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冬に欠かせないマストアイテム、フリース。なかでも、間違いなしのチョイスといえば、みんな大好きパタゴニア♡ 1985年に「シンチラ」フリースを発売し、フリースを世に広めた立役者です。とはいえ今シーズンのコレクションでは、メンズのフリース製品だけでも、ざっと40種類ものアイテムが! 「自分にはどれがいいんだろう?」「特徴や違いを知りたい」「ずばりオススメは!?」といった声もあるのではないかと。そこでBeginはパタゴニアのフリースを知り尽くす細野さんに突撃取材を敢行! これはAttention Please!!なフリース6選を教えていただきました。

フリースを知り尽くしたパタゴニア社員を直撃取材!
パタゴニア マーチャンダイジング部 ライフスタイル・スポーツウェア担当
細野さん

高校卒業後に渡米し、大学では繊維学を専攻。卒業後はテキスタイルメーカー、インテリア商品メーカーなどで勤務。従来の大量生産よりもベターな商品開発に関心を持つようになり、パタゴニアと縁があって2015年に入社。本国のデザインチームと連携して商品開発を担っている。

Attention Please!フリース①
メンズ・ライトウェイト・シンチラ・スナップT・プルオーバー
定番好きなら避けては通れない
不朽の名作フリース

「メンズ・ライトウェイト・シンチラ・スナップT・プルオーバー」1万4300円。

フラップポケットの素材は
バギーズショーツの端材を使用

袖と裾のトリムも
バギーズショーツの端材!

デニムならリーバイスの501。スウェットでいえばチャンピオンのリバースウィーブというように、定番アイテムには不朽の名作があります。フリースでいえばこちら、パタゴニアのシンチラ・スナップTです。 
パタゴニアは1970年代から繊維メーカーのモルデンミルズ社と、ウールに代わる保温性に優れて軽く扱いやすい生地、ポリエステルを使ったフリースの開発を進めていました。そして試行錯誤を経て、軽くて温かく、速乾性に優れて毛玉もできにくい、高性能なフリース生地の開発に成功。動物のチンチラの毛のように温かい生地を、化繊(シンセティック)で作ることから、“シンチラ”と名付けました。そして1985年発売のシンチラ・スナップTってワケです。 
細野さんによると、パタゴニアのフリースジャケット誕生にはこんなきっかけが。「創業者、イヴォン・シュイナードの妻のマリンダが、“化繊でできたモコモコのトイレカバーのように、温かくて速乾性に優れた生地があれば、山やアウトドアフィールドでも役立つのに”、と考えたことがフリース開発の発端になったそうです」。これは初耳じゃないですか!? 
またこちらで紹介しているのは、日本の日常生活でより使いやすいライトオンスモデル。オリジナルが10オンスに対して、ライトウェイトは8オンスとなっています。 
スナップTといえばフラップ付きの胸ポケと、袖と裾のトリムも特徴的なディテールですよね? じつはここにもコダワリがあり、「胸ポケのフラップと、袖と裾のトリムは、バギーズショーツの丈夫なリサイクルナイロンの端材。2021年秋冬のシンチラ・スナップTには、2021年春夏のバギーズショーツと同じ素材を使っています」。これもまさにAttention Please!!な裏話でしょう!

Attention Please!フリース②
シンチラ・アノラック
フリースラボから生まれた
今シーズン大注目のシンチラ

「シンチラ・アノラック」1万9800円。

収納力豊富な
カンガルー風ポケットを装備

今じゃ珍しいファスナーの
フィッツロイタグもGOOD

続いて細野さんはこちら、シンチラつながりでシンチラ・アノラックをオススメしてくれました。「ライトウェイト・シンチラ・スナップTとほぼ同じ、7.5オンスのシンチラフリースを使ったモデルです。ただこちらは2018年に発足した、リサイクル素材を使って限定製品を作るフリースラボから生まれたアイテム。このシンチラ・アノラックは、ライトウェイト・シンチラ・スナップTをリサイクルして作っています」。 
いわば本作のフリース素材は、リサイクル・シンチラ100%。ライトウェイト・シンチラ・スナップTの素材ですら、すでにエコなリサイクル・ポリエステル。それをさらにリサイクルして作るという、とことんサステナブルなフリースなんです! 
「こちらのカラーブロックのモデルは、ミリタリー調のネックラインに、フロントのマースピアル・スタイルのポーチ型ポケットなど、どこか懐かしいレトロな雰囲気に仕上げています。あえてP6ロゴ(フィッツロイの山々をモチーフにした定番のロゴ)を胸に使わず、ファスナーの引手に。以前はよく見られたデザインで、昔ながらのファンの方にも好評です」。 
ちなみに本作は2019年~2021年のみ展開の製品で、今シーズンで発売終了。「パタゴニアのシーズナルアイテムは、その時は定番から外れた真新しいデザインでも、時が経つにつれかっこよく見えてくる。このスタイルはその一つかなと思います。」

Attention Please!フリース③
メンズ・リバーシブル・シアーリング・クルー
デイリーに着回すならコレ♪
フリースとスウェットを一挙両得!

「メンズ・リバーシブル・シアーリング・クルー」1万5400円。

ほっこりした雰囲気の
フワモコのフリース顔

裏返すとスウェットの
両A面スタイル

お次は今シーズン初登場のリバーシブル・シアーリング・クルーをセレクト。こちらはベーシック好きにはたまらない、けれどもユニークなフリースなんです。 
「クルーネックのリバーシブル仕様ですが、両面ともにオートミールカラーのラグランスリーブで、どちらも印象はベーシックなスウェットに見える。片面は起毛したシアーリング・フリース、もう一方はスウェット顔のジャージー生地になっています。一枚でフリースとスウェット両方の着心地を簡単に、気分や着こなしに応じて楽しめるように作られました」。 
だからデザインもシンプルで、両面同色。リバーシブルって両面でだいぶキャラが変わるモノが多いけど、こちらなら気兼ねないベーシックを両得できます。肌触りのいいフラットシームってのも、定番好きが惚れ込むディテールでしょう。 
「表をスウェット顔で着ると、パイルフリースが裏地になって肌に触れるので、じつはこちらの方が温かい。一方でフリース顔になると、スウェット顔のジャージーが裏地になって、肌触りが滑らか。一枚あるだけでとても便利ですし、デイリーに着回すフリースとしてはベストな存在だと思います。また、本作はパタゴニアで20年以上働いているコートニーさんというデザイナーが手がけました。彼女は日本のお客様のデザインセンスにも敏感で、今後は日本で愛される製品になると思います。」 
聞けばレトロパイルをはじめ、日本人がなるほど~と思えるアイテムをいろいろと手掛けたお方。これは先取りすべきパタゴニアの次世代定番になるかも!?

Attention Please!フリース④
メンズ・シアーリング・ボタン・プルオーバー
フリースとスウェットをMIXして
オールマイティに活躍する

「メンズ・シアーリング・ボタン・プルオーバー」1万9800円。

前立て深めのスタンドカラーで
プルオーバーでも着脱が楽チン♪

スウェット感覚で着られる
コットン100%リブ

 

リバーシブルではありませんが、こちらも表地にシアーリング・フリース、裏地にスウェットのようなジャージー生地を使ったシアーリング・ボタン・プルオーバー。 
「フリースとスウェットのいい部分をMIX、中間を目指したような一枚ですね。ボディは軽くて温かいシアーリング・フリースですが、裏地にジャージーの編地を採用。また袖と裾、スタンドカラーのリブは、オーガニック・コットン×リサイクル・オーガニック・コットンのコットン100%で、スウェット感覚のしなやかな着心地を楽しめる作りになっています」。 
ただレイヤリングしやすいゆとりのあるフィット、フロントには収納力にも優れたハンドウォーマーポケットを付属して、春や秋にはアウターとしても着ることが可能。ルームウェアとしても屋外でもシームレスに使える懐の深さが魅力で、オールマイティな使い勝手を求めるならこれが一押しでしょう。 
またパタゴニアらしいレトロなプルオーバーデザインで、着こなしにおいても安心感◎の一品です。

Attention Please!フリース⑤
メンズ・スナップ・フロント・レトロX・ジャケット
大人気のレトロX顔でいて
カーディガン感覚で着られる

「メンズ・スナップ・フロント・レトロX・ジャケット」2万4750円。

しなやかな裏地を使い
着心地はリラックス

ショールカラーを採用し
2つの表情を楽しめる

 
細野さん曰く、「“レトロXのはとこ的”なアイテム」という本作。「こちらもフリースラボから生まれた、実験的なアイテムですね。フリースはレトロXシリーズと同じ、表地が起毛したシェルパ・フリースを使用しています。ただレトロXジャケット、ベストと違って、裏地に防風バリヤーを使っていないので、着心地がすごくしなやか。カーディガン感覚で着られるのが特徴ですね」。 
たしかに触ってみると、レトロXとは同じシェルパ・フリースとは思えないほど柔らかい。ただ風雨を防ぐしなやかな裏地が付属。表面に空気を含んで温かいシェルパ・フリースの保温性能も健在で、アウターとしても使えます。 
またショールカラーもフリースでは珍しい味のあるデザインで、衿を立てると防風性が高まる一面も。「クラシカルな雰囲気ですが、鮮度もある。デザイナーには『新しいヘリテージを作る』という考えがあったようです。」温故知新なフリースが欲しい方は是非!

Attention Please!フリース⑥
メンズ・ベター・セーター・ジャケット
ON/OFF不問の
ベストセーター

「メンズ・ベター・セーター・ジャケット」1万8700円。

一般的なフリースより
伸縮性にも優れる

裏地は起毛していてポカポカ
肉厚生地で風も通しにくい

 
「最後はベター・セーターですが、ベターというよりは、゛ベスト・セーター″ですね」とほほ笑む細野さん。2008年に登場したベター・セーターは、上質なセーターと違って気構えずに着られ、軽くて手入れや洗濯が簡単と、よりベターなセーターになるべく生まれたフリースです。 
表地はセーターのように見えるシックなニット織りで、裏地は温かい起毛フリース。これも技術的に難しいことで、誕生当時、とくに欧米ではセンセーショナルなフリースとして脚光を浴びました。日本ではフワモコなフリースが人気となる傾向にありますが、じつはパタゴニアのフリースで、世界で一番売れているのはこのベター・セーター。欧米ではアウター製品すべてを含めたなかで、一番人気なんだそうです。 
「動きやすくて、普段のカジュアルにも合わせやすいニット顔がメリットですが、アメリカではオンタイムに着る人も多いですよ。オフィスだとスーツのパンツに、トップスはシャツにタイドアップして、ジャケットではなくベター・セーターを着る。また倉庫などで働く人も、ボトムスはチノを穿いてトップスはベター・セーター。スウェットを着るよりもしっかり品よく見えるし、機能的なのもちょうどいい。 
つまりフィールドからカジュアル、ビジネスシーンにまで幅広く使えるのが人気の理由になっています。日本のビジネスカジュアルでも活用できると思いますし、ビジネスマンの方にもどうぞ、とオススメしているフリースです」。 
たしかに起毛なしのニット顔フリース、ミニマルなデザインでスタイリッシュなシルエットは、品がよくてビジネスにも使えそう! フリースにタイドアップも鮮度抜群だし、ぜひ試してみたいスタイルじゃないですか!? ベターというよりベストと言うのも納得ですね~! 
「またベター・セーターは2019年の秋冬シーズンから、フリース生地、トリム、縫製糸に至るまで、ほぼリサイクル素材で作られるようになりました。一か所だけ、強度の問題でジッパーの歯がリサイクルではないんですが、いずれジッパーの歯もリサイクル素材にしようとしていますし、環境面への配慮としても、ベストなフリースになりつつあると思います」。 
じつはベター・セーターに限らず、今やパタゴニアのフリース製品はほぼリサイクル素材で作られているのも、知っておきたい事実。丈夫で長持ち、機能的でカッコイイだけじゃない。パタゴニアのフリースには、いまワードローブに加えるべき尊い価値もある。一生モノの相棒フリースを見つけてください!

※今回は、国内最大のフロア面積を誇るパタゴニア 東京・ゲートシティ大崎にて取材させていただきました。

問い合わせ先/パタゴニア日本支社 カスタマーサービス☎0800-8887-447 patagonia.jp/
写真/松島星太 文/桐田政隆 スタイリング/佐々木 誠

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