球春到来~⚾ いろいろストレスが溜まってるし、今年こそ柵越えホームランをかっ飛ばしたいっ! そんな草野球人の夢を叶えるべく、進化が著しい軟式野球のバットを深堀りしていく待ちに待った!?なこの企画。2018年にA球からM球へと変わり重量や硬さが変化しましたが、そろそろ新球での草野球にも慣れてきましたよね。とはいえ、試合球が変わったことによって今までのバットをそのまま使っていていいのだろうか?なんて疑問も残っていますよね。そんな疑問を解消すべく、まずは野球用品の名店「イマイスポーツ」さんに、買い替えの必要性はあるのか?、最近の人気モデルを教えてもらいました!

強豪チーム御用達 野球用具の名店

【イマイスポーツ】
1964年創業の老舗野球用品店。強豪チームが足しげく通うほどの名店で、野球人の悩みや要望を豊富な知識や経験から数多く解決。品ぞろえもピカイチで、バットやスパイク、グローブの最新モデルはもちろん、リザードスキンのグリップテープは日本随一! ユニフォームのオーダーも行っており、今ままで手掛けた数は3000チームを超える。年間数千本のバットを販売しており、都内でも有数の人気店。

イマイスポーツ
香村一成

野球用具の名店「イマイスポーツ」で数多くの野球人の要望に応え続けている香村さん。
高校までは他のスポーツに励んでいたそうですが、卒業後、友人に誘われて草野球に参加し、野球の魅力に開眼。今では、プレーに留まらず、野球専門店のスタッフとして働くほどの野球好き。

M球対応バットに買い替えるべき?

-A球からM球に代わり、バットの進化はあったのでしょうか?-

今までのA球では、「いかにボールを潰さずに打つか」がポイントでしたが、ボールが硬くなり、硬式球に近づいたことで、潰れにくく変形からの戻りも早くなっています。加えて、球が硬くなったことで投手の球速や変化球のレベルもアップします。そんなM球に対応するために、各社が開発・研究を重ね、ボールに押し負けないようなバットへと進化していますね。
最近のバットの傾向としては、芯が以前に比べ、硬くなっています。例えばウレタンバットの、ウレタン部分の硬度成分が硬くなってきましたね。その分、反発力が増え、飛距離もアップするするようになりました。
そのほかにも、硬式に近くなったことで、カーボン製や木製などの強い打感を求める方も増えていますね。

‐変化に伴い、バットを買い替える方も多いですか?-

A球からM球に変わったことで、バットを買い替える方も多いですね。今までの軟式野球は、跳ねるという軟式球の特徴を生かした”タタキ”という技術がバッティングのセオリーとして行われていましたが、硬くなったことで跳ねにくくなり、バットにボールを乗せて押し出すような打ち方が主流となっています。言ってしまえば、”飛ばす野球”にシフトしてきたのかもしれません。
今までのウレタンの柔らかさでは、ボールにバットが負けてしまい飛距離が思うようにでなかったり、打感が重く感じることもあるんです。しかも、M球に対応したバットと以前のバットでは飛距離が2~3%変わってくると言われているので、各社がM球に合うように開発したバットに買い替える方が増えていると感じていますね。

とはいえ、草野球。楽しむためにやっている方も多く、人によってバットの好み、選び方は様々。
そこで、当店の売れ筋バット、ベスト3をご紹介します! 買い替えを検討している方はもちろん、初めて買う方も参考にしてみてください!

イマイスポーツ 売れ筋バットベスト3!

第3位 ローリングス ハイパーマッハ3


第3位は、振り抜きやすさ・軽量・バランスを追求し、テーパー部のしなりによる体との一体感を実現した、ローリングスの「ハイパーマッハ3」。
非常に軽くて扱いやすく、パワーに自信のない人にもオススメ。軽量モデルで、操作性に優れているのおり、ホームラン狙いというよりは、強い打球で内野の間を抜きたい!ヒットの数を増やして打率、出塁率を上げたい!なんて人に向いていますね。1番や2番を打っている人には特にオススメしたい一本です。

第2位 ミズノ ビヨンドマックスレガシー


第2位は、ミズノ複合バット史上、最高飛距離を謳うビヨンドマックスの最新作「ビヨンドマックスレガシー」。
従来と比べて細い芯形状を実現したことで、ウレタン部が肉厚となり、反発力がさらに高まっています。
とにかく飛ばしたい、という人はコレ。ウレタンバットのパイオニアの安心感もありますね。ウレタン部分はM球に合う硬度バランスを徹底研究し採用しています。

第1位 アシックス レガートゼロ


第1位は、空気の力で飛ばす、新構造のバット「レガートゼロ」。
軟式M号ボールのエネルギーロスを極限まで減らし、復元率100%の空気の反発力で飛距離を生み出す構造になっています。やや重めですが飛距離は抜群。いま一番新しい次世代のバットで、早くも人気になっていますね。中が空洞なので、中身が劣化しにくく、長くパフォーマンスを維持するメリットもあるんですよ。打感や相手投手のレベルに合わせて、空気圧を調整し、芯部分の硬さを変更できるのも人気の理由の一つです。

そもそも草野球はいつから始まったの?&バットの歴史

取材を進める中で、いち草野球人としては、そもそもバットの進化ってどんなんだろ? てな好奇心も浮かんできたもので……。
というわけで、バットの歴史についても教えてもらってきました!

-そもそも草野球はいつ頃から盛んになったのでしょうか?-

だいぶ歴史は遡るのですが、日本では大正時代から軟式野球は行われていましたが、草野球自体が流行したのは戦後。会社のレクレーションとしても人気が広まったみたいですね。
ちなみに軟式球は、子どもたちが安全にプレーできるように作られたもの。これが大人でも手軽にプレーできるということで、草野球の裾野が広がっていったのだと思われます。軟式野球は日本発祥のもの。アメリカや海外ではあまり行われていないないんですよ。

-軟式用のバットは最初どのようなものだったのですか?-

やはり、最初は木製ですね。子供たちが遊びでやっていたころには、木を自分で削った手作りのバットや素手で遊んでいたのですが、大会などが行われるようになってからは、現在のような木製のバットを使用するようになりました。
経験者ならご存知のように、中が空洞で、ヒッティングの際にボールが潰れる軟式球は、硬式球とバッティングのコツが違いますよね? バットも同じで、軟式用の木製バットは、ボールが潰れにくいよう、芯の部分をくり抜いて空洞に、ボールが潰れにくくして飛距離が出るようにしていました。一方、式野球の木製バットは、硬くて潰れない硬式球を強く打ち返すために、くり抜かれていません。原木を削ってできたバットを、ヘッドからくり抜き、空洞にしてヘッドにフタをする。こうした軟式バットの工夫は、進化の歴史の一つといえるかもしれませんね。

-次に金属製のバットが誕生したのですか?-

そうですね、次の大きな進化は金属バットの登場です。硬式、軟式の違いに関係なく、木製バットは折れます。つまり耐久性の観点から、折れないバットのニーズが高まったんです。そして1970年代から金属バットが流通し、打球の飛距離も上がり、機能としても進化しました。ちなみに当初は打球音がうるさいとクレームがあって、静音性も追求したそうです(笑)。
金属バットのなかでも、アルミ製や超々ジュラルミン製といったように、耐久性はもちろん、飛距離や、素材の観点からの進化が続いてきたわけです。

‐そこから、多くの野球人が使用しているウレタンバットの誕生に繋がるんですね-

そして次なる進化が、現在のトレンドへつながる2002年のビヨンドマックスの登場。変形の大きい軟式球を飛ばすべく、ボールではなくバットを変形させたらどうか?という発想の転換で、芯に柔らかいポリウレタンを使った高機能複合バットですね。すると従来の金属バットから反発係数が8%高まり、飛距離が大きくアップしました。
それから各スポーツメーカーがウレタン入りのバットを作るようになり、軽くて扱いやすく高反発なカーボンの導入など、ここ10年ほどで各メーカーの開発競争がより盛んになってきましたね。最先端のバットは高価で驚く人もいますが、素材や生産工程の複雑さが反映された価格といっていいと思います。じつは今では草野球という、競技レベルの低いカテゴリーの開発競争が一番盛ん。これは草野球の盛り上がりを示すことですし、野球をプレーする楽しさにもつながっている。久々にやってみようかな~という人にも、現代のバットでかっ飛ばす楽しさを味わってもらいたいですね!

強豪チームが足繫く通う! 野球用具の名店 イマイスポーツ

バットからユニフォームまで、野球に関するアイテムがすべて揃う野球用品専門店。
経験豊富なスタッフが揃っており、野球のことならなんでもおまかせ! 野球好きのグッズ、リザードスキンのグリップテープの品揃えも日本随一! 紹介したバット以外にも数多くのバットを取り揃えているため、自分の一本を見つけに足を運んでみては?
住所:東京都目黒区上目黒-16-16
営業時間:10:00~20:00
定休日:火曜日
☎03-3712-5556
http://www.imaisp.co.jp/


写真 / 丸益功紀 文 / 桐田政隆

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