アウターにまつわる伝説事典AtoZ ▼V~Z
さぁさぁご覧に入れるのは、アウターに関する「そうだったのか!」な伝説級のウンチク集。覚えておけば、買い物の参考に、はたまた自慢のタネに、活用できること間違いなし。しっかりチェックしてくださいね!
V|Vサイン
Vサインで有名なチャーチルはクロンビーのコートを愛用した
Vサインを世界に広めたとされるウィンストン・チャーチルは、クロンビーのコートを愛用していた。チェスターフィールド伯爵が初めて着たいわゆる「チェスターコート」は、当時クロンビー社の生地を使っており、生地タグを見た人々がそのコートを「クロンビーコート」と呼んだことで、「チェスターといえばクロンビー」と言わしめ、英国コートの王道的存在に。かのチャーチルもクロンビー謹製の一着を愛した一人なのだ。
チャーチルのほかにも、ポール・ニューマンや、ジョン・F・ケネディなど、数々の政治家や俳優、アーティストからの寵愛を受けていた。
本物と呼ばれる「チェスター」の原型
クロンビーのチェスターコート
普遍的なデザインを確立したクロンビー。オックスフォード英語大辞典に「ウールオーバーコート」の定義として掲載される。16万9990円。(問)ブルーダン新宿店 TEL.03-3344-5503
W|ウェル
「ウェル」はコーデュロイの畝の太さ
温もりのある起毛感と上品さを備えたコーデュロイには、畝の太さを表す単位がある。「ウェル(=well)」とは、幅1インチ(=2.54cm)内に畝がいくつあるかを表すもの。10ウェルは1インチ内に畝が10本あることを表し、数値が大きくなるほど細畝になるということだ。ちなみに、近年トレンドの太畝は8ウェルあたりから。また、太畝になればなるほど、コーデュロイの強度は上がっていくのが一般的である。
コーデュロイはビロードのように毛羽立った温もりある素材感が、秋冬のコーディネートに季節感をプラス。保温性にも優れている。
X|エクストリーム
厳しい環境下で研究開発を行うマムート
スイスにそびえる北壁で有名な3970mの高峰アイガーの名を冠した「アイガー エクストリーム」シリーズ。世界でも屈指のクライマーやアスリート達とタッグを組み、過酷な自然環境でのテストを繰り返して生まれた、まさにエクストリームなギアシリーズだ。アルパインクライミングやアイスクライミング、スキーをカバーするこのシリーズは、エクストリームでオーバースペックな、男が憧れるギアと呼ぶにふさわしい。
過酷なテストをクリアしたプロギア
マムートのシェルジャケット
マムートが持つすべての技術を結集し、数々のフィールドテストをクリアした最上級の防水透湿シェル。10万円。(問)マムート スポーツグループ ジャパン TEL.03-5366-0587
Y|ヨークシャー
今なお良質な羊毛を紡ぐヨークシャーの大御所ムーン
英国伝統の毛織物産地といえばヨークシャー。なかでも、自社での一貫生産にこだわり、180年もの間生粋の国産ツイードを作り続けているのがムーン社だ。ツイードなどの紡毛生地に特化し、紡績から仕上げまですべての工程を自社で行うことで、高い品質と生産効率を追求。英国で一貫して自社を貫く“一貫紡”は超希少であり、長い年月をかけて培われたヨークシャーのプライドは、生地のクオリティに表れている。
ムーン社のツイードは本来の頑丈さを備えつつ、軽く風合い柔らか。180年の歴史を持ち、紡績から仕上げまで自社で行うムーンならではの品質だ。
伝統のツイードを今どきに昇華
ユニバーサルランゲージのステンカラーコート
ブラック主体のメランジが季節感を演出。シェトランドウールを使ったヘリンボーン生地はハリと柔らかさを兼備。3万9000円。(問)ユニバーサルランゲージ渋谷店 TEL.03-3406-1515
Z|ゼニガタ
アイコニックなトレンチはバーバリーのもの!?
ケイドロを永遠と続けるあの警部といえば、トレンチコートがトレードマークだが、あのコートがじつはバーバリー製ってご存じ? 長身181cm、体重73kgのモデル体型を生かし、衿を思いっきり立ち上げ男らしく着こなす姿は、日本人で一番トレンチコートが似合うと表現しても言いすぎではないかも。男の悲哀を感じさせる役回りに、くたびれたトレンチコートがベストマッチ。ちなみに靴はイタリア製のもの、というウワサも・・・。ちなみにモデルとなったのはアメコミの「ディック・トレイシー」といわれており、彼もまた刑事でトレンチコートを着ている。
※表示価格は税抜き
[ビギン2018年1月号の記事を再構成]
写真/竹内一将、中田昌孝(STUH) 大志摩 徹 三浦伸一 吉岡教雄 武蔵俊介 久保田彩子 文/秦 大輔 押条良太(押条事務所) 礒村真介 桐田政隆 宮嶋将良(POW-DER) トロピカル松村 イラスト/TOMOYA 田中 斉