スーツの達人に聞く洗濯の極意「クリーニングで汚れが落ちてると思ってませんか? “スーツも自分で洗う”が吉」

「愛用品は可能な限り自分で洗います」
麻布テーラー クレスト 店長
野間 剛さん
オーダースーツでお馴染みの同社の中でも有名な洗濯達人。
スーツから革靴まで身の回りのものは、なんでも自分で洗うのが身上とか。
【STEP-1】
水を張ったタライに
デリケート用洗剤を入れる
【STEP-2】
スーツを浸ける
エイヤ! の気持ちで!
【STEP-3】
押し洗いする
「ゴシゴシ揉み洗いは絶対NG!
優しく押し洗いが肝要です」
【STEP-4】
真水で4 回すすぐ
すすぎも優しく
【STEP-5】
大きめのバスタオルを
当てて乾かす
2枚でサンドする
ご覧のとおり、洗濯方法は意外と簡単。タライ(洗面所でもOK)に水と洗剤を入れてスーツを浸けたら、あとは優し~く押し洗い。あとは押しても泡が出なくなるくらい(目安は4回)すすぎ、タオルを当てて乾かせば完了だ。ただし、これはあくまで野間さん流。洗うかどうかの判断は自己責任で。
汗や皮脂汚れは
“ドライ”じゃ落ちない!?
普段着なら平素誰でも洗っていると思いますが、スーツとなると単にクリーニングに出してハイ、完了って人がほとんどなのでは?
野間さん曰く「大人にとってスーツは仕事道具。デリケートなアイテムですが、僕は1~2か月に一度は水洗いしています。というのもクリーニングに出しても、じつは汗や皮脂汚れといった繊維の奥に浸透した汚れはほぼ落ちていないんです。根本は解決してないってこと。表面はキレイだけど臭ってくる可能性もあります。
そこでオススメなのが、水洗いして乾かした後クリーニングに出す方法。上のように丁寧に押し洗いしてきちんと乾かせば、縮みの心配も少ないし、乾燥後のプレスはプロに任せればいいんです。手順を踏めば大丈夫。心まで洗われますよ」
【ビギン2017年8月号の記事を再構成】
写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人