ハイテクスニーカーから卒業! 定番原理主義者でさえなびく東京別注四天王
ベーシックはいい。でも頑なにそれしか認めないのはどうなの? パッと見わかりやす~い色別注ではなく、モノの背景を理解して源流超えのウマミをまとわせた東京別注。定番原理主義者をも動かす四傑をお届けします!
原宿キャシディ スタッフ
八木沢博幸さん(上写真:左)
1956年東京都出身。1981年誕生の「原宿キャシディ」にて、オープン当時から接客を続ける東京のファッションの生き字引的存在だ。
原宿キャシディ(問)東京都渋谷区神宮前6-6-4 ☎03-3406-3070
セプティズ 代表
玉木 朗さん(上写真:右)
1955年京都市出身。2002年に創業した東京・三軒茶屋のセレクトショップ「セプティズ」は定番モノの聖地で、各国の名品が集結。
セプティズ(問)東京都世田谷区三軒茶屋1-41-13 ☎03-5481-8651
別注1 東京の名店同士が仕掛け人!
’80年代に姿を消したバスの幻ローファーが復活!
G.H.バスのローガン
1936年の発売以降、米国ローファーの代名詞的存在。アメトラ、アイビースタイルの必須アイテム。2万3000円。(問)ジーエムティー ☎03-5453-0033
みんなが知っているのはこちら(上)のバーガンディのガラスレザータイプですが……
’70年代、服好きをトリコ♡ にした
茶のスコッチグレインレザー
G.H.バスのスコッチグレインレザーローガン
日本にバスが紹介されたのが’73年頃。以降約10年間程存在した茶色のスコッチグレインレザータイプを復刻した。アウトソールにはクレープソールを配すことで、よりカジュアルにアレンジ。2万7000円。(問)原宿キャシディ/セプティズ ☎03-3406-3070
ローファーでは珍しいカジュアルなシボ感
アメカジ濃度を上げるスコッチグレインレザー。インソールにも同素材を配し、さらにトリプルネームを印字(驚)。お~プレミアム!
希少性の高い生ゴムのクレープソールを装着
アメカジ濃度を上げるスコッチグレインレザー。インソールにも同素材を配し、さらにトリプルネームを印字(驚)。お~プレミアム!
合成ゴムよりも柔らかい生ゴムのクレープソール。冬場の硬化によるソールの減りを抑制してくれ、長時間履いても疲れにくい♪
アメリカンローファーの裏名作よもう一度!!
日本でバスのローファーを、ベーシックアイテムの代表作に育て上げたセプティズの玉木さんと原宿キャシディの八木沢さん。両者が手掛けた別注作は、こんなのあったの!? な衝撃を与えてくれます。
というのも、バスといえば? なバーガンディのガラスレザータイプではなく、アッパーにブラウンのスコッチグレインレザーを配したアメカジ色の強~い一作だから。
でもじつは、お二人が’70年代初期から愛用していた実在のモデルなんです! 当時も、ガラスレザータイプが主流のなかで、「バスのそれは服好きを魅了するモノだった」と八木沢さんは振り返ります。
’80年頃のプレッピーブームの後に姿を消していったのですが、「バスのローファー=茶のスコッチグレインレザータイプ」というお二人の熱い思いで復刻を遂げました。
見所は、アウトソールにもあり。当時はレザーだったものをクレープソールに変更し、よりカジュアルに履けるようにアップデート!
「シボ革にクレープソールのローファーは珍しい。きっと相当な靴好きにも刺さるはず」と玉木さん。 バスの裏名作ともいうべき本作は、ベーシック好きのみならず靴マニアをも唸らす一足でしょう!
別注2 モノトーンでうまくアク抜きした
通モデルのポストマンブーツ
無骨さをちゃんと残しつつ上品に仕上げたシンプル顔
ホワイトマウンテニアリング×ダナーのポストマンブーツ
昨季ダナーライトとコラボし話題となったホワイトマウンテニアリングから第2弾が登場。ポストマンブーツというツウなモデルを、キメ細かいイタリア製スエードボディや、ストレートチップなどでアレンジ。従来の無骨さを残しつつ、程よい品格をブレンドした手腕に脱帽です! 4万9000円。(問)ホワイトマウンテニアリング ☎03-6416-5381
キレイめまで対応できる!
ストレートチップのアレンジやホワイトステッチのモノトーンフェイスにより、従来のカジュアルさにドレッシーさと洒脱さを加味している。
アウトドア由来の機能ソール
軽量の発泡ラバースポンジを素材に使ったダナーのオリジナルソール「ダンキャットソール」には、全方向への滑り防止や、衝撃吸収効果も。
別注3
スポサンのノウハウを活かした2wayスリッポン
フルオリジナルで別注した初のシックなスリッポン!
N.ハリウッドコンパイル×スイコックのスリッポン
人気ブランドが、スポーツサンダルで有名なスイコックと初コラボ。既存のものに手を加えたのではなくフルオリジナルで製作されたスリッポンは、踵を踏んでサンダル感覚で履ける2way仕様に。スイコックのソールが持つイージーさに都会的要素を見事に融合した。2万円。(問)ミスターハリウッド ☎03-5414-5071
踵を踏めば……サンダル風に!
より楽チンに履けるように、踏めばサンダル履きもできちゃう仕様に。フェルト素材の柔軟性を活かしたナイスアレンジ。
スイコック由来のアウトソール
歩行時の足の負担を軽減する、スイコックオリジナルのアウトソールを使用。厚みを薄くし、洗練された表情にしている。
別注4
異素材コンビアッパーで魅せるオールブラック4ラシック
クラシックなんだけど……じつに今っぽい面構え!
ヴァイナルアーカイブ×リーボッククラシックのクラブ シー85VA
1985年誕生の名作テニスシューズ、クラブ シーを別注。アッパーを、ヴィンテージ風のレザーとヌバックのコンビ素材でシックに仕上げたのがキモ。レトロなモデルを、あえて異素材のブラックカラーにしたことで、洒脱さを加速させた。1万2000円。(問)リーボック アディダスグループお客様窓口 ☎0570-033-033
ヒールの刺繍が特別感を演出
ヒールに施された鹿の角の刺繍は、ヴァイナルアーカイブのシーズンアイコンだ。ヒール部分で、さり気なく個性を発揮。
ダークトーンで全体をシックに
優れたグリップ性能で親しまれてきたアウトソールを、クリアソールに変更している。細部に至るまで抜かりなし!
※表示価格は税抜き
[ビギン2018年4月号の記事を再構成]
写真/上野 敦(プルミエジュアン) 野町修平 上仲正寿 斉藤遼子 文/秦 大輔 山田純貴 桐田政隆 トロピカル松村 伊藤美玲 礒村真介 今野 壘 スタイリング/武内雅英(CODE) 取材協力/中田商店