Dec-25-2023

さながらヴィンテージの質感をモダンに昇華した“ブラック計画”

orslow オアスロウ M-65 フィッシュテールコート

モダナイズが巧みすぎる軍師に訊いた[ジャパンミリタリーの最前線]
昔カタギのミリタリーをそのまま令和で着こなすのはチと不似合い。巧みなアレンジ力で今にアジャストしたジャパミリこそ着る価値あり! ってことでデザイナーという名の軍師たちに、古さを取っ払うための計略をお聞きしました。

デザイナーという名の軍師に訊きました

Profile
オアスロウ デザイナー 仲津一郎さん

オアスロウ デザイナー

仲津一郎さん

19世紀〜20世紀のワーク&ミリタリーウェアへの深遠な知識を活かし、2005年にオアスロウをスタート。古着通にも響くのに古さはない、ニューベーシックがコンセプト。

[orslow]素材で攻略

トレンド不問の最強色、ブラックに特化する様が、さながら20年代の米国陸軍によるカラーコード計画とリンクするのがこちら。「ヴィンテージのM-65を着用していて常々思っていたんです。“ブラックがあればな”って」。

そう思い立って企画したものの、目指したのは単なる再現ではなくアップデートだそう。「ファスナーや付属類をすべて艶消しブラックにすると想像以上にモダンな雰囲気に。ただ表地に綿×ナイロンの混紡素材を使い、製品加工を施すことで、通にも刺さるような、ヴィンテージライクな生地感も表現しています。」

「他にも袖口の調整ゴムに劣化しにくい物を使ったり、縫い糸も丈夫なコア糸を採用したりと、仕様こそオリジナルと同じですが、より耐久性のある部材を使うことで、日常生活で長く使えるように仕立てているのもポイントです」。

orslow オアスロウ M-65 フィッシュテールコート

orslow[オアスロウ]
M-65 フィッシュテールコート

仲津さん自身が所有するやや細身の初期型M-65モッズパーカをサンプリング。ヴィンテージの軍物に多用される巻き縫いを踏襲すべく、卓越した縫製工場を探り当てて、見事形に。6万3800円(ベースデニムプロダクツ)

細部のパーツまでマットなブラックに

orslow オアスロウ M-65 フィッシュテールコート

[計略の歴史コラム]
1920年代 米陸軍が独との戦争を想定した
“ブラック計画”
 
1920年代に米陸軍において、日本などの主要国を仮想敵国として検討されたシミュレーション、カラーコード戦争計画のひとつ。本物のブラック計画はドイツを敵国と想定していた。

※表示価格は税込み


[ビギン2024年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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