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SONY ソニーのMDR-EX800ST
「上から下までバランスよく音が出るんですよ。小編成のライブでこれを使うこともあります」と本間さんが太鼓判を押すイヤホン、ソニーの「MDR-EX800ST」。「小さくて目立たないのもポイントですね」。2万6400円(ソニーミュージックカスタマーインフォメーションセンター☎ 03-3515-5113)

本間昭光

本間昭光

プロデューサーとして、アレンジャーとして、作曲家として、誰もが口ずさめるヒットソングを数多く生み出してきた本間さんは、大のモノ好き。興味を持ったらとことん!な性格から、あらゆるモノに深い思い入れがあります。そんな本間さんの愛するモノの中から、音にまつわるアイテムにフォーカス。その魅力&エピソードを語っていただく連載、♯16は“ヘッドホン&イヤホン”〈後編〉です!!

ヘッドホンの沼に踏み入れてしまった青春時代〈前編〉はこちら

今やライブに“イヤモニ”は不可欠!

YMOのヘッドホンのような例外はあれど、ミュージシャンがライブでイヤホンを使うならなるべく目立たないほうがいい。外れにくさや壊れにくさも重要になってきます。そこでマドンナなどが使い始めたのが、かつてなく小さなイヤホン“イヤモニ”でした。ちなみにイヤモニが誕生したのは1990年代のことです。

イヤモニとは“イン イヤー モニター”の略。聴けば、マドンナは耳型を取ってオーダーメイドしたイヤモニを使っているといいます。ボクらも早速採り入れようと思ったら、これがウン十万もした……。メチャクチャ小さいのに。最初はさすがに躊躇しましたね。

本間昭光

ただ市販のイヤモニだと、激しい動きで断線してしまったり、汗がドライバーに流れ込んで故障してしまう懸念がある。ライブのクオリティを高めるためにもやっぱりオーダーメイド品を作らないといけないと思い、覚悟を決めて「アルティメット イヤーズ」というブランドのそれを作りました。すると音の輪郭もはっきりとしているし、高域もキチンと出る。さすがにスゴい!と感心しました。

オンキヨーのイヤモニ×
ORBのケーブルは本間的最強タッグ

ONKYO オンキヨーのIE-J3
本間さんが信頼を置くオンキヨーのイヤモニ「IE-J3」。「高域、中域、低域と3つのドライバーが内蔵された3wayで、全域のバランスがよい。ライブでは全体を俯瞰しないといけないキーボーディストのボクには最適です」。カスタムメイド。WEBにてオーダー後、メガネの愛眼にて要耳型採取。予約制。納期90日前後。14万2780円(ONKYO DIRECT https://onkyodirect.jp/shop/) ちなみに秋葉原にある「ONKYO DIRECT ANIME STORE(音アニ)」では、店頭で直接実機の視聴ができるほか、耳型の採取も行っているそう(音アニ https://onkyoanime.com/)

今、ボクがライブで使っているイヤモニは、オンキヨーさんの「IE-J3」というフルカスタムモデル。これも耳型をとって作るもので、色やコネクタ端子等も選ぶことができます。面白いもので、オーディオ製品はコネクタ一つとっても音が変わる。ボクは“T2”というタイプのコネクタを指名しています。

そして相棒として欠かせないのが、ORBというオーディオメーカーから出ている「T2コネクトケーブル」。太さがあるので、ライブで使うにも安心感があります。

ORBのT2コネクタリケーブル
本間さん愛用のORBの「T2コネクタリケーブル」。「純正ケーブルもいいのですが、変えると音も変わります。ORBさんは、膨大な量のミュージシャンからのフィードバックを製品作りに活かしているメーカー。信頼しています」と本間さん。プラグの径・極数等が異なる6タイプがあり。3万250円〜3万2450円(ORB☎ 06-6349-1858)

アンプは同じORBの「JADE stage model」(JS-MJ-J10-3M)の一択。発熱の多いAクラスアンプというタイプなので目玉焼きが焼けそうなくらい熱くなりますが、このオンキヨー×ORBの最強タッグで音を聴かせたミュージシャンは、十中八九買いますよね。その場で注文した人もいたくらい、ビックリするくらいよい個々の音が立ったよい音がする。自信を持ってオススメします!

オススメついでに、専門店のe☆イヤホンさんと“凜として時雨“のピエール中野くんがコラボして作ったイヤホン、通称「有線ピヤホン」というのがあるのですが、このシリーズは手頃な価格もあって、とても売れているそうです。カジュアルにイイ音が聴きたい人は、ぜひチェックしてみてください。

有線ピヤホン1 Hi-Unit HSE-A1000PN
通称“有線ピヤホン1“ことHi-Unit「HSE-A1000PN」(上画像)。1700円(e☆イヤホン☎ 0570-07-1118) ハイレゾ再生に対応し、マイクも追加された“有線ピヤホン2“こと「HSE-A2000PN」(3600円)もあり。さらに聞けばこの春に新作が出るかもとのこと。

これも余談ですが、イヤホンジャックのないiPhoneユーザーは、Lightning端子からこんな小さなポータブルヘッドアップを介してイヤホンにつなぐだけで、ぐっとイイ音が聴けるようになります。アマゾンで1万円弱で買えるので、ぜひ試してみてください。オススメは、PALOVUEというブランドの「アンプスター」です。

PALOVUEのアンプスター
PALOVUEのAMPSTAR PA1。9500円(編集部調べ)。

最新イヤホンで聴く、360度の立体音響がスゴい!

ところでアップルのAirPodsなど最新のワイヤレスイヤホンには、ドルビーアトモスに代表される360度のイマージング音源に対応したものがあります。映画館で観る映画の銃撃戦で、ピュンピュン全方位から銃弾の音が聴こえてくるあの立体音響を、イヤホンで擬似的に聴くことができるのです。

最近ではBTSがこれを意識した音作りをしていて、『Butter』を聴いてみると、ボーカルにドラムにと、360度全方位の音が見える。ちょっとこれはスゴいなと思いました。スピーカーでこれを表現しようとすると、人によって部屋の環境も違うので難しいですね。

ボクらは今まで、2chのステレオイメージで作曲やアレンジをしてきました。でも360度のイマージング音源で従来の音作りをすると、楽器の1つ1つが丸裸になって、不自然に響いてしまうでしょう。

オーケストラのヴァイオリンが心地よく聴こえるのは、演者それぞれにわずかなズレがあるから。いいコンサートホールでの演奏が豊かに響くのも、程よい残響があってこそなのです。今後は、360度のサラウンドを踏まえた上での音作りも必要になってくるのかな、と思っているところです。

ところで、イヤホンのいいところは音の世界に没入できるところですが、一方で聴き疲れしやすいという側面があります。対して鼓膜から距離のあるヘッドホンでは、これが軽減される。ボクはライブではイヤホンを使い、スタジオではヘッドホンを使うという風に使い分けをしています。

でも、やっぱりスピーカーには敵わない!?

Victor ビクターのウッドコーンスピーカー
本間さんのオスミツキ、楽器のような美しい響きを目指して開発されたビクターの「ウッドコーンスピーカー」は、振動板の素材に樺の木を用いているのが特徴だ。写真のスピーカーの上に乗っているのは、本間さんがスタジオで薦められたという振動を調整するためのアイテムで「効果のほどはわかりませんが(笑)、とりあえず」置いているのだとか。スピーカー下には水晶製の振動調整材(!)が。

ヘッドホンとイヤホンについてのアレコレを語ってきました。でも正直にいうと、音楽はスピーカーで聴くのが一番だと思っています。だって、音の正体は空気の振動。振動のスケールでは、ヘッドホンもイヤホンもスピーカーにはかないませんからね。

今やコンポでしか買えないのがオーディオ好きとしては歯がゆいのですが、ボクのスタジオではビクターの「ウッドコーンスピーカー」が、コンパクトな試聴環境を想定した音の確認に活躍しています。飛び道具に見えて、意外やクセのないモニタースピーカー的な音の響きなんですよ。

語り出すと止まらないのでもうこの辺にしておきますが(笑)、前述したとおり、プラグの材質一つで音が変わるのがオーディオの面白いところ。こだわる人は“マイ変電器”を電柱に設置するほどですからね。

皆さんもどうぞお気に入りのオーディオで、音楽をお楽しみくださいませ!

ヘッドホンの沼に踏み入れてしまった青春時代〈前編〉はこちら

本間昭光

本間昭光(ほんま あきみつ)

1964年大阪生まれ。’88年に「マイカ音楽研究所」に入学。松任谷正隆氏に師事し、作曲アレンジを学ぶ。’89年、上京とともに「ハーフトーンミュージック」に所属し、アレンジャーやサポートミュージシャンとしての音楽活動を開始。

’99年にak.homma名義でポルノグラフィティのトータルプロデュース・作曲を担当。「アポロ」や「サウダージ」等のヒット曲を数々生み出す。2009年には、いきものがかり「なくもんか」の編曲を担当し、その後も「ありがとう」など、多くの楽曲のサウンドプロデュースを担う。最近ではアレンジを手掛けた筒美京平先生のトリビュートアルバム『筒美京平SONG BOOK』が発売中。また2020年にバンダイナムコアーツとともに立ち上げた「Purple One Star」レーベルでは、レーベルプロデューサーを担当。80’sの世界観を完全に再現した第一弾アーティスト、降幡 愛が話題。昨年秋に行われた2nd Live Tour “ATTENTION PLEASE!”のダイジェスト映像を公開中↓↓↓

降幡 愛オフィシャル YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCWfhLoV53Rwdc9WGw735IUg

※表示価格は税込

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