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やってまいりました、パタゴニアの2023年春夏展示会! やっぱり老いも若きも、男性も女性も、山派も海派も……もうどんなボーダーも飛び越えて、モノ好きならみ〜んなここのシーズンの立ち上がりは気になるもの! しかも2023年はパタゴニア創業50周年のアニバーサリーイヤー。こりゃ〜さぞメモリアルなギアがラインナップされてるはず〜♪ ってことで、今回この胸ワクイベントに馳せ参じたのは、ビギンチームの中でも“我こそナンバー1のパタゴニアラバー!”と息巻く3人衆。

掲げたミッションは2つ。1・50周年の節目を飾るのに相応しい“ビギン的名品を発掘すること”。2・サイズ感がしっかり把握できる“リアルガチな試着インプレッションをすること”。取材時間のリミットはわずか1時間。その中でできる限り多くの製品に触れ、かつ深掘りしてこそビギン魂!
あとは“ぶっちゃけ公式サイトだと外国人モデルの試着姿しか拝めないからサイズ感がイマイチわかんないよ!”と日々憤ってるパタゴニア信者たちのために、ザ・日本人体型の3人が文字通りひと肌脱いで、名品認定したアイテムの着用感を、忖度なしでお伝えします。それでは最強におせっかいな展示会の名品発掘&試着レポート、いざ開幕〜♪

【速報①】
パタゴニアのこの先50年を指し示す
ファンホッガーズ・コレクションがアツすぎる!

ファンホッガーズ・アノラック ※ファンホッガーズ・アノラックの実際のロゴは、P6ロゴではなく以下で紹介するファンホッガーズ・ショーツ 6インチと同様のデザインとなります。

のっけから猛プッシュしたいのが、50周年イヤーの目玉として企画されたこの“ファンホッガーズ・コレクション”! もうパタゴニア好きならこの名を聞いただけで鼻息が荒〜くなっちゃいますが、ピンとこない方たちのために軽くオサライを。
時は1968年、創業者イヴォン・シュイナード氏は、カリフォルニアから南米まで、約1万3000キロの道のりを、なんと仲間たちとバンに乗って旅をすることに。登山やサーフィンをしながらのらりくらりと進み、一行はついにアルゼンチン南部のパタゴニア地方に到着。そこで見た自然のあまりの美しさに若き日のイヴォン氏は胸を打たれ、フィッツロイ山の頂上で仲間と共に、スペイン語で「Viva Los Fun Hogs(ヴィヴァ ロス ファン ホッグス)」= “飽くなき冒険者たち万歳”という旗を掲げたんだそうな。そして後に起業した際、社名を「パタゴニア」に決定。
つ・ま・り、この6か月間の旅こそが、パタゴニア誕生の起源ってわけ。この名を冠したコレクションを50周年の節目にリリースするなんて! ただこのコレクションは、そんなロマンたっぷりな背景だけが魅力だけじゃございません。“らしさ”が詰まりに詰まった素材使いもまた、注視すべきポイントなんです。

前面に押し出しているのは“コットン・イン・コンバージョン”という耳慣れない素材。これはオーガニック認証済み農家へと移行している最中の農家が手がけたコットンのこと。実は化学物質を使っていた農家がオーガニックコットン認証の農家になるためには3年間の移行期間を要するんですが、実はこの期間の長さがオーガニックコットンを普及させるうえでの障壁に。
というのも、その3年の間、農家はオーガニックコットンと変わらない有機農法で、手間もコストもかけて栽培しているのに、まだ認証を受けていないせいでオーガニックコットンとは認められず、割安な価格でしか取り引きできないんです。ただ移行する農家が増えないと、オーガニックコットンの普及率は高まらない。
つまりこのコットン・イン・コンバージョンは、オーガニックコットンを普及させるうえである意味要とも言える、“認証済み農家への移行を図る農家”を支援するためのものでもあるんです。まさに環境ファーストなパタゴニアらしい素材。これを50周年の記念コレクションに投入するあたりは、やっぱり今後もその姿勢は変わらないよ!という意思表示なのかもしれませんね。
ちなみにパタゴニアのオーガニックコットンは3段構え。これから認証を受ける農家を支える“コットン・イン・コンバージョン”。1996年からすべてのコットン製品に採用している“オーガニックコットン”。土壌を修復し、動物福祉を敬い、農家の暮らしを改善させる最高水準のリジネラティブ・オーガニック認証を受けた“リジェネラティブ・オーガニック・サーティファイド・コットン”。この3つを可能な限り採用していくことで、市場全体のコットンの有機栽培化を促進する一助としてるんです。

「メンズは合計3型ラインナップされてるけど、個人的に一番気になったのがこの“ファンホッガーズ・アノラック”。色バリも豊富で、なかにはパタゴニアのヒストリーにもリンクする、アニバーサリーなカラバリも展開。やっぱり個人的にはこの“アンダイド ナチュラル”が、コットン・イン・コンバージョン素材との相性もいい気がします。パタゴニアのアウター類は袖が長めだけど、袖のシャーリングのおかげでフィット感がいいしもたついた印象もない。インナーにスウェットを着込んでほんのりゆとりがあるくらいのサイズ感も好みです」。

ファンホッガーズ・ショーツ 6インチ

アノラックの他に、メンズは“ファンホッガーズ・ショーツ 6インチ”と、“ファンホッガーズ・パンツ”もあり。とくにショーツの方は、かのバギーズ・ショーツをベースに、コットン・イン・コンバージョンに衣替え。すると、あ〜ら不思議。柔らか〜い風合いで、より普段使い向きの佇まいに。水陸両用でこそないものの、深めのポケットなんかは健在だし、アクティビティからトラベルまで、何かと活躍してくれそう! ちなみに“アンダイド ナチュラル”カラーのみ、身生地と同色のロゴが使われているのも、ファンとしては見逃せないポイント。一風変わった大人なショーツとして、服好きにも超絶響くはず。

【速報②】
傑作シェルジャケットが
遂にPFCフリーに!!!

トレントシェル 3L・ジャケット

続いてコーフンしたのが、名作“トレントシェル 3L・ジャケット”の進化。トレントシェルといえば、ベーシックなデザインと、“H2Noパフォーマンス・スタンダード・テクノロジー”を採用し、優れた防水透湿性能を備える、パタゴニアのド定番。
つい数年前に3レイヤーに進化したばかりだったのに、今シーズンからスペックは堅持しながら、PFCフリー化。これは撥水加工時に環境汚染の要因となるフッ素化合物を使わない取り組みなんですが、これをトレントシェルで実編するのは、実はかなり意義深いことなんです。なんたって今作は同社のシェルのなかでも屈指の汎用性を誇り、価格も3レイヤーなのに良心的な2万4200円。
エントリーシェルとしても手を伸ばしやすいし、世界的に見ても販売数の総数はかなりのもの。多くのユーザーが求める物をPFCフリー化すれば、それだけ環境保護に繋がるはず。正直パッと見ではわかりにくいけど、パタゴニアの50年分の本気が伺える、ナイスな進化なんです。

「運動不足がたたって体重が年々増加気味の自分にとっては、Mサイズだとちょっとタイトすぎるかなぁ……なんて不安でしたが、袖丈や着丈の感じはジャスト。ただ薄手のインナーならMでもいいけど、嵩張るインナーを何枚も重ねがちな冬場まで活用することを想定すると、Lも捨てがたい……(悩)。通年気回せるアイテムだけに、一番着用する頻度の高いシチュエーションに合わせてサイズをチョイスした方がいいですね」。

【速報③】
マウンテンバイクラインの
シェルもイケてるって知ってた!?

他のカテゴリーに比べて意外と見逃しがちなですが、マウンテンバイク向きのアイテム群にもちゃ〜んと名作が。“ダート・ローマー・ストーム・ジャケット”は、“H2Noパフォーマンス・スタンダード”を採用した完全防水仕様のシェルなんですが、やっぱり最大の特徴は自転車に乗ることを想定して設計された、独創的なパターン。ハンドルを握った時もしっかり袖先まで覆ってくれる、長めかつサムホールつきのアームや、お尻まで隠してくれるドロップテール、充実したベンチレーションなどなど、チャリ乗りには嬉しい趣向も随所に凝らされてます。古きよきブラックショルダーデザインといい、クラシックなアウトドア風味も香っていて、こりゃ普段使いにもバリバリ転用できそう♪

「チャリ乗りなのでシェルジャケットは頻繁に着用するんですけど、ここまで自転車専用に設計された製品を着るのは初めて。いつもは山用シェルを着てるけど、正直全然違う。全体的にシルエットはスリムに感じたし、袖も着丈も長め。でもダボつかないし、風も侵入しにくいし、かなり理に適っているシルエットで、チャリ用としてはパーフェクトだと思います」。

【番外編】
オススメ製品を
ドドッと紹介!

パタロハ・シャツ

熱狂的なファンも多いパタロハも、相変わらずバリエーション豊富。シルキーなテンセル素材の“ラアウ・パタロハ・シャツ”あり、オーガニックコットンドビー生地の“パタロハ・シャツ”あり、軽やかなオーガニックコットンローン生地の“マリヒニ・パタロハ・シャツ”あり……。しかもパタゴニアの歴史に根ざした柄もチラホラ展開されてて、例年以上に見逃せないアイテムに。

リジェネラティブ・オーガニック・サーティファイド・コットン・スタンドアップ・ショーツ 7インチ

イヴォン氏が仲間たちと鍛冶場で作業をしていた時、履いていたワークパンツに目をつけて開発した……なんて逸話を持つ、黎明期から展開されるスタンドアップ・ショーツにも、未染色の“アンダイド・ナチュラル”カラーが仲間入り。創業まもない頃の、通称“デカタグ”をモチーフにしたロゴまでナチュラルカラーにしているなんて、芸が細かいじゃありませんか。ちなみに今季の正式名称は“リジェネラティブ・オーガニック・サーティファイド・コットン・スタンドアップ・ショーツ 7インチ”……長っ!!

自社の異なるテクノロジー同士をハイブリッドさせる手法は、もはやパタゴニアのお家芸。今回はなんとナノエア ライト フーディーの背面全体に、R1 Airファブリックパネルを配置して、バックパックを背負った時でも、より蒸れずに快適〜♪を実現。軽くて暖かくて伸び〜るのは不変。これは激しめのアクティビティなんかでも頼りになりそう。

当日ガイド役を買ってでてくれたのは、パタゴニア日本支社のマーケティング部・加藤さん。最後にぜひこれも!とプッシュしてくれたのが、“イスマス・ユーティリティ・ジャケット”と、“アウトドア・エブリデイ・ショーツ”。「ありがたいことに、どちらも昨シーズンは早い段階で欠品してしまったんですが、今年も両モデルとも継続展開しているので、買い逃した方はぜひチェックしてみてください」。

問い合わせ先/パタゴニア日本支社 カスタマーサービス☎0800-8887-447 パタゴニア 公式ホームページ
写真/松島星太 文/黒澤正人 編集/増井友則(Begin NEWS)

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