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第二次世界大戦時における米英の代表的カモフラ

ダックハンターカモ
ダックハンターカモ
コロンビア ブラックレーベルのマウンテンパーカ4万8000円(コロンビアスポーツウェアジャパン/TEL.0120-193-803)

 

ブッシュストロークカモ
ブッシュストロークカモ
ロイヤル ネイビーのジップアップブルゾン4万2000円(ユナイト ナイン/TEL.03-5464-9976)

 

一方、連合軍側の主軸であった米英のカモフラは、どうだったのでしょう? まずアメリカは1944年から本格的にダックハンターカモを採用。しかし、ノルマンディー上陸作戦時にドイツ軍と間違えられて誤射が相次いだことから、陸軍のダックハンターカモはすぐに回収されてしまったのです。当時、余剰品として放出されたこの迷彩服を鴨猟の愛好家たちが好んで着たことから、ダックハンターという通称が生まれたそうです。

イギリス軍はアメリカ軍に先立ち、1941年に空挺隊専用のカモフラを採用。幅広のハケで描いたような模様のため、ブラッシュパターンと呼ばれています。パラシュート降下の際に装備品が風に飛ばされないよう、体をすっぽり覆う被服に採用されました。このカモフラをデザインしたデニソン大尉にちなんで、デニソン・スモックと呼ばれました。写真はオレンジ系ですが、グリーン・ブラウン・ベージュ・黒の4色によるブラッシュパターンが、イギリス迷彩と呼ばれています。

 

ベトナム戦争以後に進化したカモフラ

今でこそカモフラと言えばアメリカ軍というイメージが強いのですが、先述したノルマンディー上陸作戦における誤射が原因となり、その後約20年間もアメリカ軍では多色使いのカモフラを採用していなかったのです(一部の例外は除く)。そんな状況を一変させたのがベトナム戦争でした。ベトコン(南ベトナム解放戦線)が展開したゲリラ戦に苦戦していたアメリカ軍は、リーフパターンやタイガーストライプといった迷彩服を次々と投入しました。

ベトナム戦争から撤退したアメリカでしたが、その後も世界中の紛争地域に軍事介入を続けました。そうして、1981年にはストリートの定番カモフラであるウッドランドパターン、1985年には砂漠地域用として有名な6色デザート(別名:チョコチップ)パターン、1990年には3色デザート(別名:コーヒーステイン)パターン、2001年にはいわゆるデジカモと呼ばれているMCデジタルパターンなど、続々と進化した迷彩を投入し、カモフラ=アメリカ軍というイメージが醸成されたのです。

また、米国以外でもグラフィカルなスカンジナビアンカモや、フランス空挺部隊が参加した秘密軍事組織OASのリザードカモなど、世界各地でユニークな迷彩が生み出されてきました。そして戦争が終わると、余った迷彩服が民間に放出され、注目を集めるようになるのです。それゆえ、多くのファッションブランドがカモフラを取り上げ、街で人気になることは、ある意味では平和の証なのかもしれません。また、ほとんどの迷彩パターンが著作権フリーであることも、少なからず影響しているでしょう。

※表示価格は税抜き

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撮影/若林武志 構成・文/川瀬拓郎 スタイリング/榎本匡寛 イラスト/田中 斉

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