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パンサーのmanufactured by シリーズ PANTHER GT-UI LE

パンサー&ユニオンインペリアルの旗艦店1周年記念として登場

スニーカーの製法(靴における製法とは、基本的に底付け法のこと)というと、古くは加硫技術によるヴァルカナイズド製法があり、現在においては、その多くは接着によるセメンテッド製法です。が、ここに紹介するパンサー(Panther)の「PANTHER GT-UI LE」(以下、「GT-UI LE」と記載)には、なんと高級革靴の伝統的技術であるマッケイ製法が取り入れられているのです!

パンサーと聞いて「学校で履いてたなぁ」なんて懐かしく感じる人は少なくないはず。また、疾走する黒ヒョウ(panther)をイメージさせるサイドラインをイメージする人も多いことでしょう。このブランドはゴム底靴の老舗、世界長(※1)が、前回の東京オリンピックが開催された1964年に立ち上げたスポーツシューズのブランド。生産が中断した一時期もありましたが、マッケイ製法やハンドソーンウェルテッド製法を十八番にするユニオン・ロイヤル(※2)との合併で設立した世界長ユニオン株式會社(本社:東京。以下、「世界長ユニオン」と記載)により、2016年に復活を果たしています。

ところで世界長ユニオンは2020年9月、JR高架下のショッピングモール「日比谷OKUROJI」(東京都千代田区内幸町1-7-1)に、パンサーとユニオンインペリアルの旗艦店「Panther/UNION IMPERIAL 日比谷OKUROJI店」をオープンしています。靴好き御用達のユニオンインペリアルは、合併前のユニオン・ロイヤルが2008年にスタートさせ、現在はパンサーと同様、世界長ユニオンによって展開されている高級ドレスシューズのブランドです。そして、この「GT-UI LE」は同店の開店1周年記念として、昨年(2021年)12月25日にリリースされた販路限定モデルとなります。

革靴と同様、オールソールで末長く履けるのです!

本品のアッパーでは、1970年にパンサーから発売されたモデル「GTデラックス」のクラシックなデザインをベースに、そこにスムース、スエード、シュリンクの3種のブラックレザーをパーツごとに使い分けるという、なんとも凝った作りになっています。また、さまざまなスニーカーに多用されている、クッション性、通気性、防臭性を備えたオーソライト(OrthoLite®/米国のインソールメーカー)とEVA素材の二層構造カップインソールや、軽量で返りが良く、クッション性や衝撃吸収性に富む伊・ビブラム(Vibram®)社の「モルフレックス(Morflex®)」製アウトソールなどの採用により、コンフォタブルな履き心地も図られております。

しかし、一番注目すべきは先述したとおり、製法にあります。すなわちスニーカールックでありながら、本品ではアッパー、インボード(インソール)、ミッドソールがマッケイ製法で縫合されているのです(コルクフィラーも仕込まれています)。じつは、これはかつて、その高い技術力がイタリアでも高く評価されたユニオン・ロイヤルの時代から培われてきた製法であり、現在も世界長ユニオンの国内工場で連綿と受け継がれている製法。本品も、もちろん同工場にて、熟練職人たちによって作られているのです。同社によると、「ブランドとしてはカジュアルスニーカーのパンサーなのですが、革靴をしっかりと作ることができる工場で、その技術を活かして、スニーカーと革靴のハイブリッドを作りたいとの思いが以前からありました」とか。その構想が、このパンサー×ユニオンインペリアルのコラボモデルにおいて具現化されたというわけなのです。

ところで、本品を見て「マッケイなのに、コバがすごく張り出しているなぁ」と思った靴通は少なくないはず。これについては、「通常のスニーカーとは違った姿に見せるため、あえて意図的にコバを張り出させたのです」とのこと。しかも、そのコバに縫合されたウェルト(細革)は重厚な印象のストームウェルトのデザインとし、そこに飾り(イミテーション)のアウトステッチも施して存在を誇示させてもいます。また、アウトソールの底付けは(マッケイではなく)接着ですが、オールソール(アウトソール全面張り替え)が可能ということで、スニーカーながらメンテを繰り返すことで、末永く愛履きすることができます。

以上からもわかるとおり、スニーカーと革靴の、それぞれの利点を兼ね備えた「GT-UI LE」は、他に類を見ない超個性派フットウェア。履き心地は軽快ながら、そのたたずまいは重厚にして品格があり、大人の足元にふさわしい1足に仕上がっています。ということで、これは既存のスニーカーに物足りなさを感じていた、そんな靴好きの方々にぜひオススメしたい注目作です!

※1 世界長/1919年、大阪市で創業した地下足袋メーカーの大阪ゴム底足袋を前身とし、’37年に世界長ゴムに商号を変更。次第にゴム底靴のメーカーとして全国に広く知られる存在となる。’64年に世界長に商号を変更するとともにパンサーを立ち上げると、トップアスリートらに愛用され、全国の学校指定靴にも採用されることとなる。2004年、ゴム製品大手のオカモトグループに加わり、’10年にオカモトのシューズ部門、およびユニオン・ロイヤルと3社合併し、世界長ユニオン株式會社に。

※2 ユニオン・ロイヤル/1952年、東京ユニオン製靴として創業し、その6年後、イタリア式マッケイ製法の技術を導入。’60年に同国の高級靴メーカー、マレリー社と技術提携し、そのOEMで成功を収め、’72年から3年連続でイタリアの「国際製靴技術コンクール」にて日本初のオスカー賞獲得の偉業を達成する。’90年、社名をユニオン・ロイヤルに変更。2001年、オカモトグループに加わり、’10年にオカモトのシューズ部門、および世界長との3社合併で世界長ユニオン株式會社となる。

パンサーのmanufactured by シリーズ PANTHER GT-UI LE

トウガード、レースステイ、クォーター、サイドラインなどにスムースレザーを、ヴァンプにスエードを、タングやバックステイ&ヒールプルにシュリンクレザーを使いつつ、それらをマッチングカラーにすることでアッパーを品あるたたずまいに。また、そのアッパーから大胆に張り出して全周するストームウェルトの革は生成り(素仕上げ)で、そこに施されたアウトステッチも生成り。これらがホワイトソールなどと相まって、アッパーの漆黒と強いコントラストを成し、唯一無比の姿に仕上がった。なお、アウトソールのビブラム社製「モルフレックス ♯8327」はEVA素材×天然ゴムをベースにしたタウンユース向けの底材で、ほどよい弾性&衝撃吸収性が特長。加えて、ヒール部ではEVA製ハーフミッドソールを挟むことで、さらにクッション性を高めてもいる。

パンサーの
「manufactured by シリーズ PANTHER GT-UI LE」

製法:マッケイ×セメンテッド
アッパー:スムースレザー×スエード×シュリンクレザー(以上、すべて本革)
インボード:パルプボード
ミッドソール:本革
ハーフミッドソール:EVA素材
アウトソール:ビブラム社製「モルフレックス ♯8327」
フットベッド:オーソライト社製カップインソール
サイズ:25.0~27.0cm(0.5cm刻み)
カラー:ブラック
価格:3万800円
販売店:「Panther/UNION IMPERIAL 日比谷OKUROJI店」、および公式オンラインショップ

問い合わせ先/世界長ユニオンお客様相談室 ☎ 0120-419-265
https://panther-online.jp/
https://panther-online.jp/SHOP/UPAPT02510.html

※表示価格は税込


文/山田純貴

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