【仕事服の最適解】ベテラン編集者がもしもフレッシャーズに戻ったら、どこで何を買う?

もしも、僕らがフレッシャーズに戻ったら、どこで何を買う?
かつてビジネススーツは、規律を重んじるための画一的な“制服”でした。正統派からクールビズ、そして劇的カジュアル化へ。装いの基準が揺れ動く歴史を目撃してきたベテラン編集者たちが、今もし装備を整えるなら。その答えは、単なる過去の踏襲ではなく、今の時代を軽やかにサバイブするための、各カテゴリーから厳選された最適解にありました。
まず再評価すべきは、効率化が進む今こそ選ぶ、手仕事のぬくもりを宿したオーダースーツやタイです。量産では到達できない首筋に吸い付く仕立てや立体的Vゾーンは、デジタル化時代にこそ際立つ“対面の説得力”になるはず。
一方で、シワ知らずのシャツや日傘といった機能的ギアを等身大で取り入れる柔軟さも欠かせません。清潔感を根性ではなく“道具”で維持する合理的かつ品格あるスタンスこそ、現代をスマートに生き抜く素養だからです。良質な服がもたらす自信と敬意。この正解をヒントにすれば、最高のスタートが切れるはず!? ぜひご参考に。
「スーツは、身体に合うのが一番。僕なら、グレーの生地を選ぶかな」(ドレス誌エディター伊澤一臣さん)

azabu tailor[麻布テーラー]
オーダースーツ
確かな仕立てを誇るファッションテーラーのパイオニア、麻布テーラー。特筆すべきは、上質なウール100%を用いた国内縫製のスーツ、コットン製のオーダーシャツ、シルクのタイ、天然レザーのベルト、ホーズの5 点を一気通貫で揃えられる点だ。「スーツを着る機会が減った現代こそ、オーダーを再評価すべきです。体型に沿う一着は、袖を通した瞬間に内面からの品の良さを引き出してくれる最強の武器。一式をプロと揃える“自分専用”の安心感があります」(伊澤)。5点合わせて、なんと! 7万7000円〜(麻布テーラープレスルーム)

プロの視点を交えて、Vゾーンから小物類をその場でコーディネート。だからスーツ初心者でも“合わせ”の失敗がゼロに。即座に正解が手に入る安心感こそ、最大級の機能性なのだ。
誰も教えてくれないColumn①
オーダー編
袖は11cm→10.5cm

袖丈は親指先から10.5cmが今の正解。既製シャツの長い袖に対応しやすく、ジャケットでTシャツを合わせた際も短すぎない絶妙なバランス。この微差が装いを旬にする。
パンツの裾は軽快に見えるハーフクッション

ダボついた裾はそれだけで清潔感を損なう一因に。今の正解は、靴の甲にわずかに触れる程度のハーフクッション。歩いた時にソックスがチラリと見える潔さで軽快さを演出。
オーダーは、ある程度スペシャリストとの対話を!

座り仕事が多いのか、外回りで歩くのか。あるいは、どんな自分に見せたいのか。そんな日常の所作や理想の姿をスタッフと共有することこそ、一着を自分仕様に仕立てるオーダーの醍醐味なのだ。
「良いネクタイは、やっぱり結びが違う」(ドレス誌エディター小曽根広光さん)

E.Marinella[マリネッラ]
ラッキーチャーム ネイビータイ
イタリアの歴代首相も愛用するその格式は、胸元に圧倒的な品格を添えます。「ここ20年、数多のブランドのタイを結んできた私が今、あえて推奨したいのがこれ。誰でも驚くほどキレイに結べて、夕方まで決して緩みません。その一締めが、ビジネスの現場で揺るぎない自信を与えてくれます。ワンポイント柄も、初対面の緊張を解く絶好の“会話の種”に!」(小曽根)。各4万1800円(マリネッラ ナポリ東京ミッドタウン)
誰も教えてくれないColumn②
ネクタイ編
「ディンプル」でVゾーンの格は劇的に見違える!
❶プレーンノットで結ぶ

プレーンノットの基本通り、大剣を小剣の上に重ね、ぐるりと一周回す。
❷一度人差し指を入れて整える

人差し指を結び目の真ん中に差し込みながら、右手の親指と人差し指でディンプルを作る。
❸最後に調整を

左手でノットの形を固定し、右手で大剣を真下へ引き抜く。左手でノットを押し上げつつ、右手で小剣を引いて襟元に密着。この上下の連動が緩まない秘訣に。
「シャツは消耗品だから、使い勝手がいい物を」(本誌ブナサワ)

UNIVERSAL LANGUAGE[ユニバーサルランゲージ]
ノンアイロンシャツシリーズ
綿100%の柔らかな風合いを保ちながら、特殊加工と特殊縫製を施し、驚異的な防シワ性を両立。「かつてはビスポークこそ至高と信じていましたが、日々の相棒となるシャツは実利で選ぶのが現代の正解です。技術の進歩が生んだこの“機能する天然素材”こそ、多忙な毎日を支える武器に」(ブナサワ)。6589円(スーツスクエア TOKYO GINZA店)
「もはや日傘は「涼しい顔」に欠かせません」(ライター押条良太さん)

AURORA[オーロラ]
晴雨兼用傘
創業130年の老舗が放つ逸品は、東レの機能素材、サマーシールドを採用。遮光・遮熱で体感温度を下げつつ、雨傘としても一級品の防水性を誇ります。「かつては汗を流す奔走が美徳でしたが、今は違います。完璧な装いも汗だくでは台無し。根性論を卒業し、日傘という“道具”で涼しい顔と清潔感を。これこそが現代のフレッシャーズにふさわしい新定番」(押条)。1万2100円(オーロラ)

誰も教えてくれないColumn③
マナー&モラル編
良品を揃えたら、次は良識を知ろう 実は、装い以上に差がつく心得を伝授!
ギラギラな手元

ギラつくカフリンクスは「盛りすぎ」でNG。上司の同行や大事な会食など、もし必要な場面でも、フレッシャーズなら小ぶりでマットな質感を選ぶべき。控えめな袖口こそが、相手への敬意と誠実さを物語る「賢い選択」に。
新人のキメキメスーツ

色柄スーツや派手なシャツ・タイは、フレッシャーズの誠実さを台無しにする逆効果な選択。まずは、無地や控えめな柄を選び、引き算の美学で信頼を勝ち取る。これこそが現場の正解だ。
襟の汚れは…

どんなに高級なスーツを纏っても、シャツの襟元がくすんでいては清潔感も信頼も台無し。「白さは誠実さの証し」と常に心得て、こまめなケアで真っさらな状態をキープするのが鉄則だ。
※表示価格は税込み
[ビギン2026年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。
