「“キャッチーなフォルム”と“質実剛健”がMIXされた傑作です」

オールドコーチのバケツバッグ
TEACHER：mellow（メロウ）代表 矢崎英彦さん

リーバイスで言う“ビッグE”や“66”のように、ヴィンテージ界には独自の愛称で呼ばれるお宝が多数存在しています。そうした愛称持ちのアイテムは、言わば人気が乱高下しない永世定番であることの証。そしてこの“オールドコーチ”も、まさしくそうした玄人筋に長らく愛され続ける名品なんです。

「いつ誰がそう呼び始めたのかはわからないんですが（苦笑）、かれこれ15年以上前から人気が廃れない定番ヴィンテージ。定義も完璧なものがあるわけじゃないんですが、一説によると’80年代〜’90年代に、コーチが若年層をターゲットに製作していた良心的な価格帯の製品をまとめて“オールドコーチ”と言っているようです」。

人気の理由はその良心価格に見合わないクオリティだそうで、「形や状態によっても異なりますが、数千円から1万円台が相場と比較的買いやすいのに、デザインも革質も仕立てもホントに秀逸！」

「とくにこの底が丸くてバケツのようなフォルムの通称“バケツバッグ”は、見た目はキャッチーなのに、グラブタンレザーに代表される肉厚革が使われていて質実剛健さも兼ね備えている。使い込むうちにより渋イイ表情に育てられる、オールドコーチを代表する傑作と言えるでしょう」

オールドコーチのバケツバッグ

上質レザーの質感を存分に堪能できるキャメルカラーのバケツバッグ。裏地を施さずクッタリと体に馴染みやすいのも、オールドコーチの特徴だ。見た目もシンプルだし、ストラップの長さを調節すればトート風にもショルダー風にも持てる、まさに万能選手！　W38×H35×D24cm。1万1000円（mellow）

コーチお得意の肉厚大判革を贅沢使い

丸型ボトムで容量もたっぷり

USA製の刻印が鎮座！

オールドコーチは、米国製と米国以外で作られた製品が混在しているが、見分け方は超簡単♪　年代によっても表記の方法は異なるが、米国製品の場合は内部の刻印にその旨が明記されているので、欠かさずチェックを！

オールドコーチはバリエも渋イイ♪

右／シェア使いにもなミニショルダー
左／ベーシックを極めた骨太トートもあり！

バケツバッグ以外にも良品多数。ブラック、ダークブラウン、ネイビー、レッド等、色バリも充実し、小ぶりショルダーから大ぶりトートまで、形もバラエティ豊かに揃う。右／W25×H21 ×D11cm。9900円。左／W38.5×H27×D11.5cm。1万6500円（mellow）

※表示価格は税込み

［ビギン2021年6月号の記事を再構成］写真／上野 敦（プルミエジュアン）　文／黒澤正人