【Gジャンの基礎知識】1st〜3rdにはどんな違いが? “大戦モデル”って?

炭鉱で生まれハリウッドで輝いたGジャンの歴史を知っておく

【炭鉱で生まれハリウッドで輝いたGジャンの歴史を知っておく】
誰しも一着は持っているだろうGジャンですが、その歴史まで分かって着ている方はごく僅かかと。炭鉱生まれの作業着が、オシャレなセレショに並ぶまでの歩みをプレイバック。

Q.Gジャンってナニ?

A. Gジャン=デニム地を使用したショート丈のジャケット。その歴史は1880年代に誕生した「トリプル プリーツ ブラウス」から始まる。それ以前に使われていたワークジャケットはサックコート(カバーオール)が主体で、丈夫だが機動性に欠けていた。

ただ一方で軽快なワークシャツは耐久性に乏しく作業時の危険に繋がる。そこで、両者の利点を兼備した“デニム地のシャツ”としてGジャンが誕生したのだ。その後20世紀初頭にリーバイスが、現代のGジャンの祖ともいうべきモデルを発表。

ただし、現在Gジャンと聞いて誰もが思い浮かべるデザインは、1948年にリーが発表した「101-Jライダージャケット」によって完成する。両胸の高い位置にフラップ付きのポケットを備え、前身頃に2本のダーツを取ったそのデザインは、以降Gジャンの基本スタイルとしてさまざまなブランドが踏襲。カジュアルアイテムの大定番として広く定着することとなったのだ。

Gジャンの原型はデニムのシャツ!?

Gジャンの原型はデニムのシャツ!?

Gジャンの原型が描かれた19世紀末頃のイラスト。「ブラウス」の表記のとおり、当初はシャツの一種として誕生した。「Gジャンをコートにインしちゃおう」なんていうけど、じつは理に適ってるっ!?

Q.なぜGジャンと呼ぶの?

A. 語源はジーパンと同じ。ジーパンのトップスとしてのジャンパー(和製英語)が、ジージャンである。ただし、ジーパンの「ジー」はジーンズのジーではなくGIの「G」。戦後、進駐軍の兵士(=GI)たちが穿くジーンズを見た当時の日本人が“GIパンツ”と呼んだため、トップスの表記もGジャンなのだ。外国では通じないので注意!

Q.Gジャンはいつからオシャレになった?

A. ジーンズ同様、アメリカが最も輝いていた1950年代にファッション化したというのが一般的な見解。当時エルヴィス・プレスリーをはじめとするミュージシャンや映画俳優が着用したのをきっかけに、タフで男らしいファッションに欠かせないアイテムとして人気を博した。また、Gジャンのファッション化に大きな影響を与えたリーのジャケットはラルフ・ローレン氏が愛用したことでも有名。

エルヴィスは舞台衣装でGジャンをよく着用

エルヴィスは舞台衣装でGジャンをよく着用

Q.1st、2nd、3rdってナニ?

A. 誕生以来3度の大きなスタイル変更が行われたリーバイスのGジャンの変遷を指す言葉で、古い順に1st、2nd、3rdと呼ばれる。

一般に1stは1936年に登場したフラップ付き片ポケット仕様の「S506XX」から始まるとされるが、広義にはそれ以前にあったフラップなしポケットのモデルを含めることもある。いずれにせよ、いまだシャツとしての側面を色濃く残すシンプルな表情が特徴だ(こちらのリーバイスがそれ)。

2ndは1953年から1961年まで生産されたフラップ付き両ポケット仕様の「507XX」を指す。米国が最も豊かだった時代に生まれたモデルらしく生地もディテールも贅沢だが、まだワークウェアの範疇といえるだろう。

そして1962年、それまでとは全くデザインを異にする3rdモデル「557XX」が登場。基本デザインは現在まで受け継がれている。ちなみに生地はプリシュランク(防縮加工)デニム。「501XX」のトップスという位置づけだった1st、2ndと違い、細身シルエットの「551XX(のちの505)」と対をなすトップスとして発表されたと考えられる。

【2nd】アメリカの黄金時代に生まれたヴィンテージGジャンの象徴

2nd

フロントにプリーツを備えたスタイルは1st同様だが、フラップ付きポケットが両胸に付くのが最大の特徴。またバックのシンチはなくなりサイドアジャスタに変更された。

【3rd】それまでと全く異なるコンセプトで開発された都会的なスタイル

3rd

ヨークのすぐ下に配されたフラップ付きポケットと、ポケットから裾までのびるV字ダーツが目を引く斬新なデザインを採用。防縮加工の生地や立体裁断も取り入れられた。

Q.「大戦モデル」って軍用のGジャン?

A. 古着好きなら聞いたことがあるであろう「大戦モデル」。軍用Gジャン? なんて考えるのはまったくの間違いで、その正体は第二次世界大戦後半の物資不足の影響を受け、仕様の簡略化を余儀なくされた1st世代モデルのこと。ただ今では希少性が高く、超高価!

簡略化された1st=大戦モデル、なのだ

簡略化された1st=大戦モデル、なのだ

ポケットフラップの省略やボタン数の減少、月桂樹ボタンの採用など、仕様の簡略化が施されたリーバイスの1stモデル。当時はクオリティの低下したモデル、という位置づけだったのだ。

もっと知っ得コラム
買う時に知っておきたいディテール解説

Gジャンのスタイルの違いはポケットの仕様だけではない。細部の違いで着た印象も変わるので、要点をしっかり押さえておこう。

1st、2nd、3rdベースによってシルエットが変わる可能性あり

1st、2nd、3rdベースによってシルエットが変わる可能性あり

基本は、ベースが古い時代のものほど袖は身頃と平行に付けられているため無骨なシルエットに。逆に現代的なモデルほど袖の付け方にも傾斜が入り、スリムで現代的なシルエットなものが多いとされる。

衿の形、サイズ感も違う

衿の形、サイズ感も違う

3rdタイプの衿はそれ以前のものに比べ明らかに大ぶりで、デザインもロングポイントぎみになっているのが特徴。3rdタイプが誕生した1960年代の流行を見事に反映したものといえるだろう。

語れるポイント、“カンヌキ”を知る

語れるポイント、“カンヌキ”を知る

プリーツの開きを抑えるための“カンヌキ”。通常はステッチだが、ラングラーは円形の刺繍を採用。ブランド創設時からウエスタンムービーの衣装デザイナーを起用した同ブランドらしいディテールだ。

 
※表示価格は税込み


[ビギン2026年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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