本当のサステナブルってなんだ? オールバーズ重松さん×レミレリーフ後藤さんの履き続けたくなるスニーカー談義。

「サステナブル」という言葉が独り歩きする昨今……。“エコフレンドリー”とか“リサイクル素材使用”とか。響きはいいけれど、本当に環境に配慮されているのか、どこか引っかかる。
たとえば、製造過程で大量のエネルギーを消費していたら? 短期間で使い捨てられる前提で作られていたら? そのアクションは、未来のために意味のあるものと言えるのだろうか。
そこで今回は、オールバーズの重松さんと、レミ レリーフのデザイナー・後藤さんに、“真のサステナブルとは何か”をテーマに、じっくり語り合ってもらいました。
オールバーズ 重松 政秀さん

レミ レリーフ デザイナー 後藤 豊さん

オバマ元大統領も愛用! 自然に寄り添うオールバーズ

オールバーズ流サステナブルのカタチ


後藤さん(以降敬称略):サステナブルといっても、いろいろですよね。オールバーズでは、何を意識してものづくりをされているんですか。
重松さん(以降敬称略):「ビジネスの力で、気候変動を逆転する」というミッションを実現するために、2030年までにカーボンフットプリントの数値をほぼゼロに減らすことを目指しています。
後藤:カーボンフットプリントというのは、製品をつくる過程で排出されるCO₂の総量のことですよね。
重松:はい。原材料の生産、製造、輸送、洗濯、そして廃棄。それらスニーカーにまつわるライフサイクル全体で排出されるCO₂を指します。2025年で目標値の約90%の削減を達成しました!
「カロリーのように、カーボンフットプリントの数値を表記する将来も夢見てます!」

後藤:ええ〜! それはスゴい。どうやったら、そんなに削減できるんですか!
重松:まずは、素材ですね。CO2削減に取り組むニュージーランドの畜産農場で生産されたメリノウールをアッパーに採用したり、サトウキビ由来の原料を80%含むミッドソールフォームを開発したりしています。
後藤:基本的に自然素材を使っていると。
重松:輸送方法にも工夫を凝らしていて。カーボンネガティブな真空包装でシューズをコンパクトに梱包することで積載効率を高めて、輸送時の環境負荷を抑えています。それらはバイオ燃料を使用した海上輸送で運んでいるんですよ。
後藤:徹底していますね〜。サステナブルなものづくりは、ブランドが始まった時から続けているんですか?

重松:はい。ブランド自体はサンフランシスコで生まれたんですが、創業者はニュージーランド出身の元サッカー選手、ティム・ブラウンなんです。自然に囲まれた場所で育ったこともあって、環境に対する意識は昔から強かったんだと思います。
後藤:サッカー選手が作ったとは知りませんでした!
重松:スパイクって、カラフルで派手なものが多いですよね。合成素材をたくさん使っているし、そうしたものづくりにいつしか違和感を覚えるようになったみたいで。選手時代から、ライフスタイルスニーカーを自作して、チームメイトに配っていたという話です。
レミ レリーフ流のサステナブルのカタチ

重松:レミ レリーフは、昔から大好きなブランドで。ヴィンテージ感がありながら、シルエットは時代に合わせて調節されていて、とにかく着やすい! でも、サステナブルという観点では、あまりイメージがないというのが正直なところで。
後藤:確かに、そうですよね。僕らもカッコいいものづくりを突き詰めていったら、結果的にそれがサステナブルにもつながっていた、という感覚なんです。
オールバーズにも染め加工を施したモデルが!

後藤:たとえば、ヴィンテージ加工。一般的には色落ちを表現するために化学薬品が使われますが、僕らはできるだけ使わないようにしています。本物のヴィンテージは、繰り返し着ることや、染料の酸化などで色落ちしていきますから。昔ながらの直接染料を使い、加工に適したサイズでワッシャーを特注したり、酸素濃度を高めて酸化を促進したり、ね。
重松:えっ!すごいですね〜。それが“リアルさ”の秘密だったんですね。その独自加工に、名前はつけられているんですか?
後藤:“スペシャル加工”と呼んでいます(照)。
重松:わかりやすくてイイ(笑)。
「本当のリアルを追求したいんですよ」

後藤:日に晒されたり、着込まれたりして生まれる経年変化こそが、本来のリアル。そういう自然な風合いを、どう再現するか。手間と時間をかけて、やっていくしかないんですよ。
重松:コスト的にはやっぱり大変なんですか?
後藤:フツウだったら、難しいと思います。僕らは自社工場を持っているので、なんとか(笑)。カッコいいものを作るためには、日々研究ですね。
オールバーズの実用性


後藤:そういえば、オールバーズのスニーカーって、洗濯機で丸洗いできるんですよね?
重松:おっ! 知っていただいていましたか。人気モデルのウールランナーは、文字通りメリノウールが使用されていますが、洗濯機OKです。そもそも、高品質なウールなら、水洗いで縮むことはないんですよね。
後藤:そうそう。意外と知られていなんですけどね。洗っても型崩れは、起きないんですか?
重松:ネットに入れて洗うと、気になりにくいですよ。どうしても心配なら、シューキーパーをセットしたまま陰干しすることを推奨しています。もちろん、ウールランナー以外も同じです。無駄な装飾品を省いたシンプル設計かつ柔軟性にも優れているので、問題なく洗えます。


後藤:白スニ愛好家の自分にとっては、とてもうれしいメリット。やっぱり綺麗なほうが、見た目にも気分的にも気持ちいいですよね。
重松:消耗品みたいなイメージもありますけど、ちゃんとケアできると、付き合い方も変わると思うんです。
後藤:ところで、重松さんが履いているスニーカーはウールランナーシリーズですか? もっとスポーティなイメージを持っていたんですが、思っていたよりカジュアルな面構えで、ミリタリーパンツとも相性いいんですね。
重松:よかったら履いてみてください!
50年代のGジャンスタイルの足もとにウールランナー!


後藤:ウールランナー、履き心地もめっちゃイイんですね! クッション性もあるし、まさに快適。洗っていつもクリーンに履けるだけじゃなく、履き潰してもいつでも買い足せるところもありがたい。というのも、シューズは一度気に入ったら同じものを履き続けたい性分で(笑)。安心感があります。
重松:新商品を次々に投入するというよりも、定番モデルを継続的にアップデートしながら長く展開していくスタンスなんですよ。作って売れなければ、セールにかけて販売する。そういうあり方は、僕らの考えるサステナブルとは違うのかなと。
後藤:その考えは、僕らにも当てはまりますね。毎シーズン新作は出しますが、需要を見極めて生産量を調節することで、できるだけロスを出さないようにしています。消化率は、ほとんど100%なんですよ。
サステナブルの流派は違えど、同じゴール?

重松:こうして話を聞いていると、サステナブルに対するアプローチは違えど、目指しているところは近い気がしますね。
後藤:結局は“長く使ってもらうこと”が大切なんですよね。一つのアイテムと長いつき合いをすれば、愛着も湧きますし。
重松:まさしくそうですね。オールバーズでは、履かなくなったオリジナルスニーカーをお客様から回収して、それをもう一度リセールするという試みも実践中です。本当にダメになるまで、お客様にスニーカーを履いてもらいたいと思っています。
「ヴィンテージの中古車的な感覚ですね」

重松:今は、ファッションも多様化していて、トレンドが世の中を席巻することって、これから先はないんじゃないかなと思っています。ジョブズみたいに毎日同じスニーカーがいいという人もいれば、スニーカーから発想を広げてコーディネートを考えるのが楽しい人もいる。
後藤:いろんな選択肢があるからこそ、自分が好きなスタイルを貪欲に追求する、コアなファッション好きが増えていく。そんな時代がやってくるんじゃないかな。
重松:僕も同じ意見です。そして、その選択肢のひとつが“サステナブルなファッション”。
後藤:ですね。僕は早速、「ウールランナー」を履きまくろうと思います(笑)。
洗うことで、愛着はもっと深くなる。体験イベント開催決定!
重松:4月25日には、実際にスニーカーを洗う体験イベントも予定しているんですよ。当日は後藤さんにもトークイベントにご登壇いただきますよね。
後藤:早速ウールランナーを履くいい機会がありました(笑)。
重松:ですね(笑)。イベントでは、環境配慮型洗剤メーカーの「がんこ本舗」さんと来場者の方にもスニーカーを洗っていただけたらと思っています。
「イベント楽しみですね!」

後藤:スニーカーを“洗う”体験って、意外と新鮮ですよね。服は洗うのに、靴はそこまで習慣がないというか。
重松:そうなんですよ。だからこそ、ちゃんと洗って気持ちよく履き続ける文化を、少しずつ広げていけたらなと思っています。
【体験参加者限定】スペシャルプレゼント
レミレリーフがエイジング加工を施したオールバーズの「クルーザースリッポン」を抽選でプレゼントします。世界に2足だけのレアアイテム。この機会を逃すべからず!
オールバーズ シューズケアイベント

日時:2026年4月25日(土)第1部14:00~、第2部16:00~
場所:オールバーズ丸の内(東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル 1F)
※参加無料、観覧自由ですが、体験は事前予約制。下記のフォームよりお申し込みください
https://www.goldwin-reservation.jp/events/VcZdqUzZTT
※お申し込みは先着順となります
※体験にご参加いただいた方には、当日にノベルティをお渡しします
※表示価格は税込
撮影/武蔵俊介 文/妹尾龍都