【涼を呼ぶ民藝家具】柳宗悦みずから設計した代名詞的スツール

519型長スツール

日本には昔から、目で、手で、音で涼を取り入れる知恵がありました。どれも暮らしの中にすっと入り込み、夏を心地よくしてくれるものばかり。そうした日用品の中に美を見出してきたのが「民藝」です。職人が丹精込めて作った日常の道具たちは、暑い季節の食卓や部屋の景色を涼やかに整えてくれるんです。

約90年民藝を見守る
松本民芸家具のラッシ編みスツール

【植物で編まれた座面が涼を呼ぶ名作椅子】

民藝の家具なんて聞くと、どっしり重厚なものを思い浮かべがちですが、じつは見た目も座り心地も涼しいスツールが存在するんです。

それが松本民芸家具のラッシ編みスツールです。松本民芸家具といえば、柳 宗悦の民藝思想を体現する家具ブランド。その代表作のひとつに数えられるスツールは、職人が水辺に育つフトイを撚りながら、一列ずつ編み込むラッシ編みで作られた座面が最大の特徴です。さらっとした感触の座面は通気性にも優れ、座り心地もしなやかでほどよい弾力があります。

格子状に編まれた座面は頑丈そのもの格子状に編まれた座面は頑丈そのもの

このスツール、もともとは1949年頃に柳 宗悦が日本民藝館の立礼式の茶会で使うために設計し、現在も同館で使われているもの。ラッシ編みの座面のおかげで夏の部屋にもすっとなじみ、涼しい空気を運んでくれます。

しかもその背景には職人の手仕事と民藝の思想が息づいている。軽やかな見た目と由緒ある成り立ちをあわせ持つ点もまたこのスツールの魅力です。

柳 宗悦みずから設計した民藝家具の代名詞

519型長スツール

ジ インターナショナル アート コレクションのTシャツ2万2000円(ノウン) ビームス プラスのパンツ3万5200円(ビームス プラス 原宿)

松本民芸家具
#519型長スツール

複数人で座れる横長タイプ。フトイを編み込んだ座面は使い続けるほどに艶が増し、飴色へと変化する。フトイは生産者の減少によって確保が難しくなったため、現在は長野県で自社栽培したものを使用している。W106 × D43 × SH34cm。27万2800円(花森家具)

514型ラッシスツール

松本民芸家具
#514型ラッシスツール

こちらは一人掛け。ゆるやかにカーブした座面は座り心地を和らげる工夫で、脚の角を落とした面取りには触れた際の感触を優しくし、見た目を軽やかにする役割がある。W42 × D33 × SH34cm。11万8800円(花森家具)

伝統的な家具作りを貫く松本民芸家具とは?

伝統的な家具作りを貫く松本民芸家具とは?

1947年に長野県松本市で創業した民藝家具の代表格。その歴史は創業者の池田三四郎が暮らしの中で使われる丈夫で美しい家具を志したことに始まる。和家具の木工技術と西洋家具の構造美を取り入れ、無垢材を用いた椅子や棚、テーブルを製作。華美な装飾を用いず、素材や構造、使い心地のよさから生まれる用即美を家具で体現してきた。

花森家具

 
安らぎの伝統的家具を提案する「花森家具」
ラッシ編みのスツールをチェックするなら、この店。静岡に4店舗、東京・目黒に1店舗を構えるインテリアショップは、松本民芸家具の国内随一の品揃えを誇る。
 
住所:東京都目黒区目黒3-1-8
営業時間:11:00〜18:00
定休日:火・水
電話番号:03-5725-7830

 
※掲載商品はすべて数に限りがあります
※表示価格は税込み


[ビギン2026年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

Begin 2026年7月号の表紙

Begin 2026年7月号

これからの涼品名鑑

定価820円(税込)

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