特集・連載
「人と違う時計をしたい。という方は、オリエン党がオススメです」オリエント
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#19です。
メディコ 小林康浩さんの俺的名作時計
【オリエント】三角の漢字カレンダー/万年カレンダー/フラッシュ
それほど時計に興味はなかったんですが、社会人になりたての頃、雑誌の編集者の方から「アンティーク時計を着けてるとモテるぞ」と言われて(笑)。それをきっかけに、なんとなく気に入って買ったのがブローバのアンティーク。
先輩に見せると「え、これ自動巻きじゃん。いくらで買ったの?」と聞かれ、1万円と答えると即座に「3万で買う」と。それがとても気分がよくて、アンティーク時計の蒐集にのめり込むようになりました。
とくに血眼になって探したのがオリエントの“三角の漢字カレンダー”。某名作とそっくりな三角ケースに、曜日表示がなんと漢字! 昔あった文明洞という時計店で見て一目惚れしました。
ただ店主に聞くと「これはもう一本入荷しないと売らない」とのことで買えず。この三角時計はオリエントのアンティークでも圧倒的に個体が少なかったんですよね。
以来修行のごとく、毎週始発で新井薬師の蚤の市に行き、都内の時計店をしらみつぶしに探し……。たまたま出張先で見つけたときは、ひっくり返るくらい嬉しかった。
他にも曜日を移動させ毎月のカレンダーを表示できる“万年カレンダー”。「夜、暗くて玄関の鍵穴がわからない」という悩みを解決するため、照明を付けたフラッシュと、スイス人もビックリの機能を備えたオリエントのアンティークは個性派揃い。
周りと違う時計がしたい方にはオススメです。ちなみにアンティーク時計をしていてモテた経験はありません(笑)。
オリエント
三角の漢字カレンダー/万年カレンダー/フラッシュ
上が三角の漢字カレンダーこと「ウィークリーオリエントAAAスペシャル」。6時位置に「曜日」まで示す漢字表示が!
その左、昭和33年から製造の逆三角型も意欲的。下左が1976年発売の復刻、万年カレンダー付き「オートマチック」。2時位置プッシュボタン操作で曜日が移動し、1か月分のカレンダーを表示。
下右が1964年誕生「フラッシュ」の復刻。文字盤周りに光源を備え、多面カットの風防ガラスによって明るく輝く。
メディコ PRプロデューサー
小林康浩さん
本業はPR業だが時計収集家としても有名。オリエントに関する本の編纂経験もある。巷ではオリエント好きをオリエン党と呼ぶそう。
[おいしい時計選びの極意]キャラが立った時計との一期一会
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。