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Otsuka オーツカのOT-6028

スニーカーに慣れきった足にもやさしく軽やかな履き心地です

大塚製靴(本社:東京都大田区)が、日本における現存最古の靴メーカーだということはご存じでしょうか? その創業は、明治維新のわずか4年後である1872年のこと。すなわち、今年(2022年)はめでたくも創業150周年となります。で、その1872年の2年前、日本初の靴メーカー、伊勢勝造靴場が創設されており、これが後年、買収や合併を経るなど複雑な歴史をたどって今日のリーガル コーポレーションのルーツとなったというのは事実ではあるのですが、しかし、大塚製靴は一法人として一貫した歴史を有しており、これをもって日本最古と見なすことが可能なのです。

この1872年創業というのは靴の世界において、じつは世界的にも老舗の部類に入ります。著名な現存メーカーでこれより古い存在といえば、1596年創業(日本では安土桃山時代!)の独・エドワード マイヤーは別格としても、独・ビルケンシュトック(1774年)、英・クラークス(1825年)、英・トリッカーズ(1829年)、米・ジョンストン&マーフィー(1850年)、英・ジョン ロブ ロンドン(1860年代前半)くらいしかなく、Beginでおなじみの英・チャーチ(1873年)、米・G.H.バス(1876年)、英・クロケット&ジョーンズ(1879年)、米・オールデン(1884年)、英・エドワード グリーン(1890年)、仏・ジェイエムウエストン(1891年)といった古株も大塚製靴より後発なのです!

さらに1882(明治15)年以来、今日にいたるまで歴代天皇陛下ほか皇室の方々のために手縫い靴をあつらい、献上してきたという事実も! ゆえに当然、ハンドソーンウェルテッド製法をはじめとする手縫いの技術はハンパなく、その実力はヨーロッパの有名高級靴メーカーに全く引けをとることがありません。と、そんな名門の特別&格別な歴史と技術力を認識したうえで、同社が今秋リリースした新作をご覧ください。

このオーツカ(Otsuka)「OT-6028」は老舗ながらも、ビジカジ指向が進むイマドキのニーズをしっかりとらえた同社が開発したセミカジュアルな外羽根式プレーントウ。東京の工場にて、日本の技術者によって丁寧に作られております。そして、ことに注目したいのが、深みある発色と繊細な諧調が表現されたアンティーク仕上げで、これは吊り込み(アッパーの成型)後、専門の職人が1足ごとに手染めの技を駆使することで実現した超コダワリの仕上げなのです。本品はアンダー4万円の、革靴入門者にとっても比較的手が届きやすい製品ですが、それでいてビスポークよろしく、こんな手の込んだ仕様が採用されているのですから、ホント驚いてしまいます。

また、セメンテッド製法でアッパーに底付けされているのは、伊・ヴィブラム社製のクッショニングソール。これが特製インソールと相まって、「硬い靴はちょっと……」というスニーカー足の人にとってもやさしい履き心地をもたらしています。しかも、このソールは軽量でもあり、したがって本品の重量は片足でわずか約330g。と、高級革靴で一般的なグッドイヤー製法の製品に比べて100g以上も軽いとあって、これまた革靴に不慣れな人には大助かりの靴になっております。

ちなみにウィズはEEE。ちょい幅広なのですが、それでいて見た目がとてもスマートなのは、木型に工夫が凝らされているからで、これはもう、日本人の足型を知り尽くしたジャパンブランドだからこそのプライオリティとといえましょう。

スーツを着る機会は年々、減少傾向にあり、ジャケパンなどカジュアルなスタイルも許されつつある昨今のビジネスシーンでは、そうしたスタイルの足元に似合い、かつ楽チンに履くことができるビジカジデザインのゴム底レザーシューズが確固とした主流になっています。本品も、そういう意味で時流に乗った製品ではあるのですが、そこは創業150年の老舗。長きにわたり培ってきた卓越した技術を活かし、目にできない箇所にもきめ細やかな配慮と作り込みを施すことで、巷に多々あるゴム底ビジカシ靴と一線を画す高いクォリティをもって、真なるお値打ち靴に結実させて見せたというワケなのです!

Otsuka オーツカのOT-6028

全4色展開。左から/渋く深みある大人色のチョコレート、色の諧調が美しく映えるバーガンディ、オフタイムな足元にも秀逸マッチするブラウン、しかるべきビジネスシーンでも気おくれ無用なブラック。いずれのカラーにおいても繊細な濃淡をつけることで、靴の表情を豊かに見せる仕上げが施されている。

Otsuka オーツカのOT-6028

アウトソールにヴィブラム社のウレタンラバーソールを採用。クッション性にすぐれ、返りがよく、非常に軽いとあって、スニーカーライクな履き心地でフットワークを快適なものにしてくれる。

オーツカの
「OT-6028」

製法:セメンテッド
アッパー素材:牛革
ソール素材:ラバー(伊・ヴィブラム社製)
ワイズ:3E
サイズ:24.0~26.0cm
カラー:ブラック、ブラウン、バーガンディ、チョコレート
価格:各3万9600円

問い合わせ先/大塚製靴 ☎ 03-6410-2760
http://www.otsuka-shoe.com/
https://www.shoe-collection.jp/fs/shoe/OT-6028

※表示価格は税込


文/山田純貴

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