久しぶりに・・・・・・“本気のスカジャン”着たいんじゃ!
街でもチラホラ見るし、最近マジで気になるスカジャン。久しぶりにという人、ビギナーという大人も、どうせなら本気のスカジャンを着たい!
ということでスカジャンの聖地・横須賀にて昭和25年創業、ドブ板通りのスカジャン専門店「ミカサ」で選びのキモを聞いてみました。モノ&服好きの皆さんも必見ですよ!!
マジな選び方を教えてくれるアニキ

ミカサ 店長
一本和良さん
米国人に馴染みあるベースボールジャンパーを使い、美しい生地に刺繍、豪華なリバーシブルとスカジャンは日本人の知恵の結晶。ぜひ黄金期の作りの素晴らしさを知ってほしいですね
“本気スカジャン”のキモ
①日本製に拘ってみよう、②50年代に敬意を払おう、③シルキーな生地が目利き
まず超簡単にスカジャンの予備知識をおさらい。発端は戦後、駐留した米兵から「日本に来た記念に、俺のジャケットに日本っぽい刺繍をして」とお願いされたこと。これが米兵の間で流行した。それを見た日本人はベースボール型のジャンパーに刺繍を入れ、お土産服として米兵向けに売り出したところ大人気に。てのがスーベニアジャケット、のちの日本でいうスカジャンの成り立ちです。
で、一本さん、どこを押さえると本気のスカジャンを着られます!? 「スカジャンは日本で最初に生まれた洋服と言われています。まずは、リブやジップまでオリジンを忠実に再現している日本製を前提にしては?」 スカジャンはサテン生地のジャンパーに、オリエンタルな刺繍が入ったモノと定義していいのでしょうか?
「そうですね。別珍もありますが、基本はサテンです」 そうした形が確立されたのはいつ頃ですか? 「40年代後半からと言われています。当時、米兵には米国の国鳥である鷲、強さの象徴の虎、海軍に支持された水神・龍のモチーフが人気でした。なのでこれらの刺繍を基本としましょう。
あとは高級感のある生地。当時は物資統制下でシルクは使えず、シルクに似せたアセテートのサテンで米兵の心をくすぐりました。ポリエステルだとチープに見えるので、滑らかでドレープのある生地も本気なスカジャンと覚えるべきですね」。
Tailor Toyo[テーラー東洋]
“KOSHO & CO.”限定モデル “DRAGON & JAPAN MAP”דROARING TIGER”
2022年の世界初のスカジャン展にも展示された40年代後期のヴィンテージを再現。咆哮するローリングタイガーの迫力、ボディとモチーフが馴染む配色の妙も見事な一着。リバーシブル面には日本を龍が取り囲むジャパンマップ柄が描かれている。9万1300円(ミカサ)
50年代黄金期のスカジャンには、桐生などの和装職人たちが桐生発祥の日本独自の技術、手作業による横振り刺繍でモチーフを描いた。これがもはや芸術的な美しさで米兵を虜にした。立体的で美しい本作も、当時のヴィンテージを見事に再現。
日本人は高級感あるシルクのように見える生地を、ナチュラルな植物由来の合成繊維、アセテートで代用。シルクと思い込んで購入する米兵も多かったとか。こちらもアセテートの打ち込みを微調整しながらシルキーな光沢と滑らかさ、独特のドレープがたまらない!
アニキと考えた、こだわり別
今欲しいのはコレじゃん!
安く抑えてトライするなら
’50s柄&色数を抑えて着こなしやすい
MIKASA[ミカサ]
オリジナルスカジャン 花龍
戦後を代表する富士山と桜、龍をあしらった花龍のデザイン。飾り紐を施した袖と、50年代の特徴を押さえながら、色数を絞ることでシンプルに着られる。リバーシブルではない分、価格は控え目。2万9700円(ミカサ)
とにかくレアモデルが欲しいなら
日本人ならではの、芸術的な手捺染に感嘆!
Tailor Toyo[テーラー東洋]
“KOSHO & CO.”限定モデル “JAPAN MAP”דCHERRY BLOSSOMS & EAGLE”
40年代後半~50年代初頭にのみ見られた、刺繍ではなく手捺染でモチーフを表現したヴィンテージを再現。一色一色を手作業で摺り重ねていくため、手間と高度な技術を必要とし、生産数も極少だった。9万200円(ミカサ)
B面はマップ柄で刺繍も楽しめる
冬まで快適に楽しみたいなら
’50sキルトモデルのステッチも感涙モノ
Tailor Toyo[テーラー東洋]
“KOSHO & CO.”限定モデル “EAGLE & JAPAN MAP”דDRAGON & TIGER”
中綿入りキルティングモデルなら冬もOK。ダイヤキルトは綿がずれない工夫だが、デザイン的なインパクトも大。絵柄を活かすため、鷲の手前でステッチを止める意匠にも日本人の美学が垣間見える。10万1200円(ミカサ)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。