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LACOSTE ラコステ L.12.12

“品があるのにラク”の最たる例として、目下最強のオンオフ兼用ワードローブに君臨するポロシャツ。ここではそのオリジンにして、今年めでたく創設90周年を迎える仏の名門ラコステを、気になる最新情報を踏まえ、今一度、徹底解説いたします。

LACOSTE ラコステ

[RENÉ LACOSTE]
90年前のあの夏に生まれた一着は90年後の今も夏トップスの最高傑作なのだ

同社の創業者であるルネ・ラコステ氏は、14歳からテニスを始め、わずか4年後にフランス選手権大会で優勝。引退までに4大大会を計7度も制した稀代の名選手として知られていますが、実は現代では当たり前となっているテニスボールマシンをはじめ、数々の革命的ツールを開発した発明家としても著名でした。

33年の創業時から展開されるポロシャツも、今でこそ夏トップスの最定番として世界中の服好きから愛されていますが、もともとはそんな同氏がテニスウェアとして開発したもの。以下ではその誕生背景に迫ります。

ルネ・ラコステ氏
©Archives Lacoste. Fonds Jacques Brugnon

[HISTORY]
原点であり完成形だった“ポロシャツの起源”

LACOSTE ラコステ L.12.12

①テニスに求められる品に応える美しい衿
②育つのに5年かかる高品質な蝶々貝ボタン
③スポーツ由来のリブ編みの袖先もアイコン
④愛らしさと運動性を両得するスリット

ポロシャツが誕生したのは1927年頃。なんと今から100年近くも前のことです。生みの親はご存知、ルネ・ラコステ氏。同氏がまだ現役のテニスプレーヤーだった20年代当時、選手たちはまだ布帛生地で作られた、ダボダボのワイシャツを着てプレーするのが一般的だったそうな。

動きにくいし汗も吸いにくいこのシャツに常々不満をもち、なにかと風邪をひきがちだったという同氏は、ある時ロンドンへ旅行に行った際、現地のシャツメーカーで、とあるニット生地と運命的な出会いを果たします。

それこそが汗をよく吸う快適な“鹿の子”生地。同氏は英国のポロ選手たちが、これとよく似た柔らかい生地のシャツを着てプレーしていることに着想を得て、すぐさまこの鹿の子生地を用い、テニスにも使える半袖の衿付きシャツを仕立ててもらうよう打診。これこそまさにポロシャツ誕生の瞬間だったんです。

伸縮性にも通気性にも優れるこの鹿の子ポロシャツは、選手の間でたちまちブレイク。これはいける!と確信した同氏は、1933年にフランスのトロワに巨大なニット生地製造工場を持っていたアンドレ・ジリエ氏と共同出資して、「シュミーズ・ラコステ社」を設立することになりました。

驚きなのはこの鹿の子ポロは、現在まで基本仕様を変えていない=誕生した瞬間からすでに完成されていたということ。①品格が要求されるテニスウェアとしての素養を満たす美しい衿。②気品をさり気に主張する貝ボタン。③フィット感に富むリブ編みの袖先。④運動性と愛らしさを両立させる通称・バタフライスリット。これらの代表的な意匠は誕生時から不変。

ポロシャツの原点であるということだけでなく、すこぶる完成度が高かったからこそ、いつしかスポーツウェアの枠を飛び越え、ファッションの定番としても浸透していったんです。

まだ暑さが残るこの時季、ムレやベタつきとは無縁の鹿の子ポロは、オンでもオフでも最強の相棒。その原点にして頂点、頼らない手はありませんよ。

LACOSTE ラコステ L.12.12

テニスウェアとして生を受けた傑作
L.12.12

1933年の創業時から展開されるキング・オブ・ポロ。「L」はラコステ、最初の「1」は鹿の子素材、お次の「2」は半袖、最後の「12」はルネ氏が最終的に選んだサンプル番号を意味する。ちなみに正式な呼び名は“エル・トゥエルブ・トゥエルブ”。1万6500円。

[MATERIAL]
馬鹿アツイ夏こそ“鹿の子”が物を言う

LACOSTE ラコステ L.12.12

 

[通気性]がすごい・[吸湿性]がすごい⇒ずっとベタつかない♪

LACOSTE ラコステ L.12.12

生地を透かした時に見える編み目の形が、子鹿の背中にある斑点に酷似していることから“鹿の子”と名付けられたとされる、代表的なニット生地。凹凸があって通気性に富むだけでなく、柔らかくて伸縮性にも吸湿性にも優れる、古きよき機能派ファブリックだ。
 

元々、暑い夏でも快適で“勝つため”の服だからね

ルネ・ラコステ氏
©Archives famille Lacoste

[COLOR]
豊富すぎるカラバリ選ぶは……パッキリ? シットリ?

LACOSTE ラコステ L.12.12のカラーバリエーション

誕生時から現在までほとんど基本仕様を変えていない。これこそがL.12.12の完成度の高さを示す何よりの証拠!ですがひと度色が変わると途端にキャラが異なって見えるってのが、また今作の面白いとこなんですよね。いや〜、本当に懐が深い。

言わばこの名品は純白のキャンバス。90年の間に数えきれないほど多くの色で染め上げられてきました。正直豊富すぎて、これまでの正確なカラバリ数なんて到底測定不能。ですがその総数は、おそらくポロ界No1! 

下の「シーズナルカラー」の通り限定色なんかも毎シーズン登場してるから、ワードローブと照らし合わせたマイベストカラーを“掘る”感覚も味わえちゃうんですよね。

ちなみに現行のL.12.12は、繊維長の長いスーピマ綿糸で編み立てた鹿の子生地を採用。高品質な原綿を採用していることも、パッキリ系からシットリ系まで、繊細かつ美しい色出しに通じているはず。どの色にするか迷うのも無理はなし。失敗したくない人はぜひとも次の武内氏によるスタイリングを参照あれ〜。
 

今買える パッキリ? シットリ? 早見表

カラー早見表

「シーズナルカラー」って?
 
名前通りそのシーズンだけ展開される、いわば期間限定カラーのこと。下の写真で「モデルが着用しているオレンジやベージュ」も、じつは今季限定色。もちろんこれまでもオレンジやベージュは存在していたが、今季の色は既存の色味とは微妙に異なる。
 
古くからのラコ愛好家なら、古着屋を巡り、赤なら赤、青なら青でマイベストカラーを掘り出した経験があるはず。シーズナルカラーとの出会いは、それと同様に一期一会。買い逃して後悔なきよう。

[STYLING]
時代に流されないからいっつも“着こなしの軸”になる

LACOSTE ラコステ L.12.12のカラーバリエーション
 

どんな風に着ても失敗しないザ・名品

スタイリスト 武内雅英氏

スタイリスト 武内雅英氏


「どんなアイテムと合わせても成立」と今作に絶大な信頼を寄せる、ビギンファッション企画のブレーン。本項でもパッキリ派とシットリ派の色味別コーディネート例を指南。

数ある名作のなかでも、L.12.12のタンスの肥やしにならない度はピカイチ。理由はエレガンスが要求されるテニスウェアを出自としているからでしょう。

スポーツ由来のアイテムは、えてしてカジュアルに寄りがち。ですがルネ氏の美意識が反映された、このクリーンな佇まいのおかげで、ビズでも遜色ない品を宿してるんです。守備範囲が広大だからこそ、流行にも左右されず、どの時代でも着こなしの軸になってくれる。

武内さんが指南してくれた着こなしテクも、あくまでもほんの一例。

「パッキリ派は可愛く見えすぎないよう、太パンで雄々しく。シットリ派はグレスラと合わせて、より大人っぽく。なんてコーディネートを思案してみましたが、正直言うと双方のパンツを入れ替えても違和感なく成立しちゃう。定番力が高すぎて、逆にスタイリスト泣かせな名品なんです(苦笑)」

[パッキリ派の実例]
例えば「オレンジ」を選び太パン合わせで男らしく

LACOSTE ラコステ L.12.12のカラーバリエーション オレンジ
ラフに着る時は、大きめサイズ+白Tをイン

 

秋冬カジュアルのインナーに◎

LACOSTE ラコステ L.12.12のカラーバリエーション オレンジ

両派閥ともインナー使いすると、よりキャラの違いが浮き彫りに。ラコステのポロシャツ1万6500円(ラコステお客様センター) バラクータ×ビームスのブルゾン5万5000円(ビームス 原宿)コノロジカのパンツ2万9700円(HEMT PR)ティンバーランド フォー ユナイテッドアローズの靴2万5300円(ユナイテッドアローズ 原宿本店)

[シットリ派の実例]
例えば「ベージュ」を選びグレスラ合わせで大人らしく

LACOSTE ラコステ L.12.12のカラーバリエーション ベージュ
ドレスに着る時は、ピッタリサイズですっきりと

 

ビジネスでのインナーに◎

LACOSTE ラコステ L.12.12のカラーバリエーション ベージュ

ラコステのポロシャツ1万6500円(ラコステお客様センター)ユナイテッドアローズのジャケット5万7200円、同パンツ1万8700円(ユナイテッドアローズ 原宿本店)パラブーツの靴9万9000円(パラブーツ 青山店)E5 アイヴァンの眼鏡4万4000円(アイヴァン PR)

 
商品の問い合わせ先/ラコステお客様センター
☎0120-37-0202
https://www.lacoste.jp/

※表示価格は税込み


写真/若林武志 文/黒澤正人 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/北村達彦

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