トラッドの本場に挑戦したオトコの話“洋服”逆輸入進化論
「Camoshita」がヨネトミに別注したボートネックシャツは王道だけど日本的!?
日本人が洋服を着るようになって150年あまり。歴史が長いとはいえませんが、トラッドな洋服を日本で作り、海外で評価されたブランドがあります。支持される理由は何か、当事者たるカモシタ ディレクター 鴨志田康人さんの話から探りましょう。
カモシタ ディレクター
鴨志田康人さん
ユナイテッドアローズの創業メンバーであり、現在はクリエイティブアドヴァイザーも務めている。美大出身で建築やアートにも精通。
「ミックスカルチャーがある日本だからこそのヒネりが面白いんです」
欧州のファッション──ことクラシックの世界は、脈々と続く文化があるだけにマンネリもするんです。私も買い付けを重ねるうちに物足りなくなってきて、ならば自分の作った“洋服”を海外に提案しようとブランドを始めました。 コロナ禍があって現在は海外展開をしていないのですが、ピッティへは2007年に初出展し、英国にフランス、スウェーデンなど、多くの国のお店で扱っていただきましたね。
こちらのボーダーシャツは山形の米富繊維さんと作ったもので、じつはシルク100%。ここは日本ならではの凄い紡績技術を持っていて、この素材もシルクなのに洗えるんです。配色やカタチは昔のフレンチのそれをベースに、少しだけ抜けを作りました。
本場のそれも大好きなんですが、ジャケットに合わせると少々くだけすぎる嫌いがあるんですね。その点、シルクなら艶っぽく着られる。オリジンを崩さない程度に、ひと匙のヒネりを加える──そんなウィットのいい塩梅も、日本的といえるかもしれませんね。
Camoshita[カモシタ] ヨネトミ別注 ボートネックシャツ
【日本製欧風トラッド】度目を詰めた、強撚のシルク糸で編んだバスクシャツ。王道のスタイルでありながら、上品な艶を帯びた生地に思わずうっとり♡ セットアップのインナーにも重宝。各3万6300円(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)
1952年創業の山形のニットメーカーと共作
品のいい艶が浮かぶウォッシャブルシルク
※表示価格は税込み
[ビギン2024年5月号の記事を再構成]写真/椙本裕子 文/秦 大輔