十人十色の一生モノ
「ラコステ」ポロを100回リピートも!? ファッション業界レジェンド4人が“リピ買い”する名品
トレンドの最前線に身を置き、日々新たなモノに触れている方でも、当然ながら、長年手放せないモノや、何度もリピート買いしているモノはあるものです。なぜそれを愛し続けてきたのか? 彼ら賢者のコメントから、一生モノを入手するヒントを見つけてくださいませ!

業界レジェンドが特別に蔵出し!
ついつい買い足す、究極のリピ買い名品
思い入れの強度が激高で、どうしてもリピート買いしてしまう個人的名品。重鎮の皆様が特別に教えてくれました!
「最初は懐疑的だったけれどいつしかトリコになっていた」

玉木 朗さん
アメトラ&アメカジ博士 セプティズ 代表
国内外の良品を厳選する三軒茶屋のセレクトショップ「セプティズ」のオーナー。アメカジに造詣が深く、業界内における師匠的存在として知られる。ギターボーカルを担当するバンドメンバーでもある。
10代後半に初入手して以来、50年の付き合いになるラコステのポロ。ただ正直にいうと若い頃からゴリゴリのアメカジ派だったから、ワンポイントポロといえば、米国マンシングウェアのペンギン一択で、フランス生まれのワニには、大して惹かれていませんでした。
それが一転、ドハマリしたのは、IZOD(アイゾッド)がきっかけ。青いワニとドロップテールが象徴的な、この米国製ラコステポロの登場で一気に火が着きました。1975年頃から今まで、欧州製や日本製まで合わせると、少なくとも100枚はリピートしています!
僕も長いことこの業界にいますが、流行がいろいろ移り変わっても、ラコステのポロだけは、常にコーデの一角を占め、一度もその舞台から降りたことがない。その普遍性が、なによりの魅力ですね。
ラコステのポロシャツ

約100回リピ買い! の一生モノ
各色所有しているが、ネイビーが一番好みとか。本品は1985年頃にシカゴのデパートで購入したIZODラコステのポロ。じつはネイビーには緑色のワニが正解なのだが、本品には青色のワニが! おそらく希少なエラー品。
「職人さんへの信頼で出来上がった、僕のトレードマーク」

本江浩二さん
オヤジの着こなしのご意見番 Pt.アルフレッド 代表
1994年にオープンした恵比寿の老舗セレクトショップ「Pt.アルフレッド」のオーナー。長く付き合える定番を見極める審美眼で、業界内外に多数のファンを抱える。オリジナルのチノパンは特に著名だ。
10年近く前に、たまたま訪れた展示会の片隅で見つけて一目惚れ。以来、幾度となく別注もお願いしている「ブルーブックスコー」のセーラーハットです。とにかく、被ると心地良いほどしっくりくる。頭の形ってじつはイビツ、だから帽子の形もそれに合わせるべきという発想で作っているからなんですね。個人的にも12~13個は購入。しょっちゅう被っているので、もはや僕のトレードマークかもね。
作っているのは京都の帽子職人。ウチから色々と生地を送って、別注品も作ってもらっていますが、なにしろ一人親方なので無理はいえません。マイペースにやってもらってます。秋に向けては、Pt.アルフレッドのチノパンとウェポンデニムで使用している生地で何回目かの生産をお願い中。ま、気長にお待ちください(笑)。
ブルーブックスコーのランダムセーラーハット

約13回リピ買い! の一生モノ
以前にPt.アルフレッドで別注したパンツやジャケット等と同じ生地で製作した、セーラーハット。左2つは現行のオフホワイトのコットンツイルハットと、ライトブルーのシャンブレーハット。各1万5400円(Pt.アルフレッド)
「ルノア時代から愛してやまないアンティークな佇まい」

岡田哲哉さん
“世界一の眼鏡店”のボスグローブスペックス 代表
都市銀行、大手眼鏡販売会社勤務を経て独立。1998年渋谷に「グローブスペックス」を創業。イタリアで開催される眼鏡の見本市「MIDO」にて、2017年と2018年の2年連続で世界一の眼鏡店に選出される。
長きにわたって気に入っているのが、ドイツの眼鏡ブランド「ルノア」の創業者かつ元デザイナーで、2017年からは自身の名を冠したブランドを率いるゲルノット・リンドナー氏の一山式眼鏡。ウチが創業する3か月前、1998年1月にドイツのシュトゥットガルトで彼のコレクションに惚れ込んで以来、20本以上は購入してきました。
鼻梁の上にブリッジを直接載せる一山式眼鏡といえば、アンティークで見かけるものであり、今どき掛けられる眼鏡じゃない、そんな思い込みを彼のコレクションが一蹴してくれましたね。繊細な造形美、スターリングシルバーの風合い。しかも掛け心地は快適そのもの。ブリッジ全体で重量をバランス良く分散するからか、スターリングシルバー製でもさほど重さを感じない。本当に見事です!
ゲルノット・リンドナーの一山式眼鏡

約20回リピ買い! の一生モノ
すべて岡田さんの愛用品。上から1~2番目はルノアのもの。上から3~5番目に鎮座するのが「ゲルノット・リンドナー」ブランドの製品だ。「GL-106(写真中央)」。17万1600円(グローブスペックス エージェント)
「差し色になるし失くす心配もない、唯一無二の存在感」

綿谷 寛さん
ビギンでもお馴染みの“画伯” ファッションイラストレーター
ドレスクロージングで見せるマジタッチから、漫画風のコミカルタッチまで。幅広い画風で知られる、業界随一のファッションイラストレーター。ビギンでも「トラッド潮流通信」を連載中。
特に思い入れが強いのは、ゴルフ傘。通常はゴルフの際に使用されるものなのですが、僕は日常的に雨傘として愛用しています。初代は42年前に香港で購入した英国製の、椅子にもなるタイプのもの。かなり派手なマルチカラーですが、ダークスーツなんかに合わせると、むしろ差し色が利いてイイ感じに見えるんですよね。
それに、置き忘れそうになると誰かが必ず声を掛けてくれるし(笑)、シャフトが太くて重厚すぎるからか、心ない人に盗まれそうになったこともありません。頼れる相棒でしたね。
ただ、生地だけはどうしても傷みが激しくて。10年前に2代目となる英国製のゴルフ傘を購入しました。だって、とっても忘れっぽい僕のそばを離れず、ずっと一緒にいてくれたんです。リピートせずにはいられないでしょう?
英国製のゴルフ傘

2回リピ買い! の一生モノ
右/42年前に香港で購入したシートステッキタイプのゴルフ傘。英国製ではあるが、ブランドは不明。左/約10年前に購入した英国王室御用達の傘メーカー「ブリッグ」のゴルフ傘。「ナウのれん」取材で訪れたイタリアで購入。
※表示価格は税込み
[ビギン2026年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。
