特集・連載
原点の美学を宿す小径時計の現在地[オメガ/ハミルトン]
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#11です。
一周まわって原点回帰!?してる
34mmが新常識
時計を巡るトレンドといえば、真っ先に挙げられるのがケースサイズでしょう。ご覧の2モデルのケース径はズバリ34mm。36mmでも十分小径と言える今にあって、この極端にコンパクトなサイズ感は注目すべき存在です。
「34mm径はもともとレディースの定番サイズ。それが時代の要請か、ジェンダーのカテゴライズを明確にしないブランドが増えてきて、今まで女性用だったサイズがメンズにも提案されるようになってきたんです」と髙木さん。
「とはいえデザインは、男性が着けるにふさわしいものが当然増えてきています」と話します。そもそもの歴史を辿れば、最初期の腕時計はケース径約30mmと今では考えられないほどの小径ぶり。あえて目立たないサイズに抑えていた当時の美学は、現代のミニマルな志向にも通じるところがありますよね。
オメガとハミルトンの2本も、デザインこそモダンなれど、その慎ましやかなスタイルは原点への回帰現象なのかもしれません。
超小ぶりに感じるけど今っぽい。時計もジェンダーレスな時代!
髙木教雄さん
「ジェンダーレス時代の到来でいわば“女性サイズ”が男性の手に。ユニバーサルウォッチとも呼ばれ、小柄な日本人男性に合うのでは。」
シーマスターの名に恥じぬ屈強でシンプルな3針
OMEGA[オメガ]
シーマスター アクアテラ シェード
定番ダイバーズを源流に持つシンプル3針は針や小窓などにホワイトゴールドを採用。スイス最高峰の精度、耐磁性を誇る一本だ。径34mm。自動巻き。SSケース。15気圧防水。94万6000円(オメガお客様センター)
コンパクトな体に見合わない80時間パワーリザーブを実装
HAMILTON[ハミルトン]
ジャズマスター パフォーマー オート
スポーティな外装デザインが、小さくても男らしい佇まいに貢献。80時間のロングパワーリザーブも特筆ものだ。径34mm。自動巻き。SSケース。10気圧防水。16万9400円(ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。