昨年はクラークスのワラビーが日本で過去最高となる売れ行きを記録したり、バブアーのオーバーサイズ版ボーダーが大ヒットしたりと、英・老舗の勢いが止まりませんでした。
今年も英国クラシックのオッズはさらに高くなること間違いなし。奇しくも昨年に崩御されたエリザベス2世追悼の意も込めて、2023年ヒットの狙い目を大胆予想します!
靴といえば……ノーサンプトン
“原皮”“樫の木”“良質な水”といった、革靴を作る上で必要な3大要素がこの地には揃っており、古くから多くのタンナーや靴職人が多く住み着いた。そして19世紀の産業革命により、靴の一大産地へと成長したのだ。
鞄といえば……バーミンガム
ロンドンに次ぐ大都市バーミンガムは、英国フィッシングバッグの双璧をなす「ブレディ」と「ビリンガム」の出生の地。古くより産業の街として賑わい、職人が集うこの地こそ、両者の質実剛健な物作りの源流だったのだ。
チェックといえば……エディンバラ
スコットランドの首都エディンバラ。伝統的な民族衣装に使われる格子柄は「タータン」と名づけられ、世界中で親しまれるチェックの代名詞だ。キンロック・アンダーソンも某名門に生地を納入していた実績を持つ。
UK文化遺産候補①
“英国王室御用達”の源流を汲むプレーントウ
創業:1829年 誕生地:ノーサンプトン 名称:トリッカーズ
エルテア・トランピングシューズ
100年余り前「足をより健康に」という哲学を体現する靴が誕生した。「エルテア」なるその靴の流れを汲む本作。バッファロー革やコマンドソールを採用し、屈強で快適な現行靴の源流といえる一足だ。2023年3月発売予定。価格未定(トリッカーズ 青山)
歴史を作った源流靴の血を継ぐコンフォートで屈強な100年モデル。
UK文化遺産候補②
歴史を塗り替える!? 史上初!の2wayトート
創業:1973年 誕生地:バーミンガム 名称:ビリンガム
2wayトート
釣り用バッグからスタートし、カメラバッグの最高峰と呼ばれるようになった超老舗。には、意外にも今まで展開がなかった“2way”がついに! 持ち前の傑作顔は健在です♪ 2023年3月発売予定。W38×H30×D11cm。各5万8300円(グリニッジ ショールーム)
今や当たり前となった2足のわらじ戦法でビジ⇔カジの境界線を華麗に駆け抜ける♪
UK文化遺産候補③
今どきに進化する古きよきコットン靴下
創業:1893年 誕生地:サウス・ウェールズ 名称:コーギー×イレーヴ
コットンソックス
かつて鉱員のための厚く暖かい靴下を作り始め、王室御用達まで至ったニットの老舗。職人ハンドメイドのフォークロアなソックスだけかと思いきや、来季はスニーカーに合わせやすい短丈&ビビッドカラーで登場! 2023年2月発売予定。3960円(イレーヴ)
クラシックと新鋭の共演がいまだ衰えないスニーカー人気を鮮烈に後押しする!
UK文化遺産候補④
さながら重火器兵士の仮想ドレスシューズ誕生か
創業:1873年 誕生地:ノーサンプトン 名称:サンダース
B.G.S. ダービーシューズ
各国の軍隊・警察を顧客に持つ名門に、重火器兵士専用ラスト採用のダービーが新加入。土踏まず~踵のシェイプが、踏ん張りが利くようスクエアぎみ設定のトウを際立たせる。ポリッシュドレザーは傷にも強い。5万9400円(グラストンベリーショールーム)
存在感ある攻めの重火器兵士ラストがゆったりトレンドの今足元を盤石にする!
UK文化遺産候補⑤
舵取り上手なキャプテンが老舗の新境地を拓いた!
創業:1784年 名称:ジョン スメドレー×キャプテン サンシャイン
1980 ダブルV プルオーバー
英国王室御用達ニットに、スウェット風の80年代インスパイア作がある。第1弾もビギンで紹介済みながら、新作も見逃し厳禁につき! つまるところ、鮮色という“キャプテン”のさりげない舵取りが効いてる~っ! 各6万3800円(キャプテン サンシャイン)
舵取りの天才を載せたニットの古豪が盲点を突くコース取りで鮮やかVを飾る!?
UK文化遺産候補⑥
160年の歴史を進化させるまさかのSDGs目線
創業:1856年 誕生地:エディンバラ 名称:ハンター
オリジナル トール トラベルブーツ
ロイヤルワラントを受けつつ、時流にも巧みに対応。何がって、リサイクルナイロンをブーツに組み合わせSDGsと軽量性を両得したこと。畳んでコンパクトにもなり、車内置きも可。2023年3月発売予定。2万7500円(ハンタージャパン カスタマーサービス)
常識を打ち破る異素材ドーピングで持ち運び需要に猛チャージをかける!
UK文化遺産候補⑦
老舗謹製!?と目を疑う超今どきレザーアクセ
創業:1934年 誕生地:ロンドン 名称:エッティンガー
ネックポケット
英国革小物の正統も、キャッシュレス時代に果敢に追従! 王室御用達の矜持はそのまま、今どきなネックポーチの誕生だ。カードとAirPods、現金がスマートに携行可能で、落ち着きのあるパープルも◎。W13×H8.6cm。4万2900円(エッティンガー銀座店)
由緒ある名門の矜持を守りつつもスマート化していく柔軟性で時代に後れをとらない!
UK文化遺産候補⑧
今にジャスト!な無名名門の傑作ブルゾン
創業:1868年 誕生地:エディンバラ 名称:キンロック・アンダーソン
ブラック ハリントン ジャケット
テイラー&キルト専門として歴史を紡いできた知られざる名門に、大定番型ブルゾンの存在を確認! これがまたオリジナルフィットが逆に今どきゆったり&良心的プライスで、大至急ビギンマーケットで別注を敢行したってわけ。2万4750円(ビギンマーケット)
却って今どきゆったり♪な元来のクラシックフィットがオオソトからジャイアントキリングを巻き起こす!?
頻出ワード「英国王室御用達」をおさらい
「ロイヤルワラント」。王室に一定期間、定期的・継続的に製品やサービスを供給し、王室が「イイね!」と認めた証。800を超える企業がその栄誉を受ける。エリザベス2世(紋章/左)が崩御した今、認定できるのはエディンバラ公(中)とチャールズ3世(右)のみ。
※発売予定は22年12月時点の情報です。
※一部誕生地などは編集部調べ
※表示価格は税込み
[ビギン2023年2・3月月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。