【グローブ・トロッター vs ゼロハリバートン】名門トロリーの“重厚美”を徹底比較!
レジャー目的の旅行が大衆化したのは1880年代から。150年ほどの旅行文化を経て進化してきたスーツケースを最古&最強の名門トロリーブランドから勉強しましょう!
旅の黄金時代を支えたトラッドトロリー
「グローブ・トロッター」
GLOBE-TROTTER[グローブ・トロッター]
センテナリー キャリーオン 4ホイール
2019年に独立型四輪ホイール搭載でデビューしたモデル。ヴァルカン・ファイバーのボディ&ベジタブルタンニンレザーのベルト、というクラシックな様相でありながら、180度フルオープン対応でシンプルな荷室を有効活用しやすい。TSAロック付き。W42 × H56 × D21cm。容量34リットル。重量4.2kg。33万円(グローブ・トロッター 銀座)
言わば紙素材の「ヴァルカン・ファイバー」とは
1859年にトーマス・テイラーにより発明された、当時の最新素材。精選された木綿や木材繊維の層からなる原紙を、特殊な溶液で加硫(ヴァルカナイズ)・圧着することで作られる。
11の工程をかけて丁寧に成形されたレザーのコーナー
重厚感を後押しする木製フレームを採用
内装は無骨さが漂うヘリンボーン織りの生地
GLOBE-TROTTER[グローブ・トロッター]
英国人のネルケン氏が独にて創業。ヴィクトリア朝時代の旅行家たちが色めき立った。「ヴァルカン・ファイバー」を使用したトロリーは、1トンのゾウが乗った広告とともに“世界一有名なスーツケース”として今日まで君臨。エリザベス女王やウインストン・チャーチル、冒険家のエドモンド・ヒラリー卿も愛用した。
丈夫さを知らしめたゾウ1トン実験
月面着陸を見届けたアルミ素材トロリー
「ゼロハリバートン」
ZERO HALLIBURTON[ゼロハリバートン]
ヘリテージライン キャリーオン
同ブランドの最高級ライン。強度と加工難度の高い6000番系アルミ合金を再び使い、独自のプレス加工と綿密な温度調整を駆使し耐久性と軽さを両立した。シームレスなコーナーや静音キャスターなど、ほかに優れたディテールが満載。W35 × H56 × D24cm。容量34リットル。重量4.9kg。18万7000円(ゼロハリバートンカスタマーサービス)
国際的に統一されたTSAロックとは
米国運輸保安局(TSA)認可のロックのこと。9.11以降、同国の空港では不審な手荷物に対し、局員が鍵を破壊して内容物を検査することが可能に。そのため旅行者は開錠状態で荷を預けるが、TSAロックの場合、破壊せずに解錠でき、旅行者は施錠したまま預けることができるのだ。
堅牢性を向上させるダブルリブデザイン
ゆっくりと元に位置に戻る油圧式のハンドル
荷物の量に応じて調整できる中仕切り
ZERO HALLIBURTON[ゼロハリバートン]
創業者のアール・P・ハリバートン氏が作ったアルミ製ケースが話題を呼び、南カリフォルニアに「ハリバートンケース」社を設立。1946年からボディにリブが施され、1969年にアポロ11号のミッションで、月の石を地球まで運んだことで名高い。なお航空会社などのステッカーをケースに貼る習慣は、この頃から一般化。
月面に行ったのは当時の市販品の内装変えただけ!?
もっと知っ得コラム
旅行直前でも焦らないパッキングのコツ
2泊3日の出張の場合……機内持込できる35リットルで挑戦!
①パンツ、ジャケットなどシワがつきやすいものは外にはみ出して入れる
②セーター、インナーなどもすべて広げたまま入れる
③シワになってもいい服を先に畳む
④シワになりやすいパンツやジャケットも畳む
⑤靴下、ネクタイをまるめて隙間を埋めるように入れる
⑥シャツを畳んでビニールに入れてから納める
⑦ハンドルのバーの隙間に革やエコバッグなどを入れる
⑧小物入れや下着入れをクッション代わりにのせる
⑨風呂敷でフタをして完了
※表示価格は税込み
[ビギン2025年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。