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siroca シロカの家電

白か?黒か?「シロカ」研究

かゆいところに手が届く機能を備え、かつ良質なデザインの家電を、手の出しやすい価格設定。で、なぜそこまでお手頃な商品を生み出すことができるのか? そんなコスパの秘密に白黒つけるべく本社を直撃。
 

お話をうかがった方

siroca シロカの商品開発部 小川大助さん
シロカ 商品開発部
小川大助さん

5年前に中途入社したのですが、同業他社とは異なるアプローチで勝負する意識を貫く社風に、私自身も大いに驚きました。

Q1.デザイン性が高いと評判ですが、そこにはどんなこだわりが?

A.誤解を恐れずにお話しすると、スタイリッシュかどうかはそれほど意識していないんです。

ただ「この家電に必要な要素は何だろう?」と考えたときに、優先順位の低い機能を省いてシンプルな操作性に落ち着くケースは多いですね。同じ機能なのであれば、なるべく小さい筐体で、ボタンも少ないほうがいいと考えておりまして。

社内に2名のデザイナーがいて密にやりとりができ、結果的にシロカらしいデザインと評価をいただけているのかもしれません。

Q2.ぶっちゃけ、なんでそんなにリーズナブルなの?

A.ありがとうございます(笑)。実は価格に関しても決して安ければいいと考えているわけではないのですが、モノの価値に見合った価格というのは心掛けているつもりです。

そもそも商品を企画する際にまず価格を決めているんです。ターゲットを想定して、社員の肌感覚も加味しながら、この商品であればこれくらいの価格で市場に出したいな、と。その価格を実現させるべく、部品の選定や機能の絞り込みを行います。

また、当社はファブレスメーカー(自社工場を持たない製造業)ですので、さまざまな工場とのコネクションを有しているのも強みだと思っています。この製品ならあそこの工場が得意で、これくらいのコスト感で製品化できるはずだという、経験に基づいたノウハウはフル活用しています。

Q3.ヒット作を連発中ですが、どうやって企画立案しているの?

A.繰り返しになりますが、小回りを利かせた商品開発のためにナマの声に耳を傾けています。小売店や、市場で売れ始めている製品に目を凝らし、こういうモノがあればいいなというニーズを拾って形にするようにしています。

例えば「おりょうりケトルちょいなべ」という商品の企画は、ビジネスホテルの現場から、湯沸かしケトルの修理の声をいただいたことがきっかけなんです。

どうして故障が頻発していたかというと、このケトルでインスタントの袋麺を作ってしまう人が一定数いたんですよね。それならいっその事「ラーメンが作れるケトルを作ってしまおう」という発想の転換をしてみたわけです。

siroca シロカの家電

それからアマゾンの商品レビューをはじめ、eコマースサイトのユーザーコメントはしらみつぶしにチェックしています。他社製品も含め、そこに大きなヒントが隠れていますから。ひとくちに「パンが上手く焼けない」という統計データがあったとして、その中身、たとえば焼きムラができてしまうなどの具体的なところまではわかりませんから。

手間も時間もかかる人海戦術で、歯に衣着せぬ意見に心が折れそうになることもありますが、それは次の製品に込めるとして。

そんなこんなで、「すばやきトースター」の開発では、営業やサポートを含めた全部門の社員が「高級トースターに欲しい要素」の意見を出し合い、実現するべき必須条件を掲げました。こうすることで結果的に社員全員が思い入れのある、自分ごととして製品化に邁進できたと思います。

振り返ってみると、我ながら泥臭いアプローチですよね(笑)。でも、当社の規模でいいモノを作るためには欠かせないんです。

【結論!】
必要最低限を追求した結果、デザインも価格もシンプルに!

 

2010年:累計台数120万台突破の大ヒット作

siroca シロカのホームベーカリー

他社のホームベーカリーがヒットし始めていた頃、機能を絞ることで低価格を実現し、市場全体を広げた。

 

2013年:ヘルシーブームの波に乗って、オーブンが大ヒット

siroca シロカのオーブン

油を使わないノンフライヤーが国内で大ヒット。実は同じ構造だったため、ノンフライで訴求しヒットに繋げた。

 


[ビギン2021年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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