【ポロシャツの原点】二大巨頭「ラコステ」と「フレッドペリー」を徹底比較
【ポロシャツを飛躍させた二大巨頭を知っておく】
クールビズには欠かせない品格アイテムの一つであるポロシャツは、元を辿ればテニス向けのアクティブなシャツ。その源流を、2大ブランドの定番モデルを通して解説!
すべてのポロシャツの礎となった
「ラコステ」
LACOSTE[ラコステ]
L.12.12
創業時から展開される大定番。「L」はラコステ、最初の「1」は鹿の子、お次の「2」は半袖、最後の「12」はルネ氏が最終的に選んだサンプル番号を意味する。美しい衿、品ある貝ボタンなど、その意匠は誕生時から不変。写真は同社の日本国内における専門ファクトリーで生産されるモデル。1万7600円(ラコステお客様センター)
①生地の色に合わせた天然の白色高瀬貝
②激しい動きに対応する小さく切れ込むスリット
繊維長の長いスーピマ綿糸で編み上げた鹿の子生地
LACOSTE ラコステ
Since 1933/France
創業者は、テニスの4大大会を計7度も制した名プレイヤーでもあるルネ・ラコステ氏。従来テニスウェアはコットンブロード地の長袖ワイシャツだったが、1927年頃に半袖で通気性も良い画期的なスポーツウェア“ポロシャツ”を提案し、選手たちの間でたちまちブレイク。1933年に「シュミーズ・ラコステ社」を設立した。
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左胸のワニロゴの起源とは何なのか?
現役時代に、喰らいついたら放さないプレースタイルから“ワニ”の愛称で呼ばれることになったルネ氏。友⼈がワニのイラストを画いてくれたのを面白がり、白いブレザーの左胸に刺繍して試合があるたびにたびたび着用。自らの名を冠したブランドでポロシャツを製造するにあたり、そのアイデアを活用した。多くのブランドが当たり前のようにポロの左胸にロゴを配しているけれど、この様式美を定めたのもラコステが初なのだ。
ワニのように狙った獲物を逃さなかった“ルネ・ラコステ”
ワニの絵をブレザーに刺繍してコートで着たのが発祥
“ファッションアイテム”の地位を与えた
「フレッドペリー」
FRED PERRY[フレッドペリー]
M12
M12は、ペリー氏が12番目にデザインしたシャツのスタイルナンバー。洗濯すると着丈、身幅とも2cmほど縮んで体にフィット。タイトめに着るのがツウの作法だ。1957年の誕生以来、ペリー氏の故郷であるイングランドのストックポートの工場で作り続けられているのもありがたや。1万7600円(フレッドペリーショップ東京)
①現在も生まれ故郷の英国での製造を続ける
②アイコニックな2本線“ティップライン”
通気性に優れるとともに肌触りやわらかなコットンピケ
フレッドペリー FRED PERRY
Since 1952/England
史上初のグランドスラムを達成した伝説的テニスプレイヤーであるフレデリック・ジョン・ペリー氏が、引退後に自身の愛称を冠してスタート。同年の1952年のウィンブルドン開催中に、ロッカールームへの入室が許可されていた氏が選手たちへポロシャツを配布。決勝戦でも着用され、一躍人気になったという経緯あり。
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スリムシルエットは多方面にウケた
フレデリック・ジョン・ペリー氏が現役だったころは、ポロシャツのシルエットはゆったりしたものが主流だった。引退後、上掲のM12などのスリムで体にフィットするポロシャツを開発。即座に多くのテニス選手たちに愛される新定番となった。1960年代になると、細身のアイテムを身に纏う「モッズ」ファッションに飛び火。アーティストにも度々着用され、いつしかオシャレに欠かせないマスターピースとなったのだ。
ダボダボしていたポロが不満だったため引退後にスリムポロを開発
1960年代の英国の若者たちから爆発的な人気を獲得!
※表示価格は税込み
[ビギン2025年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。