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日本人ならではの視点で構築し、ベーシック服をより日本のスタイルに合うアイテムに。そんなモノ作りを実践する賢人のなかでも、休日のド定番服・ジーンズに画期的な変化をもたらした2大巨頭に語ってもらいました!
 

語ってくれたのはこの方々


左/リゾルト デザイナー 林 芳亨さん 中/ウエアハウス 塩谷健一さん 右/ウエアハウス 塩谷康二さん

「どんな体型の人にも最良のシルエットを」
―リゾルト デザイナー 林 芳亨さん

林 芳亨さん(以下:林) この3人で対談というのは、ものすごいレアやね。塩谷さんたち、なかなか出てこないから(笑)。

塩谷健一さん(以下:塩谷健) 今日は大先輩と対談ですからね。早速本題に入りますけど、リゾルトと、ウエアハウスのセコハンシリーズは、裾上げ不要というのが共通点です。でもコンセプトは違っていて、林さんが重視しているのはシルエットですよね?

 そうです。ウチの710はいわゆる66モデルがベースとなった、テーパードの利いたスマートなシルエット。これを誰でも美しいシルエットで穿けるよう、各ウエストサイズに対して最大8サイズのレングスを用意しています
 

リゾルトのLot.710

RESOLUTE[リゾルト]Lot.710

塩谷康二さん(以下:塩谷康) 裾幅が細いほど、裾上げがシルエットに響いてしまいますからね。

 裾を長く切るほどに裾幅が太くなってしまい、理想とするテーパードシルエットが崩れてしまいます。だから、脚が長い人でも短い人でも綺麗に穿けるよう、裾幅はすべて統一したうえで、レングスに合わせてそれぞれパターンを起こしているんです

塩谷康 徹底してますね。

 710はウエストが26~40、レングスは28~36インチやから、これだけで87パターンにも。だからどんな体型でも、最良のシルエットで穿けるというわけです。

塩谷康 じつは昔のアメリカでは、そうした販売手法をとっていたんですよね。

 そもそも’60年代くらいまでアメリカではジーパンが雑貨店などで売られていて、裾上げという概念がなかったんです。だから、各ウエストサイズにレングスが用意され、自分でちょうどいいのを選べた。それが効率化を図るなかで、裾を切る形式になったんです。

左/ウエアハウス 塩谷健一さん 右/ウエアハウス 塩谷康二さん

「切らずに穿けるヴィンテージを作りたかった」
―ウエアハウス 塩谷健一さん 塩谷康二さん

塩谷康 うちのセコハンも、ジャストレングスでこそ映えるテーパードシルエットというのは、共通しています。

塩谷健 僕らのは、“裾上げせずに穿けるヴィンテージデニム”がそもそものコンセプト。ヴィンテージの味のひとつである、裾のアタリを切らずに穿きたいという発想からスタートしているんです

 アメリカ人は脚長いからね。古着は裾上げしないと穿けへん。

塩谷康 そうなんです。平均的な日本人体型だと、ジャストサイズの古着にはまず出会えない。とはいえ、裾上げすると一番美味しい部分である裾のアタリを切らなくてはいけないばかりか、元のシルエットも損なわれてしまう。そこで、リアルな色落ちと日本人がカッコよく穿ける「ジャストレングス」を追求しています。
 

味のある縄目状の裾のアタリを生かして穿ける

ウエアハウス 塩谷健一さん
ウエアハウスの2nd hand Lot.1101

 たしかに裾の部分、斜めのいいアタリが出てるわ。

塩谷健 1950年代のアメリカで使用されていた工業ミシン・ユニオンスペシャルで裾にチェーンステッチを掛けているので、穿き込むと強い縄目状のアタリが発生するんです。

 ここまで色落ちさせるには、毎日穿き続けても2~3年はかかる。夏場も暑いのを我慢して穿かないと、この味は出せません(笑)。

塩谷康 本来は穿き込んで育てるのが醍醐味なんですが。

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