特集・連載
“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「ゆったりとした肩幅、身幅、着丈……。“今”欲しい!要素が詰まった盲点作です」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#17です。
リーバイスの70507
TEACHER:JAM バイヤー 田中直樹さん
王者リーバイスはジーンズだけじゃなく、Gジャンにも名品が多い! 506(通称ファースト)や507(通称セカンド)、557(通称サード)といった、歴史に名を残すモデルを多数輩出しています。が、そうした’30年代〜’60年代前半の名品番は、タマ数が少なくてめったに見かけない=総じて価格が高い!
ウン十万円するものも珍しくありません。「それもあってか、最近徐々に注目されてきたのが、’80年代後半から’90年代に作られていたモデル。この頃になると作られる品番の数が増えたこともあって、コレクター心をくすぐる珍品も多いんです」。
なかでも近年、目ざとい服好きからターゲットにされているのが“70507”。「知る人ぞ知る隠れ名品なんですが、最大の特徴はオーバーぎみのシルエット。肩幅も身幅もすごくワイド!」
「羽織ると自然に肩が落ちて、今っぽい雰囲気で着こなせるんです。しかも着丈も長め。ツンツルテンを嫌ってGジャンを敬遠してきた人でもトライしやすいはずです。」
「またこの頃になるとブルー以外のカラーも増えてくるんですが、ダントツで人気なのはブラック。コテコテのアメカジに見えないブラックの70507は、入荷すると即売れてしまうので、見つけたら迷わず入手しとくのが賢明です」
両サイドにポケットが付いてるのもポイント
リーバイスの70507 Gジャン
’80年代後半から’90年代にかけて作られたと思われる盲点名作“70507”。リラックスしたシルエットと、両サイドに備えられたポケットが目印だ。希少なブラックは、即買い必至! 今ならまだ価格も手頃だから、希少価値を見越して、定番のブルーと両方押さえとくのも賢い選択かも。各6900円(古着屋JAM)
王道のブルーもユルくて雰囲気よし
Gジャンの完成形“70505”とシルエット比較♪
1967年に登場した“70505”(通称フォース)は、Gジャンの完成形とも謳われるド定番。同等サイズを着比べて、その違いをリサーチ!
左/[70507] 右/[70505]
※Lサイズ相当で比較(モデルは173cm)
[70507]羽織るとナチュラルにユルくなる♪
70507はワイド&丈長で丸みを帯びたシルエットが今ドキ。
[70505]体にピタッとフィットして安心感◎
名品70505は“これぞGジャン!”という普遍的なシルエットに萌え~♡
“70505”は今日のGジャンの基本形を作り上げた不朽の名品!
557(通称サード)の後継として1967年に誕生した70505、通称フォース。Gジャンといえばこの形を思い浮かべる人も多いはず。こちらはわずか数年間しか採用されなかった、希少なビッグE! 2万2900円(古着屋JAM)
わずかな期間しか搭載されないビッグE
JAM バイヤー
田中直樹さん
古着好きが高じて脱サラ後バイヤーに転身した、西の名店のキーマン。その知識を活かし、年に数回アメリカやアジア圏でバイイング。
[ビギン2020年8月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人