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昔から名品とされるグルカのバッグ。でも、なんでイイ、なんで高いのか? 明言できる人はほぼいないでしょう。この度はその真実を知るため、日本上陸当時からグルカを知るシップスのレジェンド・雨宮氏のもとを訪ねました。

GHURKA グルカ
No.5「エグザミナー」商品画像

GHURKA
グルカ
No.5「エグザミナー」

グルカ兵の古い革製品を目指して開発された“グルカレザー”と堅牢なコットンツイルのコンビネーションによるブリーフケース。グルカを象徴するモデルといえばコレ。W40×H28×D9cm。14万円(シップス 銀座店)
 

過酷な戦地を70年生き延びた鞄を再現

前身であるミウラ&サンズを経て、シップス 銀座店がオープンしたのは1977年のこと。その時からグルカを仕入れてました。「靴はコール・ハーン、バッグならグルカ」というのが当時の洒落者の合言葉でしたから。

ただし、その頃はグルカではなくトラファルガーと呼んでいました。というのも、当初グルカはレザーメーカーであるトラファルガー社の鞄シリーズの名称だったんです。それがのちに独立してブランドになりました。

トラファルガーは1975年にアメリカのコネチカット州ノーウォークという町で創業されたメーカーで、主役であるグルカのバッグのほかにベルトや革小物を作っていました。

製作は東ヨーロッパ系の熟練職人を集めて少数精鋭で行われていたと聞きます。現在も熟練者が多くの手作業を駆使して作っていて、それがグルカのバッグの圧倒的な丈夫さを生んでいます。

グルカの名は、1970年代の初めに創業者のマーリー・ホッジソンがロンドンのオークションで出会い、感銘を受けた古い革製品が、グルカ兵将校の愛用品だったことに由来します。

その革製品は50年以上の時を経ているにもかかわらずとても堅牢で美しかったため、彼はその素材を再現しようと心に決めました。そして、数年間の試行錯誤の末、完成したのがグルカのバッグだったというわけです。

時代遅れな感じがまったくしない、知的で男らしい鞄

私もNo.5を1970年代の後半に購入してオンオフ問わず使い続け、丈夫で長持ちすることを身をもって体験。生地はくたっとなりましたが、けっして壊れませんでした。No.5の魅力をひと言で言うと、やっぱり“長く使える”に尽きるんじゃないでしょうか。

そこには2つの意味があって、今言ったモノ自体の堅牢さに加え、スタイルも普遍的で完成されています。もちろん、内ポケットの追加など細かな点での変化はありますが、基本デザインはまったく変わりません。それは変える必要がないからでしょう。

今見ても時代遅れな感じがまったくしないうえ、タイドアップしたスーツスタイルにもカジュアルスタイルにも合う。アメリカントラッドが好きな人が、そのスタイルに似合うバッグを追い求めると、やはりグルカということになるでしょう。

派手さがなく、作りがよくて、エイジングも楽しめて、ブランド自体も知る人ぞ知る。知的で男らしい鞄だと思います。

GHURKA グルカ
の広告や店頭ポスター
広告や店頭ポスターに使用されるグルカのビジュアル。優雅な大人の旅を想起させる上品なイラストに、ブランドのクラス感が滲む。

アメリカ製品ならではの実用性の高さも魅力

アメリカ製品ならではの実用性の高さも魅力です。英国のフィッシングバッグなどと指向性は似ていますが、普段の使い勝手を考えるとグルカのNo.5に軍配が上がります。

本体の分厚いコットンツイルはゴム引き素材に負けない強度がありながら、時を経てもゴワゴワするといったことがありませんし、オールレザーのバッグのように重くないので使いやすいんです。

現在はNo.5にもオールレザーのタイプが存在しますが、初めて買うならやっぱりコンビがオススメですね。カーキのツイルとレザーの色みのバランスが絶妙ですし、なにしろグルカに関しては“コンビのほうがオリジン”ですから。

“一生使う前提”。だから値も張る

価格については、コンビ素材のバッグとしては値が張るものだと思います。その感覚は昔から変わりません。当時、メンズの展示会などでグルカのバッグを持った人は高級メンズショップのバイヤーというイメージでした。

しかし、グルカは単なるステータスシンボルではなく、裏付けのある価値を備えたバッグ。本当に何十年も使える丈夫さと普遍性を考えれば、けっして高くないと思います。

接客に際してお客様には「長く使えばわかりますよ」と言ってきましたが、それは大袈裟な言葉ではありません。グルカのバッグには昔から一個一個にシリアルナンバーが付いていて、買った人に対してメーカーが責任を持つという姿勢を表明しています。それこそ真の一生モノだという彼らの自信の表れだと思います。

だから一大決心をして買っても、10年で元をとったと感じるはずですし、20年で得をしたと思えるはずです。誰もが気軽に買える値段じゃないからこそ、買って愛用した人が得を実感する、そういう価格なんだと思います。

グルカと一緒に歳をとることは、モノ好き男の特権

最後になりますが、グルカのNo.5とはオールデンのプレーントウ、ブルックス ブラザーズのBDシャツやブレザー、それらと肩を並べるアメリカントラッドを体言する逸品だと思っています。

オールデン、ブルックスを買って、なんでグルカは買わないの?とも思うわけです。今からでも遅くない。グルカと一緒に歳をとる。モノ好き男の特権を楽しむべきですよ。

20年モノ

GHURKA グルカ
No.5「エグザミナー」 色違い商品写真

シップス 銀座店 スタッフ 雨宮教夫さんイラスト画

シップス 銀座店 スタッフ
雨宮教夫さん

シップスの前身であるミウラ&サンズのオープンを知るレジェンドスタッフ。シップスのトラッドを語らせたら右に出る者はいない、業界の誰もが一目置く存在だ。

 
※表示価格は税抜き


[ビギン2019年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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