Apr-18-2024

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服好きに好まれる焼き物「濱田窯」ちゃんとおさらい【後編】

濱田窯 ちゃんとおさらい 後編

あ、見た事ある!という方も多い? リンとした空気と独特のぬくもり感が同居する濱田窯。その個性からか、とくに服好きに好まれる焼き物です。ウラ話も交えて徹底解説致します!

【前編】はこちら

information

濱田窯 住所

[濱田窯]
住所:栃木県芳賀郡益子町益子3387

民藝運動を牽引した一人である故・濱田庄司が、1931年に開いた窯。益子は元々、日用雑器の産地であったが、濱田窯の隆盛により日本を代表する窯場となった。初代が確立した技法や作陶スタイルは、次男の晋作氏とその次男の友緒氏らによって、脈々と継がれている。

愛情(ぬくもり)を絵に描いたよな~
“濱田窯の柄”

釉薬で描かれるほっこりするような柄も、濱田窯のうつわの持ち味。ここでは象徴的な3つの柄を紹介します。アナタの好みは何系?

時にランダムに回る“円”系

濱田窯のうつわ 小皿

回しながら釉薬を塗ることで“円”模様を表現した小皿。大量生産のプリントものと異なり、時にランダムな線を描くのはハンドメイドなればこそだ。あえて濃度にムラをつけているあたりにもらしさが感じられ、益子焼のぽってりした風合いとじつにマッチしている。食卓に和んだ雰囲気を添えてくれるのも“円”系の魅力。参考商品。

ダイナミックに走る“線”系

濱田窯のうつわ 花瓶

釉薬を掛けながら抜きを設けることで、ダイナミックに走る“線”を表現した花瓶。まっすぐな線にはならないため、1つとて同じ表情のものは生まれない。ちなみに、鉄分の作用によって赤茶色に焼き上がる釉薬“柿釉”は、濱田庄司が好んで用いたことで益子焼を象徴するそれに。濱田窯/益子焼 筒花入 小/Φ7.5×H11.5cm。3300円。

水玉のように愛らしい“点”系

濱田窯のうつわ 六角皿

ポンッ、ポンッ、と配された水玉のような“点”にほっこりする六角皿。こちらは2 種類の釉薬を用いた黒白掛の一品で、あえて丸の全体を描かないあたりも趣があってイイでしょ? ヒネりのある柄カタチだが、これが丸皿に偏りがちな食卓のアクセントに重宝するのよ。濱田窯/益子焼 六角皿 小/W10.7×H2.5×D12cm。1650円。

全体的に“ぽってり”していてぬくもり感あるのは……「土」の特性も?
 
濱田窯
 
やきものの風合いは焼成温度だけでなく、原料となる土の質にも大きく左右される。益子焼の場合、砂気の多い粘土が用いられるのだが、粗くもろい面があるため、うつわは自ずと厚手に作ることとなる。だがこの特性が、うつわに唯一無二のぬくもりを与えるのだ。

全然暇にならずに!? 時代が追いかけた
国宝級を作る“濱田窯の巨匠”

人間国宝となった初代をはじめ、濱田窯で汗を流す一族の巨匠たちは時代が追いかける存在。それぞれに個性的な作風を見てみましょう。

[初代]濱田庄司(1894-1978)

濱田庄司

1955年に第1回重要無形文化財保持者、すなわち人間国宝に認定された初代は、英国ほか沖縄や唐津などさまざまな窯場を訪ねて技術を学び、自身の作陶に採り入れた。作風も多岐に及ぶが、こと沖縄のサトウキビ畑のスケッチから生まれた黍文(きびもん)を好んで描いた。

サトウキビ柄 黍文
折に触れて描き続けたサトウキビ柄“黍文”

濱田庄司の三男
濱田篤哉(1931-1986)

濱田篤哉

初代の元で修業を積んだ篤哉氏は20代の後半、父が陶芸家としての歩みを始めた英国セント・アイヴスのリーチポタリーにて、バーナード・リーチらとともに作陶に励んだ。蘭などの植物に愛情を注いだ篤哉氏の作品には、植物の柄がしばしば見られる。1979年に濱田窯を独立。

篤哉氏の作品
自身が愛する植物がモチーフの柄を描いた

濱田庄司の次男
[2代目]濱田晋作(1929-2023)

濱田晋作

少年の頃から陶芸に親しんだ晋作氏は、十代半ばで急須が作れるほどのロクロ技術を身につけていたという生粋の陶芸家。70年に日本橋三越本店にて初の個展を開催し、濱田窯の後継者として広く世に知られた。“W”の字を思わせる力強い絵柄を描いた作品を数多く残している。

濱田晋作作 濱田窯うつわ
堅実で静謐な味わいがあると評される作風

濱田晋作の次男
[3代目]濱田友緒(1967-)

濱田友緒

三代目として濱田窯を率いる友緒氏は、多摩美術大学と同大学院にて彫刻を学んだ経験をもつ人物。伝統を守りながら新しい表現を模索する友緒氏の作品は、国内外で高い評価を得ている。まさに彫刻を思わせる造形や、華やかな絵付けなど、その作風はさまざま。個展も盛況である。

濱田友緒の作品
伝統を守りながら枠にはまらない斬新な表現

がっかりさせず期待に応える素敵で楽しい
“濱田窯の別注”

Profile
フェニカ ディレクター 菊池優里さん

フェニカ ディレクター

菊池優里さんに訊く濱田窯の魅力とは?

「濱田窯のうつわは昔ながらでいてどこかモダンです」

昨今の民藝ブームの立役者、ビームス「フェニカ」にて2021年よりディレクターを務める菊地さん。自身がきっての民藝ラバーであり、別注にも並々ならぬ情熱をもつ。「日常生活において使いやすいカタチを心掛けています」

昔ながらの手法で作られながら、どこかモダンで現代の生活様式に馴染む──。濱田窯のうつわの魅力についてそう語るのは、民藝をお洒落文脈で世に広めた立役者「フェニカ」のディレクターを務める菊地さん。ショップに足を運べば、たくさんの濱田窯のうつわに触れることができます。

ここで注目するのは、フェニカがお願いをしたシリーズ。濱田窯を率いる三代目の友緒氏は「伝統を守りながらそれに固執せず、新しいモノ作りにも挑戦する」(菊地さん)開拓精神の持ち主。ゆえにショップからの要望にも、熱意をもって応えてくれるというのです。

フェニカの最新別注は、可憐な花を思わせる「青文打」と、菊地さん曰くヒトダマのような模様を描いた「地掛白差」の2シリーズ。前者は1940年代の作品にフォーカスしたもので、しばらく見ない柄だったため依頼。服の世界でいう“旧タグの復刻的”な面白さがあります。

後者は濱田窯にあった湯呑みのデザインに菊地さんが一目惚れし、思わず依頼したもの。独特のユルさが寛ぎの時間にじつによくハマりそうです。てなわけで、ウォウォッとココロに響いた御仁は、フォーエバーな愛用を♡

服でいえば“旧タグ的!?” ヴィンテージ柄を復刻
[青文打]

濱田窯 ヴィンテージ柄 青文打

濱田窯 ヴィンテージ柄 青文打
1940年代前後の濱田庄司の作がベース

花のように可憐な青文打(あおもんうち)のシリーズは、1940年代前後に濱田窯の初代が作っていた、蓋付き茶碗をフィーチャーしたもの。益子焼特有の素朴な雰囲気の地色に、サックスの点描が鮮やかに映える。普段使いしやすい平皿、茶碗、マグカップをラインナップする。平皿/Φ21cm。4620円。茶碗/Φ11cm×H 6cm。2970円。マグカップ/Φ8×H9cm。3080円。

濱田窯で見つけた「湯のみ」の柄に惚れて、たまらずお願い
[地掛白差]

濱田窯 ヴィンテージ柄 地掛白差

濱田窯 ヴィンテージ柄 地掛白差
ヒトダマを思わせるユル〜いカタチがツボ

ヒトダマを彷彿させる!?ニョロ〜っとしたカタチの線を、スポイトを用いるイッチンの手法で描いた地掛白差(じがけしろさし)のシリーズは、ユルいテイストが素敵で楽しい。普段使いしやすい平皿、茶碗、マグカップをラインナップする。平皿/Φ21cm。4620円。茶碗/Φ11cm×H6cm。2970円。マグカップ/Φ8×H9cm。3080円。

自分で動き出さなきゃなんにもおこらないから……
“濱田窯を触ろう”

ネット通販で何でも買える便利な世の中ですが、洋服と一緒で、うつわもやっぱり視覚だけでなく触覚も合わせて吟味したいもの。ぬくもりにあふれるタッチの、濱田窯のうつわならなおさらだ。頼りになるのが、豊富な品揃えを誇るフェニカ。東京ならビームス ジャパン、関西ならビームス 神戸の中にショップがあるので、足を運んでみて♪

information
フェニカ スタジオ

フェニカ スタジオ

ビームス ジャパン5 Fにある「フェニカ スタジオ」には、濱田窯をはじめ日本各地から集められたうつわが揃う。まさに民藝好きのワンダーランドだ!

住所 :
東京都新宿区新宿3-32-6 5F
電話 :
03-5368-7300
営業時間 :
11:00〜20:00

 
※表示価格は税込み
※掲載の焼き物は、ビームス ジャパン フェニカ スタジオにて取り扱いあり。
※ただし掲載のものがあるかはタイミングによる。価格は参考価格、変動の可能性があります。


[ビギン2024年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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