孫の代まで引き継ぎたい[100万円の腕時計]

ウォーホルも絶賛したカルティエの傑作「タンク」のエレガンスとコーデ提案

時計の値段は高まるばかり。その中から100万円の縛りで、未来のヴィンテージとなりうる最高に価値あるモデルを厳選紹介するのが本連載の趣旨。今回は、世界屈指のジュエラーにして、腕時計というジャンルの開拓者でもある超名門がまさかの降臨! カルティエの傑作角形時計「タンク」には、100万円チョイで狙える自動巻きモデルがまだ存在していたのです。

カルティエ 「タンク マスト」ウォッチエクストララージモデル

時計の表裏
色褪せることのない不朽のモダニズム時計

「タンク」の誕生は1917年。この美しい角形デザインは、優れた芸術家にして生粋のモダニストだったルイ・カルティエによるものです。

そもそも彼が2004年にエドモンド・ジャガー(ジャガー・ルクルト創始者)と作った世界初の本格腕時計「サントス」も角形。懐中時計は丸形だから、発展形である腕時計も丸形にしたほうがたやすかったはず。でもルイは常識に縛られず、スタイルの美しさや新しさにこだわる人物。実際、カルティエの初期腕時計は樽形の「トノー」、亀の甲羅の形に似た「トーチュ」と非丸形ばかりです。

カルティエ 「タンク マスト」ウォッチエクストララージモデル
カルティエの時計100万3200円(カルティエ カスタマー サービスセンター) カナデモノの額5500円(カナデモノ ヘルプセンター) ※その他は次ページを参照ください。

なお「タンク」のケースは、第一次世界大戦において英国軍が史上初めて投入した戦車(タンク)がモチーフ。ルイは欧州にやがて平和をもたらすことになる戦車に衝撃を受け、キャタピラーのように正方形の縦2辺を延ばしてラグとする意匠を考案したのです。

この直線基調なデザインは相当時代の最先端を突っ走っていたようで、上流階級の間で大ヒット。新たな芸術様式アールデコの先駆けにもなりました。以後多彩なバリエを生みながら、各時代のセレブを虜にしていったわけです。

と、そんな大傑作シリーズゆえ、時計が高騰を続ける今、クォーツならまだしも、機械式で100万円で狙えるモデルはないかと思いきや……唯一存在しました。それがご覧の「タンク マスト」の自動巻き。ルイの美学を本格的な機械式で味わいたいなら、今のうちに手を打っておきましょう。

研ぎ澄まされた美しさに潜むダンディズム

カルティエ 「タンク マスト」ウォッチエクストララージモデル

CARTIER[カルティエ]
「タンク マスト」ウォッチエクストララージモデル

2021年に誕生した「タンク マスト」は、初代「タンク」から継承される研ぎ澄まされた美しさと、1970年代に誕生した、メゾンのラグジュアリーなデザインコードを再解釈した「マスト」のエレガンスを併せ持つ。「タンク」の中核をなす存在で、最もシンプルにこの傑作時計の魅力を伝えるコレクションだ。その中で自動巻きを搭載するのは現在このエクストララージサイズのみ。これより小さなサイズだと、クォーツ、もしくは光発電ソーラービート ムーブメントとなる。自動巻き。41 × 31mm。SSケース&ブレス。 100万3200円(カルティエ カスタマー サービスセンター)

カルティエ 「タンク マスト」ウォッチエクストララージモデル

“この時計は身につけることに意味がある”──アンディ・ウォーホル

この時計は身につけることに意味がある
アンディ・ウォーホルは、「時間を知るためではなく、身につけることに意味がある」と「タンク」のデザインを絶賛し、ゼンマイさえ巻かずに着用した。なお現在カルティエは多くの時計で斜めに傾いたローマ数字インデックスを採用するが、そのどこかにCARTIERの文字が隠れている。こういう遊び心も小粋!
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