12年モノ！ソメスサドル エグゼクティブ スリムダレスバッグ ご長寿 傑作モノ図鑑 vol.18

12年モノ

ソメスサドル エリアマネージャー
鳥屋浩己さん

社歴16年。百貨店卸営業担当を経て、直営店の売上管理や店舗スタッフのマネジメントなどを担当する現職へ。革製品全般を愛するコレクター。

「レザーの手入れはスキンケアと一緒。
月イチの正しいメンテで風格がアップ」

日本唯一の総合馬具メーカーといえば、北海道に本社を構えるこちら。なかでもダレスバッグは看板商品で、鳥屋さんの私物は社長が使われていたのを譲り受けたお宝なのだそう。ドイツのタンナーによる植物タンニンでなめした型押しレザーは堅牢で摩耗に強く、伸びが小さいので型崩れしにくいのがウリ。口枠と本体が手縫いしてあるため強度があり、口枠の歪みも少なく長期間の使用に耐えられるスペックを誇ります。

これまで重要な商談時に使用してきた鳥屋さん曰く、「レザーの成分は人の肌と同じなので、手入れはスキンケアと一緒」とのこと。バッグ全体をブラッシングした後、クロスにレザーワックスを少量取り、薄くのばして馴染ませてから再度ブラッシング。最後にクロスで乾拭きをして余分な油分を拭き取って終了なわけですが、仕上げはやや強めの力で磨くことで、保湿成分を馴染ませる効果があるようです。ちなみに、ブラシとクロス、レザーワックスはすべて自社のオリジナル品を使用。

こうした手入れを月イチで続けた結果、レザーは適度な硬さを残しながら柔らかくなり、日焼けした部分の濃淡が味わい深くなりました。「新品時のレザーは本当の意味では未完成。3年ほど経って、初めて本来の魅力が引き出せたのではないかと思います」と、クラシックな佇まいをアピールするには、正しいメンテナンスが不可欠であることを見事に証明してくれました。

ハンドルは丁寧な縫製によって、ハードな使用にも耐える堅牢な作り。長年の使用で変形したコバが、ハンドルに同化するように馴染んでいる。

ダレスバッグならではの錠前は、金属部分が摩耗し小さな傷が付くことで味わい深く変化。経年変化したレザーの魅力を引き立てている。

現行品はこちら

エグゼクティブ ダレスバッグ
ナチュラルな質感を残すため、最低限の加工にとどめた最高品質の植物タンニンなめしレザーを使用。

11万円

(問)ソメスサドル青山店
☎03-5464-2555
http://www.somes.co.jp/

写真／武蔵俊介　文／トライアウト