ミリタリー界随一の無骨で洗練されたデッキジャケットの完成形
寒風吹きすさぶ甲板の作業を支え、街にもすんなり馴染む米海軍のデッキジャケット。この名作もやっぱり、3代目のデキが重要でした!
デッキジャケットも3rdが完成形だった!
左上/1st 中央/3rd 右上/3rdの後継
Gジャンは、1st、2ndまでは作業用ウェアだったけど、3rdになって街着としても浸透していきました。これと同じようにUSネイビーの名作、デッキジャケットも3rdが秀逸。
1944年誕生の1stは、海上のカモフラになるネイビー。ただ地上戦に突入する際、ネイビーは目立ちすぎるため、2ndでオリーブに変更。
そして3rdでは表地の風を通しにくくタフなコットングログラン(通称ジャングルクロス)はそのままに、余剰なディテールを取り除き無骨で洗練されたデッキジャケットが完成しました。
ファッションとしても、ミリタリー界随一の合わせやすさと相成ったワケなんです♪
1stは海上のカモフラ想定、ダークネイビー
背面にはU.S.NAVYのリフレクターステンシル
1944年誕生
N-1 1st
甲板作業員用に防寒、防風、防水性に富むジャケットとして開発。身頃から袖まで、アルパカウールパイルのライニングが施されていた。1945 年に2nd誕生。オリーブに変更。
袖口までびっしり!なアルパカウールパイル
洗練された機能美と無骨さを兼備
スマートな小衿もぬくぬくパイル付き
1940年代後期誕生
N-1 3rd
袖口のパイルの省略、オーバーパンツ留めのベルトループなども廃止されたミニマル傑作。表地は、1stから続く耐久性に優れた太畝のコットングログランで、無骨さも味わえる。
素材を替えてスリムに軽量化
1960年誕生
A-2
N-1の後継のA-2。表地はバックサテン、ライニングはアクリルボアに変更され、軽量化が図られた。新たに胸ポケが加わっている。
miniタリーコラム
通好きにササる“ブラックデッキ”!?
デッキジャケットは’40年代初頭から2型を開発していた。ともにブラックに近いネイビーで、ジップ、フックの前立てが特徴。N-1よりミニマルな空気感があり、市場価値も高めだ。
デッキジャケットの最初期型DECK ZIP
錆びるジップを改良した後期のフックタイプ
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。