BEAMS MDが考える最高級カジュアルとは?
「最高級カジュアル」とは何か……? それを探るためには、やはり“プロの意見”を聞かないワケにはいきません。ここでは、日々その鋭い目を持って数々の名品と向き合う、セレクトショップのMD&バイヤー陣を直撃! 今回はビームス MDの上田哲平さん。いったい何が選ばれるのでしょうか?
“芯”を外さず“遊ぶ”。それこそが最高級カジュアル
GRAMICCI × BEAMS
Product_別注5 ポケット リムーブベルト デニムパンツ
Price_各1万2800円
毎季大人気を博す別注“デニミチ”の新作。素材は耐久性と伸縮性に優れるコーデュラデニム。
グラ味を大切にしつつ今の黄金律でアレンジ
「当店ではかれこれ10年以上グラミチのパンツを展開。もちろん個人的にも大好きです。というか、30代半ばを過ぎて“いいパンツ”の定義が変わってきたんです。昔は我慢して細いパンツを穿いてましたが、今パンツ選びで一番比重を占めるのは穿きやすさ」。
過去にスラックスデザインの“スラミチ”をはじめ、トレンドを意識した別注グラミチを生み出してきたビームス。本作も“欲しい”の実現にかなり悩み抜いて作ったようで……。
「新作別注では今まで以上に振り切ったつもりです。コーデュラ混デニムの採用もさること、一番のポイントはこの太めのテーパードシルエットです。これはただいまバカ売れ中の当店オリジナルパンツ、『バギーテーパードデニム』が元ネタ。ちなみにウチのオリジナルパンツは、毎回MDやバイヤー、販売スタッフの知見を結集して、“これぞ今どき”と太鼓判を押せるシルエットとサイジングを慎重に導き出しています」。
なるほど、徹底的なディスカッションから、その時々の旬の黄金律が与えられているわけなんですね。ただ、“グラ味”を活かすことももちろん忘れてはいません。
「ガゼットクロッチなど伝統ディテールはもちろん踏襲。別注で一番大事なのは、そのブランドらしさを損なわずにいかに遊ぶかだと肝に銘じていますから。たとえばアイコンのウェビングベルトを通常より27cm長めに、というアイデアもそんな考えから。流行りのガチャベルト的なタレ具合となり、いつものスタイルに洒脱なアクセントをつけてくれるんですよ」
腰ゆる先細のバギーズシルエット
腰や腿回りにゆとりをたっぷり取りつつ、膝下はキュ~~ッとテーパード。どんな体型も、穿くだけで即ド旬のスタイルに仕上がる。長めのウェビングベルトのアクセント効果も◎。
同系配色にもこだわった特製ウェビングベルト
通常、先端(ロゴ配置部分)が黒などで目立つグラミチのベルトを同系配色で大人に。また、ベルトを取り外せる&ベルトループを増設してるので、手持ちのベルトを締めることも可。
ビームス MD 上田哲平さん
1980年生まれ。広島店販売スタッフを10年経験後、店舗レイアウトをディレクションするVMDを経て現職に。グラミチをはじめカジュアルパンツのバイイングも兼任している。
(問)ビームス 原宿
TEL.03-3470-3947
http://www.gramicci.jp/
※表示価格は税抜き
[ビギン2017年10月号の記事を再構成]
写真/上野 敦、船元愛美(プルミエジュアン)
文/吉田 巌(十万馬力) 秦 大輔 いくら直幸 伊藤美玲 桐田政隆 安岡将文 黒澤卓也
スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/北村達彦