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ここでは選りすぐりの“服飾博士”なデザイナーに、「これぞ10年選手」たるアウター自薦を依頼。ついついこだわって、作り込みすぎてしまった!?力こぶの数々を、手紙にしたためるかのように独白してもらいました! 今回はナイジェル・ケーボンのデザイナー、ナイジェル・ケーボンさんイチオシのアウターと制作秘話をご紹介。

Nigel Cabourn[ナイジェル・ケーボン]
40’sクリップジャケット

Nigel Cabourn ナイジェル・ケーボン 40'sクリップジャケット

衿に露出するボアライナーが特徴のデッキジャケット。操作しやすいフロントの通称ファイヤーマンクリップは戦時中にも活躍した意匠。9万4000円。(アウターリミッツ)


 

デザイナー直筆メッセージ

ナイジェル・ケーボン直筆メッセージ
「独創性とクオリティを追求した本物は、 未来のヴィンテージになる」

ナイジェル・ケーボン デザイナー ナイジェル・ケーボン


ナイジェル・ケーボン デザイナー
ナイジェル・ケーボン

1949年生まれ。英国出身。ミリタリーやワークウェアなどのヴィンテージコレクターとして知られ、そのディテールや生地からインスパイアされたウェアを展開する。

米国のヴィンテージ、N1デッキジャケットを下敷きにしたアウターです。主に1940年代のUSネイビー(海軍)が船の甲板上で着用していたN1システムを構成するなかのジャケットで、冷たい海風から身を守る作業着として開発されました。

オリジナルのN1デッキジャケットは防風性と防水性に優れた生地が特徴です。だからこちらもコットン製のデッキコードクロスにこだわりました。寒風を防ぐべく高密度に織られているぶん、染料が入りにくく、ジッガー染色機という特殊な染色機を用いています。

これは並行する2本のロールに生地を巻き付け、生地にテンションをかけた状態で染色を行うというもの。高密度組織に対し、無駄のない少ない量の染料を用いて濃色をしっかり入れることができます。

Nigel Cabourn ナイジェル・ケーボン 40'sクリップジャケット

一方で染料の量が少ないため助剤の量、またそれを入れるタイミング、温度管理などで仕上がりが変わるため、ブレやムラが生じやすく、職人の経験値と勘が不可欠です。その点、この一着は何十年後、どこに出しても恥ずかしくない出来栄えです。

内側にはアルパカ混紡のウールボアを。これもオリジナルと同じく保温性を確保するための仕様で、衿裏にまでたっぷりあしらっています。

丈がショートなのは甲板上で機敏に動く必要性から……とディテールを語り出すと自分でも止められないくらい作り込みました。ぜひ次世代のヴィンテージとして育ててほしいです。
 
※表示価格は税抜き


[ビギン2020年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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