トラッドの本場に挑戦したオトコの話“洋服”逆輸入進化論
【ビームスプラス】細かいところまで気が利いたマドラスシャツ
日本人が洋服を着るようになって150年あまり。歴史が長いとはいえませんが、トラッドな洋服を日本で作り、海外で評価されたブランドがあります。支持される理由は何か、当事者たるビームスプラス 溝端秀基さんの話から探りましょう。

ビームスプラス ディレクター
溝端秀基さん
若くして古着にハマり服飾の道へ。2016年より現職を務め、世界と戦えるブランドにするべく日夜奮闘する。各種カルチャーにも精通。
「細かいところまで気が利いているのは日本ならではです」
販路を海外に広げたのは、2009年の春夏シーズンから。当初はイタリアの1店舗のみでしたが、現在はアメリカや欧州を含む海外90以上の店舗にビームス プラスの洋服が置かれています。 評価を頂いている理由は、とにかく深く、深くというディテールへのこだわりや、サイズの選び方、素材のチョイス……すべてに気が利いた服作りにあるのだと思います。
インディアンマドラスを使ったこのBDシャツは、海外でもブランドの顔となっている定番。シルエットは裾をインしてもアウトしても着やすい現代のベーシックといえるバランスですが、生地の柄や風合いにはじまり小衿の具合や衿裏のボタンなど、アメリカの黄金期の中にある60年代のシャツの仕様にこだわって作っています。 ちなみに今季から、よりゆったりしたフロント6Bのタイプも追加しました。縫製をお願いしているのは、日本のシャツ工場。日本の工場って、仕事が本当に細かいんです。アニメのようにもっと賞賛されて然るべきじゃないかな。
BEAMS PLUS[ビームス プラス] ボタンダウン マドラスシャツ
【日本製アメトラ】 1960年代のアメリカントラッドに倣ったシャツのロングセラーは、ガゼットの+閂が目印。こちらは7Bのレギュラーフィット版で、ブレザー等のインナーにもすこぶる使い勝手がいい。1万4300円(ビームス プラス 原宿)
クラシックな意匠のカラーストップ
黄金期の資料を基に本場で生産した生地
※表示価格は税込み
[ビギン2024年5月号の記事を再構成]写真/椙本裕子 文/秦 大輔