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Jul-21-2025

[5位]今月のいいモノランキング

黒ずみゼロ!? 漆塗りで進化した“賢いまな板”がすごい

伝統の漆塗りを応用し、嫌な黒ずみとオサラバ !

一和堂工芸のタタキ後藤塗 みち子のまな板(ツガ材)

【一和堂工芸のタタキ後藤塗 みち子のまな板(ツガ材)】

ツガ材のまな板のサイドを漆塗りし、木の導管を塞ぐことによって水分の浸入を防ぎ、黒ずみを予防。清潔感が長持ちし、耐久性もアップした新発想のまな板。タタキ後藤塗とは、香川漆器の技法のひとつで、江戸時代末期に高松藩士の後藤太平が考案したもの。朱漆を基調とし、指やタンポで撫でたり叩いたりすることで独特の模様を生み出すのが特徴。傷がつきにくいので、一般家庭でも扱いやすい。化粧箱入り。W40 × H21 × D2.5cm。1万4300円。

“漆”実剛健

まな板の黒ずみ、どうにかならんかの? と頭を悩ませていた一和堂工芸の3代目・浅野道子さん。ある日、讃岐の伝統工芸仲間から「ほんなら、まな板の端に漆を塗ってみたらどうな?」と言われ試したところ……半年使ってるのに全然黒うならん!!

というわけで、晴れて商品化となった次第。一和堂工芸は、100年以上の歴史をもつ、香川で最も古い漆器工房のひとつ。伝統的な漆器作りに取り組む一方で、道子さんはカラフルな色使いや現代的なデザインにも意欲的にチャレンジ。今回のまな板もその一環で、黒ずみの原因を見つめ直したことから生まれた新発想です。

一和堂工芸のタタキ後藤塗 みち子のまな板(ツガ材)
サイドを漆塗りすることで木の導管を塞ぐ

木の黒ずみは、側面の“導管”(根から水分を吸い上げる管)から水分が入り、カビが繁殖することで起こるもの。ならば側面だけ漆で塗って導管を塞げばいい──そんな伝統技法を応用したシンプルな着想です。結果、漆のおかげで清潔感も耐久性も向上し、木の美しさが長持ち。いつもご機嫌うるわしいまな板が完成したってわけ!

(問)一和堂工芸
☎ 087-841-1531

 
※表示価格は税込み


[ビギン2025年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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