“ポーター”を語るなら絶対一度は足を運ぶべき！　—ポーター表参道—

porter／［名詞］
１.荷物運搬人,ポーター：（駅の）赤帽,（ホテルの）ボーイ　２.〈米〉（特別客車・寝台車の）ボーイ

リニューアルしたポーター表参道はポーターの語源が具現化されまくりッ！

ポーターを語るうえで外せない、けれど意外と盲点なのが旗艦店の存在です。

“ポーター”とはご存じの通り、ホテルや駅などで客の荷物を預かり、運ぶ人のこと。 多くのカバンに触れる職種なワケですね。 なるほど〜な名前の由来ですが、先頃リニューアルされたポーター表参道は、そんなルーツをギュ〜ッ！　と濃縮した特別な店舗なんです。

テーマはずばりホテル。店内には大きなカウンターが設けられ、ディガウェル謹製のユニフォームに袖を通したスタッフがそこに立つさまは、さながら一流ホテルのフロントのよう。

世界に発信する“PORTER”の名と外国人観光客の多い立地から、2017年に現在の店名を冠し、装いも新たにバージョンアップしました。

抜けのいい広々空間

 

内装・什器はまるでホテルそのもの！

カウンターには呼び鈴＆“睡眠中”の提げ札？（ショップカードです）

分厚い杢グレーの紙に、箔押しであしらったメッセージ。ホテルでお馴染みのドアサインだが、実はこれ、ポーター表参道のショップカード。

こんな細かい部分にもこだわりと遊び心が満載だ。ホテルのレセプションカウンターをイメージさせる呼び鈴もポイント。

 

らせん階段の入り口は旧式エレベーターの手動ドア！

リニューアルに伴い、店舗として解放された2 階は、店内中央のらせん階段でつながっている。その入り口にはレトロな金属製の手動ドアが。

これも同店のために一から製作したもので、以前から通っている常連さんにとっては、フィッティングルームとしてお馴染みかも。

 

スイートルーム!? な高級オーディオ

２階の空間では、ゆったりとした時間を過ごすための配慮が随所になされている。マッキントッシュのアンプにJBLのスピーカーというヴィンテージオーディオセットはその最たる例。実際に販売しているレコードの音色を楽しみつつ、贅沢なひと時を過ごせるのだ。

 

That’sポーターな世界観が凝縮！

カメラ、レコード、自転車etc.……“異分野とのMIX”がポーターの真髄だ

また、ポーターの世界観は展開商品にもよく表れています。同店限定アイテムに始まり、 写真集やカメラ、レコードなど実にジャンルレス！　そう、カバンの世界にとどまらない視野の広さこそ、ポーターが持つ先鋭性の源なのでしょう。

’80年代初頭にミリタリーをカバンの世界に持ち込んだように、世界観の豊かさもポーターを支える一大要素なのです。

 

カウンター横の書籍や写真集は“旅”をコンセプトにセレクト。

 

多くのレコードや本が商品のカバンと同列に並ぶ。

 

英国の高級自転車、アレックス・モールトンの別注モデルには、専用のバッグが付属する。

 

世界中に愛好家の多いライカのカメラも、ポーターオリジナルのストラップとともに展開中だ。

 

“一針入魂”の精神は今なお受け継がれる

１階に設けられた工房では、熟練した吉田カバンの職人が箔押しの加工や修理といった作業をしているのが間近に見られる。丁寧な作業からは、ポーターの作りのよさの理由と創業時から受け継がれている“一針入魂”を実感できる。

 

フラッグシップ限定品も多数あり！

カウンターシェイド
ミリタリー用語由来のタフなシリーズ

オリジナル配色のウッドランドカモ生地を使用した、バックパックとヘルメットバッグ。左／W29×H47×D13cm。5万4000円。右／W41×H43cm。2万7500円。（ポーター 表参道）

 

グレイズ
高級レザーを使った人気財布の限定色

伊の老舗タンナー「ワルピエ社」の“ブッテーロ”レザーを採用。専用箱入りで、ギフトにもオススメ。上／W13×H9.5cm。2万7000円。下／W19.5×H10cm。2万8500円。（ポーター 表参道）

 

オリジナルラゲッジタグ
洒落っ気を添えてくれるバッグのアクセサリー

レーザー加工でポーターロゴを配したラゲッジタグには、名刺やICカードも収納可能。３文字までのイニシャル刻印サービスも同店ならでは。W11×H7.5cm。各4200円。（ポーター表参道）

 

トム・クーン×ポーター
シリアル番号入り、オトナのヨーヨー

サンフランシスコ発ヨーヨーブランドのスペシャルモデル。チャコールブラックのマット加工、鏡面仕上げの２種類を展開する。左／2万円。右／2万1000円。（ポーター 表参道）

 

まとめ

品質に対する真摯な姿勢と、革新の精神。その同居こそが、唯一無二の個性。ここは、日本が誇るカバンブランドの真髄と奥深さが体感できる、“ポーターミュージアム”とも呼ぶべき空間でした！

 

 

https://www.yoshidakaban.com/

※表示価格は税抜き

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写真／上野 敦（プルミエジュアン）　文／黒澤正人　今野 壘　スタイリング／鈴木 肇　イラスト／daisketch