特集・連載
沼にハマって買い集めずにはいられない“塊根植物マニア”相田さんの一生モノ
とことん使える一生モノ また値上げぇ~!?と、こっちが音を上げてしまいそうな昨今の日本経済……。でもしょげてばかりじゃいられない。モノ好き賢者の成功体験を聞きながら、結局得する「一生モノ」をオールジャンルで紹介します。 この記事は特集・連載「とことん使える一生モノ」#28です。
好きが高じて仕事に影響しちゃう人、もしくは仕事が趣味に転じてヌマっていく人、オタクの形は人それぞれ。ヘンタイな偏愛者さんの超マニアックな一生モノをお見せします。
「塊根植物が今50鉢、整理する前は100鉢ありました」
―ビームス VMD部 部長 相田高史さん
塊根植物を知ったのは、全くの偶然でした。それまで植物をアートとして提案する植物専門店の方と仕事で知り合ったのをきっかけに、多肉植物の造形の面白さにハマっていたんですが、8年ほど前、何気なくインスタを閲覧していたら、見たことない造形の植物を見つけて一気に興味を惹かれました。それが塊根植物でした。
当時は一般的な植物屋さんには売っておらず、いろいろ調べた結果、千葉の農家さんが栽培していることを知り、直接訪ねてマダガスカル原産のグラキリスという植物を購入。以来、すっかり沼にハマっています。
塊根植物は種類が豊富なだけでなく、同じ種類でも造形が様々。知れば知るほど奥が深く、アレも欲しいコレも欲しいと買い集めずにはいられず、一時は100鉢を超えるほど。まあ、どれも可愛いんですけどね(笑)。総じて丈夫な上に長寿命な塊根植物、これからも長い付き合いになるでしょうね。
「太い幹から複雑に枝葉を伸ばすその姿はまさに塊根の王様です」
オペルクリカリア・パキプス
マダガスカル原産の塊根植物の王様。太った幹と複雑な形状のコルクのような樹皮が魅力。細い枝を旺盛に伸ばし、小さく丸い葉を茂らせる。発根株は数十万円の値段が付くことも。
「トゲトゲしくも美しくカールするツン&デレ感にキュンです♡」
エンセファラルトス・ホリダス
南アフリカ原産のソテツの仲間。地中に半ば埋まったパイナップルに似た幹から枝を伸ばし、鋭いトゲを備えた硬くて青白い葉を付ける。希少種のため小ぶりな株でも約10万円。
「ペリペリと剥がれる肌に多肉質な葉の組み合わせがツボ」
キフォステンマ・ベティフォルメ
原産地はソマリア。肥大した幹と滑らかな樹皮が特徴。切り込みの入った葉や小さな花も魅力。小ぶりな株は1万円台から購入が可能。
「塊根植物集めから鉢集めの沼にもハマってしまいました」
手放したくない一生モノの園芸用の道具たち
(右)アダム・シルヴァーマンのランプシェード
(左)根岸産業のジョウロ
N.Y.生まれの陶芸家アダム・シルヴァーマン作のペンダントライトのシェード。底部に開いた電線を引き込むための穴が栽培に最適だったため植木鉢に転用。参考商品。植物好きにはお馴染み根岸産業のジョウロ。銅製なので使い込むほどに味が出る。0.5L。8250円。
ビームス VMD部 部長
相田高史さん
塊根植物は子供が産まれたのをきっかけに半数を手放し現在50鉢に。植物以外の趣味は、もう四半世紀近くもハマリ続けている釣り。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。