特集・連載
名作スウェットに“W超長綿”が最強だった件!胸の刺繍も一味違う大人のスウェット
ブランド大研究2021 恒例「ブランド大研究」今年も開催! いつの時代でも揺るがない“ブランドの力オーラ=絶大な安心感”を持つ名作を、「なぜ便利?」「なにがすごい?」「比べてみて……」etc.とあらゆる角度で検証、“使える!!”をわかりやすく解説します。知られざる隠れ傑作から希少なレアモノまで、もれなく紹介。情報過多に惑わされずココから選んで、“買ってよかった~♡”を実感ください! この記事は特集・連載「ブランド大研究2021」#12です。
合わない服を探すほうが難しいグレースウェット。その永世定番たる、かの米国生まれの傑作を、“アメカジ”から“オトナ”へシフトするという難題に挑んだ、神々しいほど艶やかなスウェットをレポ!
素材にも編みにも入魂したグレースウェットの最高峰(オーベルジュ デザイナー 小林さん・談)
「“吊り編み生地じゃなけりゃいいスウェットじゃない!”みたいな風潮に“?”を浮かべたことが、このスウェットの出発点でした」。
飛ぶ鳥落とす勢いで信者数を増やすオーベルジュのデザイナー・小林さんは、昔から大のスウェットラバー。当然吊り編みの魅力についても重々理解しているそうで、
「やっぱりあのもっちり柔らかい風合いは素晴らしい。吊り編み好きが多いのも納得できるんですが、その反面現在ヴィンテージ界では、米国が生んだ某傑作スウェットが高騰中。シンカー編み機で編み立てられたゴワゴワな生地を使ったスウェットにも、根強いファンがいるんです」。
「かく言う僕もその一人。だったらシンカー編み機を使いつつも、最高級のコットンを採用することで、双方をいいとこ取りできるようなスウェットを作ろう!と思い立ったんです」。
そこで着手したのが素材選び。試行錯誤した結果、「スビンとピマという2つの超長綿をブレンドするのがベスト!」と導き出したんだとか。
「それを高速なシンカー編み機を使って肉厚に編み立てることで、狙った通りの生地感に仕上がりました。言うなれば赤ちゃんのほっぺ。ふっくら柔らかいのに、シルキーな光沢もある。この無二の生地を使って、あの某傑作スウェットとまったく同じ仕様で縫製すれば、ベタなアメカジを脱却できるんじゃないかなと」。
苦心したのはそうした生地作りだけじゃなく、胸の刺繍にも一家言あるそうで、「かのセルジュ・ゲンズブールのパートナーにして、英仏で活躍した某ファッションミューズが元ネタです」。
英国を代表するファッションミューズの“胸元〟からインスパイア
「彼女が見せたTシャツ姿をオマージュして、“Jet’aime”の文字を、胸の膨らみに合わせてあえて湾曲。平凡なカレッジロゴものとはひと味違う、大人の色気も薫るスウェットに仕上げられました」
教えてくれたのは
オーベルジュ デザイナー
小林 学さん
1998年に人気ブランド、スロウガンを設立。20周年の節目として2018年にベーシックを極めたオーベルジュもスタート。病的?(苦笑)なまでの服好きとして有名だ。
AUBERGE[オーベルジュ]
JANE 杢 グレースウェット
両サイドのリブパーツを見ると、ついアレを思い浮かべちゃいますが、触れば段違いにソフトでシルキー♡ ちょいエロな胸のロゴも、遊びが必要な大人スウェットの模範解答。3万1900円(ホワイト スロウガン)
since:2018
country:日本
男服の完成形が多い’30年~’40年代のヴィンテージを、日本の技術力を駆使しつつ、今の要素も盛り込んで再生する人気ブランド。“わかってる”を何より欲す玄人筋の間で、話題沸騰中。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。