため、起きてすぐに摂取して筋肉の分解を防ぐ必要があります。
また、早稲田大学理工学術院の研究によれば、タンパク質の豊富な食事には体内時計を同調させる効果があるといわれ、すっきりとした気持ちで仕事に向かうことができます。
ほかにも脂肪を燃焼しやすくしたり、集中力を高めたりする効果も期待できるので、タンパク質は朝に摂取するのが合理的。ビタミンは食後に飲むのが基本ですが、1日に飲む回数や飲み方は、そのビタミンが水溶性か、脂溶性かによって判断します。
まず、ビタミンCやB群は、水に溶けやすい水溶性ビタミンです。体に蓄積される量は少なく、すぐに尿から排出されてしまうので、朝、昼、晩の食後にこまめに摂る必要があります。一方、ビタミンEやDは脂に溶けやすい脂溶性ビタミン。体に蓄積されやすいので1日1回でも構いませんが、脂質の多い食事の後に摂るとより摂取されやすくなります。
飲む際は水でもお茶でも、ジュースでも構いません。お酒と一緒に飲むのはオススメしませんが、飲酒後の栄養補給として摂取するのはアリです。
[Q.]買う時はどこをチェックするべき?
ビタミンCひとつとってもさまざまなメーカーのものがあって、どれを買えばいいのかわからない、という問題があります。そこで真っ先に確認したいのは、含まれている有効成分の量を示す数値。
ほとんどの場合、パッケージに表記されていますが、1gあたりにどのくらい有効成分が含まれているかを把握して、比較しましょう。パッケージはカッコいいのに、栄養の量はイマイチ、という場合もあるので気をつけて。あとは生産国や添加物の種類、安全な原材料が使われているかなどをチェックしましょう。
サプリには固形とパウダータイプがありますが、好みで選んで構いません。錠剤は保存がきいて飲みやすい、パウダーはコスパが高くて吸収されやすいといった利点があります。続けやすいかどうか、で選んでください。
とにかくサプリは飲み続けることが肝心。個人差はあるものの、早い場合は、飲み始めてから3日ほどで、体が軽くなったり、目が冴えたり、と手応えを感じる人もいます。
サプリはあくまで食品ですから、薬を飲む時のようにそれほど神経質になる必要はありません。食事のお供として気軽に楽しみながら飲んでください。
[2]カタカナが多すぎて覚えられない(汗)
どの栄養素が必要?
サプリに含まれる栄養素ってカタカナや漢字が多くてとっつきにくい。そこでビギン世代が押さえておきたい5 大栄養素を選んでみた。
まずはタンパク質とビタミンを。複数を組み合わせてもOK!
体調を整え、健やかにする
マルチビタミン
【まずはすぐ実感できる“導入におすすめ”①】
エネルギーを生み出す糖質・脂質・タンパク質の働きを円滑に進め、潤滑油のように働くビタミン。水溶性ビタミンであるビタミンC、ビタミンB群、脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどがある。いずれも重要な栄養素だが、種類が多く、普段の食事だけでバランスよく摂取するのは難しい。複数のビタミンがミックスされたマルチビタミンのサプリを活用したい。
数あるビタミンの中でもB群は糖質や脂質をエネルギーとして利用する際に不可欠な栄養素。不足すると疲れがたまりやすくなります。
体の組織をつくる必須栄養素
タンパク質
【まずはすぐ実感できる“導入におすすめ”②】
アミノ酸が結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を構成する栄養素。英語でプロテインとも。食事で摂り入れたタンパク質は、消化されるとアミノ酸に分解され、体を作る材料になる。タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されていて、そのうちバリン、ロイシンなどの9種類は人間が体内で生成できず、食事で摂取しなければならないことから必須アミノ酸と呼ばれている重要な栄養素だ。
タンパク質摂取の推奨量は18~64歳の男性で1日65g。食事だけでクリアするのは難しいため、プロテインでの補給が効率的です。
血液サラサラを目指すなら
DHA・EPA
【+αで取り入れたい“本格派にもおすすめ”❶】
マグロやサンマ、イワシといった青魚の頭の部分や目の後ろの脂身に多く含まれる。ともに血液をサラサラにし、中性脂肪やコレステロール値を下げるオメガ3 脂肪酸の一種で、DHAには脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにして、記憶力や認知機能にも好影響を与えるといわれている。いずれも人体で生成できず、かつ現代人の食生活で不足しがちな脂肪酸のため、サプリで摂取したいところ。
私が愛飲するクリルオイルは南極のオキアミから採れる魚油です。DHA・EPAが豊富で、汚染物質の含有量も少ない安全なオイルです。
近年注目される老化防止の切り札
NMN
【+αで取り入れたい“本格派にもおすすめ”❷】
NMNことニコチンアミド・モノヌクレオチドは、ビタミンB3から生成される物質。NMNは体内でNADという成分に変換され、老化の制御に関わるサーチュインという酵素を活性化させる。NADは年齢とともに減少し、サーチュインが働かなくなることが老化の一因と考えられるため、NMNを体内に入れることで老化の抑制につながると期待されているのだ。
NADにはミトコンドリアの機能を向上させてエネルギーレベルを高める働きも期待できるので、慢性疲労に悩んでいる人にもグッド。
“やる気”を出したいなら
チロシン
【すぐ実感できる“導入”にも、+αで取り入れたい“本格派”にもおすすめ】
やる気が湧かなかったり、集中力が散漫になったりするときは、チロシン不足が原因かも。リンゴやバナナ、大豆製品、チーズなどに含まれるこの栄養素は、神経細胞の興奮や抑制を伝達するアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンといった神経伝達物質の原材料となる。十分に摂取することで、やる気を起こしたり、集中力を高めたり、メンタル面でのパフォーマンスアップにつながる。
モチベーションが上がらないときはコレ。やる気が湧いてくるだけでなく、神経機能を調整することでストレスを緩和する効果も。
※表示価格は税込み
[ビギン2024年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。